相談者名 | さくら |
親密な関係がもてないことで悩んでいる、30代女性です。 約10年前に、家を出てから、両親、兄弟、親戚等とは付き合いを持っていません。子供のころから、両親の支配(暴力を含む)、過干渉、依存、兄弟との差別に悩み、あることがきっかけで、両親と対決をしましたが、まったく聞き入れられず、「子供のころから、お前は本当にかわいくなかった」と言われ、家に居ることに限界を感じ、家を出ました。 | |
カウンセラー | 中原謙一 |
さくらさん、はじめまして。 私は、中原謙一と申します。 どうぞ、よろしくお願いします。 さくらさんが、本当に過酷な状況の中でも自分を見失わずによく頑張ってこられたのだな、とメールから今までの頑張りが沢山伝わってくるのを感じました。 実際さくらさんの場合、ご家族やごきょうだいとの関係は、今現在の家を出られてからではなく、実際一緒に生活をしていらした頃の方がもっと辛かったのではないでしょうか。 「もう一緒にはやっていけない」と家を出られた時も、楽しい選択等の<幸せになるための選択>というのではなく、どちらかといえば「もう、耐えられない!」という<苦渋の選択>である気持ちの方が大きかったのではないでしょうか? そしてもっと言うなら、幸せになるための選択と言うのをする事に、どこか罪悪感のようなものや「良くない事」という感覚がさくらさんの中に存在してはいないでしょうか? こんな、すごい力を持っているさくらさんですから、さくらさんとお付き合いできる人はきっと幸せになれると思うんですよね。でも、さくらさん自身は、どこかその力で逆に自分には幸せを見せないようにしているのではないかな?ともメールから感じたのです。 まず、メールから感じるところ、さくらさんのご両親はとても心に余裕のない方たちだったように感じます。そして『おまえはかわいげのない子だ』と子どもに言ってしまうほど、与える事も、受け取る事もとても下手なご両親だったのではないでしょうか? そしてごきょうだいの中でも、多分一番しっかりしているのはさくらさんだったのかもしれませんね。 ご両親からしてみると、一番しっかりしているさくらさんを見ていると「この子はこんなにしっかりしていて、ダメな自分とは大違い。自分のダメな所がいっぱい見えてしまう」と言う罪悪感を刺激されてしまうことがあったのかもしれません。 その反面で もちろん、決して許される事ではありませんが「暴力」もその一つだったのかもしれません。 ですから、もちろん「そんなご両親を許してあげましょう」なんてお話をするつもりは毛頭ありません。 「許さなければ幸せになれない」わけではなく「許さなくても幸せになれる」くらいの気持ちが必要です。 そして、次にそういうご両親のやり方そのものを客観的に「そういう事をしている他人の行動」として思い返してみましょう。怒りが出てきたり、悲しくなったりとすぐにはできないかもしれません。 少し思い返してみるだけでもいいのですが、どうでしょうか? これは、心理学の定石で「ああはなりたくないと思うとああなってしまう」という法則があって、自分の親(特に同性の親)を否定すればするほど、気がついたら、自分も同じような事をしてしまっている…と言う事がよくあるのです。 これは、もちろん幸せになりたいからこそ「ああはなりたくない!」と思っているのですけれども、「なりたくない!」と強く感じれば感じているほど、無意識の中に奥深く「悪い見本」への怒りの気持ちが強くなりすぎて、自分の幸せになるための選択や、自由な気持ちが外に出る事を阻んでしまいがちになってしまうパターンがあるのです。 そうなると、幸せになれる話よりもそうではない話の方にどうしても興味が沸いてしまったり、自分をゆったりと待っていてくれる男性よりも、どこか刺激的ではあっても破滅的な男性を選んでしまったり、穏やかな人よりも野心的な友人を選んでしまったり、ご両親が不和だった事を憎めば憎むほど、気がつけば自分自身もパートナーとの関係が上手く行かなくなっていたりと、さまざまな問題を作り出したりします。 こんな風に、無意識に自分を幸せではない方向にばかり向かわせてしまう事の悪玉ウイルスのようになってしまっている事が少なくないんですよね。 さくらさん自身、子どもの頃から親密感を感じられる環境とは言いがたい環境で育っていたり、『話を親身に聞いてくれる」ことはないし、 これまで経験してきた関係パターンから、ついついご両親のように「依存的な人」や「自分の自慢話ばかりする人」という<受け取れない人>や<奪うばかりで与えられない人><人の不幸ばかり好む人>が近寄りやすい行動パターンをさくらさん自身が無意識で取ってしまっているのかもしれません。 これはもったいないです!ずっと苦しめられてきたご両親との関係を、今のさくらさんが後継しなくてはいけない理由なんてないのですから。 今からでも、ご両親を完全に切り離して、さくらさんが幸せになるための新しい行動パターンに置き換えてみませんか? これは、アメリカの歌手ジャニス・ジョプリンが生前にライブのMCで話してた内容にこのようなものがあります。 多少ニュアンスや訳に違いはありますが、このジャニス・ジョプリンの話でもあるように、幸せな女性への行動パターンに置き換える為に、まずさくらさんにやってみて欲しい事があります。 <幸せ女性の行動パターンを探せ!作戦>です。 さくらさんの周囲には今、幸せな女性と言うのはいませんか? ・どんな服装をしているか? と、いっぱいいっぱい、いろんな場面に分けて、こんな風に事細かに観察してみるのです。 そんなパターンのデータを沢山さくらさんの中に増やしていきませんか? もちろん、幸せへ目を向けようとすればするほど、ご両親への怒りの気持ちや、これまで理解してもらいたくても理解してもらえなかった悲しみなどの気持ちがいっぱい噴出してしまう事もあるかもしれません。 がんばらないで、自分のペースで進めていってくださいね。 最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。 中原謙一 |