自分の心の閉鎖

相談者名
M
始めまして。宜しくお願いします。
人との接し方で悩んでいます。人と何を話していいかわからず、
いつも気まずい空気になってしまい、相手の様子を伺い、相手が気まずそうな顔をしていると、よりいっそう何を話していいかわからなくなってしまい頭が酸欠状態になってしまい、冷汗が出てしまいます。
その割に性格は寂しがりやであるので、友達と話したい、遊びたいとは思うので、友達と会うのですが、相手にすごく気を使ってしまい、何を話そう、何を話したら相手は楽しいのかなとばっかり考えてしまい、誰かと一緒にいるとすごく疲れてしまいます。家に帰ってきて、一人になってホットしている自分が悲しくなります。
もちろん彼氏といる時も長い時間一緒にいるとたわいもない会話ができないので、一緒にいるのが窮屈になってきて、気疲れをしてしまいます。
これでは、相手や周りの人にも嫌な思いをさせてしまうし、自分も苦しくて、友達との関係や、仕事関係、恋人関係うまくいかず、幸せになれないと思いました。私がこういう状態になったのは、高校2年の時からなんです。それまでは人と話すのが大好きで、何も考えず会話ができ、自然な自分でいられていました。でも、ある日から、人と話す事が苦痛になり、何を話していいのかわからなくなりました。家族や、今まで仲良く自然に話せていた友達や彼氏とも。何かきっかけや、辛い出来事があったわけではないんです。何か自分の中の人とのコミュニケーションをとる線がプツンと切れてしまって、心が閉鎖されてしまった気がします。理由がわからず、ずっと苦しんできました。いつか自然に人と接する事ができる日がくるだろうと信じて、もう10年近くたちます。でも、改善されません。もうどうしていいのか自分ではわからず、相談させて頂きました。宜しくお願いします。
カウンセラー
山下ちなみ
Mさん、こんにちは。
人と何を話していいのか分からずに、「頭が酸欠状態」になってしまうのですね。
気を使いすぎて、自宅に戻るとホッとしてしまう。
相当なプレッシャーですよね。
ホッとするのもつかの間、そんな自分に悲しくなってしまう、のですよね。
ぐるぐると、しんどい道を回っているように感じているかもしれません。
一方で、相手に気を使うということは、それくらい相手のことを好きだからでもありますよね。
愛されたい、さびしいという気持ちとともに、相手を嫌な持ちにさせたくない、という優しさや愛情の深さを感じます。

高校2年のときから、こんな状態とのことですが、このとき、何が起こったのでしょう。
もちろん、とりたててつらい出来事があったわけではありませんでした。

この時期は、一般的に「思春期」といわれる時期でもありますよね。
思春期に入ると、私たちの体に変化が起こります。
女子は胸が膨らんできたり、体が柔らかい曲線を描くようになったり。
それは自然なことなのですが、私たちの心ではこの「変化」をどう受け止めていいのか分からなくて不安になったり、人と比較するようになります。
異性の目に対する意識も強くなります。
膨らんできた胸をめだたないようにしたり、隠そうとしたくなるのですね。

こうして、「自己嫌悪」を生み出します。
思春期に生じる自己嫌悪は、子供時代の自己嫌悪よりも、非常に強いインパクトであり、これは取り立ててつらい出来事がなくとも、誰にでも起こりうる心の変化なのです。
意識的にもそう感じるかもしれませんが、潜在意識などの心の深い部分でも感じてしまうのですね。

自己嫌悪を持っていると、私たちは心の深いところで自分のことをまるで「毒」や「汚物」のように感じます。
Mさんは、大好きな友達や彼に「毒」や「汚物」を近づけたいでしょうか?
そうは思いませんよね。
自己嫌悪が強いとき、私たちは、意識では近づきたいと思う大好きなひとたちを、無意識的に遠ざけてしまう傾向があるのです。
好きであればあるほど、遠ざけたくなります。
このあたりが、ジレンマかもしれませんね。

