一生懸命がんばって、がんばって、がんばったのに、思うように成果が出ない。
これまでは、がんばった分、何かしらの成果が感じられていたのに、今は、すっかりスピードダウンしていて、時間と労力の無駄使いをしているような気がしてならない。
もうがんばるのなんて、無駄だった。
いっそ止めてしまいたい。
そんなふうに感じることがありませんか?
順調かと思っていたことが、停滞し、手詰まりな感じがするようになることは、いろんなジャンルで起こるものです。
そう感じる時に、
「もういいや、やるだけのことはやった。」
と、心の中できちんと区切りができれば、止める道を速やかに選ぶ人もいるでしょう。
でも、止めるわけにもいかない。
止めるつもりというわけではない、という時もありますよね。
そこには、こんなプロセスが待っているかもしれません。
例えば、仕事のジャンルで、1つご紹介したいと思います。
いつまでも、がんばるばっかりで、先が見えない。
ハードワークがこれからも続くのか・・・
と思うような時に、このステージを「やり切る」という方法です。
先ほど申し上げたように、自分なりに、がんばったと「完了」できる時には、その先の道が自然とわかるもので、あまり迷うことはありません。
「何かしら、やり残しがある」と、心のどこかが感じていて、それについて、まだやれることがあると感じている時、私たちは、その場所から離れにくくなります。
「やり残し」といっても、意味はいろいろで、仕事をひとつの形として残すことかもしれないし、自分がやり切ったと感じられるところにいくことかもしれません。それは、いろいろであっていいと思います。
自分の中のひと区切りがつく、「完了」できることが、ここでの「やり切る」という意味です。
以前、こういった仕事のお悩みを伺ったことがあるのですが、その方の悩みも、いつまでもがんばらないといけない、でも成果のあがらない、どん詰まりなルーティンに疲弊しているといったものでした。
そして、そんなハードワークは、以前から続いていたけれど、近々、頼りにしていた部下が辞めることになり、すっかりモチベーションが下がってしまったとのことでした。
「もう、がんばれないかもしれない」
そんなふうに不安になっていらっしゃったんですね。
ところが、その部下が辞める時に、手紙をくれたのだそうです。
その手紙を読んで、とても嬉しかったとお話ししてくださいました。
その手紙には、これまで、本当に親身に仕事を教えてくれたこと、誰に対しても、平等に丁寧に接してくれていたこと、仕事に真面目に一生懸命取り組む姿を見て、いつもお手本にしていたことなどが、たくさん書いてあったのだそうです。
その手紙のおかげで、これまで、自分がしてきたことは、間違っていなかったと、本当に感激して、涙が止まらなかったそうです。
その方が、自分でしてきたことに、自分だけではなかなか承認ができなかったことを、部下がしっかりと認めてくれていたことが、その方の過ごしてきた何年分かを全て、一気に承認したようでした。
承認すると、完了できます。
これまでのさまざまな苦労も、すべてが自分の力になっていることが実感でき、そんな自分であれば、もっと先へ進めるかもしれないという自信になったようでした。
その方は、もらった部下からの手紙を、スケジュール帳にはさんで毎日持ち歩き、なんとなく自信がなくなってしまうとき、そっと読み返すのだそうです。すると、また元気が湧いてきて、仕事に身が入るのだと話してくれました。
その手紙が、その方を、ひとつ上のステージに押し上げてくれたといってもいいでしょう。
そして、その数ヶ月後、その方は、マネージャーとして昇格することになり、職場のみんなに認められ、どんどん仕事が楽しくなっていったそうです。
自分なりに「やり切る」こと。
それは、それまでの自分に承認を出せるということ。ちゃんと認めてあげること。
それが出来たとき、別の道に進むこともできるし、同じ道を、さらに力強く歩いていくこともできるようです。
今、どのジャンルで、行き詰まりを感じているでしょうか。
(もし、身体を壊したりしている時は、まず休んで、身体を治すところから。)
もし、続けてきていることに、自信がなくなったり、迷ったりしているのなら、このステージを「完了」してみようという視点でやり切ってみるのはいかがでしょうか。
すると、思わぬご褒美が来たり(手紙はこれですね)、次のステージが目の前に差し出されたり(昇格など)、迷わず道が選べたりするのです。
お役に立てればうれしいです。