鬱病の彼と別れたいのです

相談者名
金魚
相談したいことは、8年間付き合ってきた彼(38才)のことです。彼がここ半年、うつ病と診断されて心療内科に通院しているにも関わらず、私(28才)は他の人が好きになってしまったのです。
以前彼と私は約4年同棲していましたが、去年同棲を解消したいと彼に申し出て実家に戻りました。理由は本当に私の我侭で一人の時間が欲しかったからです。同棲中はお互いの個室をもつことができなかった為、二人でいる時間が辛くなってきてしまったのです。そして彼はワンルームで一人暮らしをするようになりました。
彼は生活費の為に今までよりも働くようになりました。当初は「慣れない仕事だけどやりがいがある」と頑張っているようでした。それから3ヶ月くらい経ち、彼がある朝通勤中に体に異変(動悸、異常なくらいの発汗)を感じ、自分でこれはまずいと思い心療内科に行ったところ、「パニック障害」と診断されたそうです。以来ずっと自宅で療養中です。辞職したので生活費等は実家から仕送りです。
彼の病気が発生したのは私が原因でもある気がしたのと早く克服して健康な生活に戻って欲しいのとで、できるだけ心の支えになるよう努めてきました。
ところがここ1ヶ月で彼よりも大事に思える人ができてしまったのです。何年か前からの知り合いで、お互いのことはよく知らないのになぜか気になっていた人で…たまたま二人で会う機会ができて、不思議な吸引力というか、急展開で深い仲になってしまい、でもこれは気の迷いなんじゃないかと考えたりもしました。彼が病気と戦っているのに私は裏切るようなことをしていて悪い人間です。でも気持ちはもう彼にはなくて、あるのは支えてあげなければという義務感で。こんな同情のような気持ちで接する自分も裏切り行為をしている自分も嫌で、でも新しい人とやっていきたい気持ちは変えられないのです。ベストなのは別れることなのだと思うのですが、万が一命に関わるような行動に走るようなことがあったら…と思うとどう別れを切り出したらよいか分かりません。
自分勝手でダメ人間だというのは百も承知です。でも気持ちはもう戻れないのです。どうかアドバイスを宜しくお願いします。
カウンセラー
原裕輝
はじめまして、金魚さん。
原といいます。
よろしくお願いします。

彼氏が鬱病になられた、原因がご自身にあるんじゃないかと感じられて
いるんですね。

相手のことを考える思いやりがあられるからこそだと思いますが、
そう感じられると、罪悪感をいっぱい感じられて、とても苦しい思いを
されているんじゃないかと思います。

この罪悪感を感じれば感じる程、彼といることが辛くなってくるんじゃ
ないかと思います。

彼が早く克服して健康な生活に戻って欲しいという優しい気持ちは、
とても素晴らしいものと思います。
支えになってあげなければという、その思いも素敵だと思います。
それは金魚さんの優しさと思います。

その優しさから、彼をサポートしてあげたいという気持ちは、
大切だと思います。
だけど、その優しさに、罪悪感が混じってしまっているような感じがします。

自分のせいだと、自分をすごく責めていられるように感じます。

そうすると、申し訳ないという思いから、補償行為というよばれる行動を
してしまいます。
申し訳なさから、これで勘弁してほしいという思いが生まれて犠牲を
してしまうのです。

でも犠牲をすると誰も幸せになれないんですね。

犠牲という心理は、犠牲した直後は、いいんですが、
後でうらみつらみという思いに変わりやすくなるんですね。

わかりやすく説明するために、少し大げさな表現をした例えをしますね。
例えば彼を助けてあげたいという思いからではなく、
彼への愛も、助けになってあげたい、そんな思いもなくなっているんだけど、
申し訳ないという思いから、10年間一緒に過ごしたと思ってみてくださいね。

10年後どんな思いでいると思いますか?

もしかすると、彼のせいで人生がメチャクチャになったと
思うかもしれません。
時間を返して欲しいと思うかもしれません。

こうなると、金魚さんも幸せじゃないし、彼も幸せじゃありませんね。

彼が元気になるのをサポートしてあげたいというのは、
大切なことだと思います。

でも、サポートする場合は、罪悪感という思いからしないことが、
大切じゃないかと思います。

彼への思いやりや、愛情からサポートするのと、
彼への罪悪感からサポートするのでは、全く意味が違いますから。

罪悪感からは、絶対しないことが大切だと思います。
そして、犠牲も絶対しないことが大切だと思います。

例え、お別れという選択になったとしても、犠牲はしないことだと思います。
金魚さんがご自身の人生を犠牲にしてしまうと、
金魚さんも幸せになれないし、彼も鬱病から立ち直っても幸せになれない
でしょうから。

彼の鬱病は私のせいだと、
ご自身を、そんなに責めないでなさいね。
一人の時間が欲しいという思いは誰でもでてくるもんですから。
悪いことではないと思います。

私は自分勝手でダメ人間と、ご自身をそんなに責めないでなさいね。
人を好きになる思いは誰にでもあることだと思います。
彼の病気の時期と重なってしまいましたが、
人を好きになってしまうことはあると思います。
ご自身を許してあげてくださいね。

もし、お別れの選択をすることにするとしたら、勇気がいると思います。
その時は、長い目で見た、お互いの本当の幸せを見ることがいるの
かもしませんね。

彼が安定している時や、健康状態の様子を見ながら、
言ってあげるタイミングを配慮をしてあげるのもひとつの手だと思います。

彼を選ぶにしても、新しい彼を選ぶにしても、
金魚さんの幸せの為に、金魚さんが後悔しない為に、選んでみてくださいね。

応援しています。

それでは、失礼します。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。