◆「コミットメント」とは◆
カウンセリングの中でも、「コミットしてくださいね」とお話することがあります。
「結果にコミットする」というCMの言葉にもあるように、コミットメントとは、「決める」「決断する」「積極的に関わる」といった意味の言葉です。
「○○したい」ではなく「○○する」
「○○になりたい」ではなく「○○になる」
「決める」のですから、「○○する」「○○になる」と言い切ることが大事です。
◆「コミットメント」の効果とは◆
1、迷いが消える
決意したり、腹を括ったりすると進むべき方向が決まるので、やろうか?やめようか?といった迷いがなくなります。「何がなんでもやる!」と決める訳ですから、それ以前の悩みから開放されるのです。
2、意欲が湧く
「腹を括る」と「よし、やるぞっっっ!」というような「やる気」が起こります。例え何らかの問題が起こったとしても、それを乗り越えて「○○する」「○○になる」と思えるので、意欲的に取り組むことができるのです。
3、クリエイティブになる
「何がなんでも!」と思えると、うまくいかないことが起こっても、「この問題をどう越えよう?」と積極的に考えるようになります。「なんとかしたい!」という思いがあるので、問題解決の方法を自ら見つけ進んでいきます。問題を解決しようと前向きにあれこれ考えている時には「クリエイティブ」な心理状態を生みだします。
◆普段使いのコミットメント◆
「コミットメント」というと、とても大変なコトのように感じる方も多いと思います。けれど、仕事をしている中で、気づかぬうちに「コミットメントの力」を使っていることも多いものです。
例えば、
締め切りが近づいた仕事ややらなければならない仕事に囲まれて、「あ~~、どうして自分ばっかりこんなに忙しいんだ」と愚痴りたくなったり、「とにかくやらねば」という気持ちばかりが先走るけれど仕事がはかどらず焦ってしまった時。
「よし、ちょっとがんばって、この仕事を6時までに片付けるぞ!!」
と気合いを入れ直したりすることはありませんか?
「この仕事を○時までに終わらせる」と決めるだけで、なぜだかやる気が起きて効率が上がった経験はないでしょうか?
「6時までにやらなくちゃ!」
じゃなくて
「6時までに終わらせたいな」
でもなくて
「6時までに終わらせる!」
と決める。
この「よし、やるぞ!」と決めることが「コミットメント」なのです。
◆「コミットメント」と「やる気」の関係◆
基本的に、私たちは誰かに言われて行動するより、自分で決めて行動すること好みます。
反対に誰かにやらされてると感じると抵抗感が生まれ、「やらずにすむならやりたくない」という気持ちを感じやすくなります。
「やらなければならない」と思っている時は、心の奥に「やらずにすむならやりたくないけれど、やらないと仕方がない」という気持ちが隠れている状態です。
もし、「やらなければ」どうなると思っているのでしょうか?
取引先に迷惑がかかる。
一緒に仕事をしている人が困る。
上司に叱られる。
仕事を辞めなくてはならなくなる。
社会人として認めてもらえない。
等々・・。
上記のように「誰かのためにやらねばならない。」と感じていたり、「そうしなければ不愉快な状況が起こる」という怖れを感じているようです。
「(自分は)やりたくないのに、(誰かに)やらされている・・・・ 」
「(本当は)やりたくないけれど、やらなければ(困った状態になる)」
と矛盾した感情を感じていると、心のベクトルは2つの方向を向くため、集中できず、テンションも下がり、自分の能力を発揮することができません。仕事の効率も当然下がります。
ところが、「よし、やるぞ!」と決める(コミットメントする)と、仕事自体は誰かに「やらされている」ことであっても、「自分がその仕事をやるのだ」「自分がやると決めたのだ」という意志が生まれ、その瞬間、その仕事は「自分がやると決めた仕事」になるのです。
すると、2つに分かれていた心のベクトルは「やる」という1方向にだけ向き、集中して自分の能力を発揮することができるようになります。
自分の意志で「やる」と決めると、単純な作業であっても「どういう順序でやろう」「どう効率を上げよう」と自然と考えるようになります。
自分の内側から「創造的な(クリエイティブな)感覚」が働き始めるからです。
「創造的な(クリエイティブな)感覚」が働くと、ワクワク感を感じたり、いい気分になりますし、もっとやりたいという意欲が生まれ、やる気が湧いてきます。
「やらされてる」「やらなくちゃ!」と感じすぎている時には、
ちょっと深呼吸して、「よし、これやるぞ!」と言葉にする。
たったこれだけの「普段使いのコミットメント」
「働く意欲」や「やる気」を取り戻すちょっとした「コミットメント」を上手に取り入れてみませんか?