自分を変えることに疲れました

相談者名
JILL
いつも拝見しております。
昔から人付き合いの苦手な自分にコンプレックスがありました。
仕事で人付き合いすれば何か変わるのではないかと接客のバイトをしたり、営業の仕事に就きました。
「自分が変われば人が変わる」という言葉を信じていました。
徐々に雑談等が苦でなくなると人の反応は変わってきました。
私は人に変わってもらうために自分を変え続けました。
素の自分と別の「受け入れられるための自分」を作るために随分無理を重ねてきたような気がします。
最近忙しさに疲れ、心療内科で処方された薬を飲み働いています。
自分を変えた労力程に人が変わってくれないことに憎しみを抱えています。
人間関係の波に飛び込み、らしくないことも随分とやってきました。
馴れ馴れしくフランクなキャラクターを演じて初対面で仲良くなっても持続できず相手に切り捨てられたり、女性に積極的なタイプでもないのに積極的にアプローチしても結果的に誘いやメールを無視され、その度に自分を削った意味を憂いました。
その内憎しみが積もって人と接する場に赴かなくなりました。
やりたくないことも無理してそれでも報われないのが一番つらい。
身を削っても得られない、傷ついた分だけ人に優しくなれません。
何だか自分にも他人にも失望しました。
「自分を愛せ」と言われても「愛されない自分」を一体どう愛せばいいのか。
自分が変われば他人が変わるって何でしょうか。
相手が自分に合わせてでも変わってくれる「強者」になれない自分は身を削って変わり続けるしかない「弱者」にしかなれないのでしょうか。
カウンセラー
かねがえゆうき
JILLさん、はじめまして。かねがえゆうきと申します。
ご相談文を読んで、JILLさんが感じている悔しさ、報われない思いがひしひしと伝わってきました。
少しでも心がラクになるよう、心をこめてサポートさせていただきます。「自分が変われば人が変わる」という言葉は、よく聞きますよね。
まず、この言葉の定義について、私なりの見解をお伝えしますね。

自分が変わると、自分の「ものの見方」「考え方」「感じ方」が変わります。
その変化は、癒しであり、成長でもあると思います。
この人はこんな人、と思っていたけれど、違う見方ができたり、最悪の出来事の中に、学びを見つけることができるようになったりします。
同じ人と接する時も、以前とは違う接し方ができるようになります。
私たちは常に、互いに影響し合って生きているので、その結果として、新たな視点で接した相手の反応も、自然と変わってきますよ…だから、いい影響を与え合いましょう。
これが正解、というわけではありませんが、私自身はこのような解釈をしています。

ですから、極端にいうと「自分が変われば、他人が自分の思い通りに変わる」という意味ではないのですね。
「自分が変わる=いい影響を与えられる自分になる」ことが「他人が変わる=いい影響力が他者に及ぶ」ことにつながるという意味合いではないかと、私は捉えています。
この前提に基づいてお話ししていくことを、ご理解いただけますでしょうか?

「人に変わってもらうために、自分を変え続けました」と書いてくださいました。
この言葉を、私はこのように解釈しました。
JILLさんは、他人にいい影響を与えるために、より偉大な自分になるチャレンジを続けたのだと。
本当に努力し続けてきたことは、この文章からもよくわかります。

そして実際に、苦手だった人づきあいを克服しようとチャレンジし、雑談が苦でなくなると、人の反応も変わってきたわけですよね。

JILLさんはその時、どう感じられましたか?
純粋に嬉しかったでしょうか?
それとも、人づきあいが苦手な自分はやっぱりダメだったんだ、もっともっと変わらなきゃ!と感じたのでしょうか?
もしかしたら、その両方の感情を感じたかもしれません。

JILLさんの向上心、目指す方向へ向かって一心に努力する姿勢、行動力は素晴らしいと思います。
そして実際に、JILLさんは成長し続けていると思います。
その、ご自身の成長した部分が、今は見えなくなってしまっているように感じます。

私たちは、自分では自分の変化になかなか気づくことができません。
他人から見たら素晴らしいことを成し遂げている人も、自分自身を評価すると、非常に点が厳しくなってしまいます。自分を認めるよりも、自分にダメ出しばかりしてしまうのです。

JILLさんにお伝えしたいことの一つ目は、まずご自身の努力や成長を認めることです。
数年前の自分と比べて、どんなことが変わったでしょうか?
これは、自分一人では批判する視点が強くなりますので、私たちカウンセラーを頼っていただけると、きっとお力になれると思います。

もう一つ、お伝えしたいことがあります。
JILLさんが求めてきたこと「人に変わってもらいたい」というのは、人にどんな風に変わってもらいたいのでしょうか?
私には「人に受け入れてもらいたい」「愛されたい」という思いがとても強く感じられました。
この裏側には、「そのままの自分では愛されないから、変わらなければならない」という切実な思いが存在するように感じられます。
でも、それは誤解です。
自分は愛されないと信じていると、私たちの心は、愛されない証拠を探してきてしまいます。
でも、本当にそうなのでしょうか?
今はそう思えなくても、愛された事実も、たくさんあったはずなのです。

カウンセリングやセラピーでは、その思い込みを外していくアプローチをしていきます。
よろしければ、JILLさんのお話を聞かせていただけませんか?

最後に、私が感じたJILLさんの才能をお伝えしますね。

人間関係で苦労しているJILLさんは、他人のことをとてもよく観察し、他人の喜ぶことを見つけることに長けていると思います。他人の気持ちが理解できる、とても優しい方だと思います。
無理をして場を盛り上げようとしなくても、JILLさんの存在でほっと和むような温かさをお持ちで、優しさで人とつながる才能をお持ちです。
JILLさんがJILLさんらしくくつろいでいる時に、その場にゆったりした安心感が流れます。
身を削るのではなく、ご自身の素の部分の良さに、もっともっと注目してあげてくださいね。
それが、自分を愛することにつながると思います。

JILLさんが自分らしく毎日を過ごせますよう、心から応援しています。
少しでも、ヒントになりましたら幸いです。
ご相談ありがとうございました。

かねがえゆうき

この記事を書いたカウンセラー

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