もちろん、自分が「毒」「汚物」というのは、誤解なんですヨ。
Mさんは、彼にとって「魅力的だから」彼女になっているはずですし、友達からみてもいい部分があるからこそ、友達と認められているわけです。
ということは、どうやら、自分の中にあるこの「誤解」を解くことが、鍵になるようですよ。
自己嫌悪とは、自分が嫌いということですから、自分を好きになることを考えてみましょう。
具体的なやり方は、あまりにもたくさんありすぎますが、メールでは直接お話できないので、ヒントを示した中から、Mさんにとってやりやすいものから取り組んでみることを勧めたいと思います。

「自分を好きになる」ということに視点を置いて、自己嫌悪がどんなものか理解してみると、角度を変えることで克服する可能性が見えてきます。
思春期は、自分の体の変化から、人はどうだろう、と比較が多くなります。
このとき、自信のなさから自分の「ない」ものと、相手の「ある」ものを比較しては落ち込みます。(実は比較になっていなのです)
また、思春期の心の変化は、親離れの準備が始まった合図でもあります。
思春期の自己嫌悪は、性的な変化に重点があるので、女性であれば、「女性」としての自信にも影響を及ぼしたり、将来的にはセックスやパートナーとのかかわりにも影響を及ぼすこともあります。

このことから、具体的な方法(案)として考えられることは、
1)親離れができているか?
→できていないなら、親離れの時期だと思って、まずは親子関係を観察する
2)女性としての魅力に自信があるか?
→女性としての魅力アップ作戦
3)「恥ずかしさ」という感情もキーワード
→ちょっぴり恥ずかしいことを意識してみる
(彼の目を見て「好き」と言ってみる、など、かわいらしい「恥ずかしさ」です)
4)自己価値を受け取る
→自分のよさ、らしさって何?、と考える、誰かに聞く
5)セックス
→彼とよりよいセックスをするためのコミュニケーションをする

などなどなど。
例を参考に、自分でアイディアを出してみてください。
比較をやめて私は私、と考えてみるとか、もっとダイレクトに、自分が喜ぶことをしてあげる、でもいいんですよね。
MさんオリジナルのアイディアでもOK、むしろそのほうがいいくらいです。
誰かが言ったからやる、というのでは、Mさんらしさを出すことにならない可能性があるからなのですね。

もちろん、一人で全部できる必要はありません。
「そのためにできること」を考えてみて欲しいのです。
例えば、メイクを研究しよう、と思ったら、友達に聞いたり、おネエMANSを観たり(笑)、メイクアップ教室に通ったり、本を見たりすることができますよね。

Mさん、あなたにも、彼を、お友達を喜ばせてあげる才能がありますよ。
彼のために下着を選んだり、目を見ながら「愛している」と伝えられたら、彼はどんなに喜ぶでしょうか。
恥ずかしさや自己嫌悪を超えて、あなたが自分の価値やよさを認めることで、そしてそのことを楽しむことで、その才能を生かすことができるのです。
ちなみに、ちょっぴり恥ずかしいことは、「恥ずかしさ」を感じながら、がポイントですよ~。

「笑い」「楽しむこと」を意識してみてくださいね。
あなたがイキイキしていなければ、あなたがどんなにステキな魅力を持っていても、すばらしい話術のスキルを持っていても、説得力を持たないからです。
それに、あなたの周囲にいる人たちは、あなたのことが大好きなのですから、あなたが楽しそうにしているだけで、喜ぶものなんです。

例え、あなたがちょっぴりおバカなことを言っても、失敗しても。
あなたがそのことを笑うことができたとき、あなたの彼やお友達もまた、笑ってあなたを抱きしめてくれるでしょう。
あなたがそのことを嘆き悲しむなら、あなたの彼やお友達もまた、嘆き悲しんであなたを抱きしめてくれるでしょう。
彼らは、あなたを愛したいと思っているのです。
どうぞ、そのことを信頼してください。

周囲からの愛を享受し、より以上にMさんが輝いていきますように。
ご相談ありがとうございました。

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