努力をしようとしない自分

相談者名
あいり
こんにちは。あいりです、よろしくお願いいたします。

私は以前から何事にも努力できなくて困っています。
将来は専攻分野の研究に携わりたいと思い、大学院の進学や留学を考えています。ですが、その割には勉強に全く手をつけずネットサーフィンや勉学に関係のない考え事に時間を割いてしまい、留学を検討しているにも関わらす語学力を上げる努力もしていません。なにもしてないくせにどこか疲れた感じがし(体力はあります)、常に無気力な状態です。

幼少時代には両親に「あなたがこうしている間にみんなは影で勉強しているのよ」と言って他の同級生と常に比較され、高校、大学では特に語学の先生からは「上達しないのはあなたの努力の問題だ」、「留学が決まった子達はあなたの見えないところで努力しているのよ」、アルバイト先では「昨日教えたのになんでできないの!あなた今までなにしてたの?仕事の意味理解してる?」などとつねに「努力がたりない」といったことを周囲から言われ続けていました。それが蓄積されて次第に「努力」という言葉が嫌いになり、劣等感と自己否定感がより強まりました。

確かに、周囲の言うとおり私の努力不足が上手くいかない原因なのかもしれませんし、その度に夢だけ語って何も努力しない自分に腹が立ってしまいます。全て自分自身に関わることなのに。

それでも、せっかく高校時代から研究職に就きたいという夢を持って頑張ってAO入試で大学に入学し、ここまできたので他人と比較せず自分をしっかりと持って勉学に集中したいのです。そのためには、日頃から努力する姿勢を持ちつづけることが理想ですが、現実の私は体が思うように動かず一日の半分を寝て過ごしてしまい、時間を無駄に潰してしまいます。

もういい加減、日頃の努力ができる人間になりたいです。自分を変えていきたいです。そのためにまず私はなにができるのでしょうか(自分で考えろって話ですが。)?もうこれ以上時間を無駄にしたくありません。

カウンセラー
近藤あきとし
あいりさん はじめまして。
カウンセラーの近藤あきとしと申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

将来の目標もあるし、それを叶える為の道も見えている、
こうなりたい自分だってイメージ出来るけれど、
その気持ちとは裏腹に、なんだかやる気がでないし
やるべきことをしないことで逃げてしまっている気もするし、
それがまたプレッシャーになることもあって、
何かしなきゃいけないのに、あまり進んでいない自分を
感じると焦ってしまう・・・
今はそんな心境なのかなと私は感じました。

それでも、今のままで良いと思っていたなら、こうして相談を
寄せてまで何とかしようとは思わなかったでしょうから、
まずは、少しでも前に進みたい!何とかしたい!と思った
あいりさん自身を褒めてあげてくださいね。

さて、メールに書いてくださったとおり、
周囲との比較からくる劣等感、自己否定感
そこからくる自己嫌悪をずっと心に抱えていたのなら
無気力になってしまい何も手につかないのも
当たり前かもしれません。

何もしていないけれど、何かやらなくちゃ、という気持ちと
止めどなく溢れてくる焦りと押し寄せるプレッシャーで、
特に何かをしていなくても(それこそ、寝ていても)
苦しさと自己攻撃で、あいりさんの心はもうかなり前から
疲弊しきってしまっていたのではないでしょうか?

無気力になってしまうということは、以前に頑張りすぎていた
時代があったということかもしれません。
あるいは、昔誰かから無理やり押し付けられたことや、
なにか不安や恐れを感じながら追い立てられるようにして
何とか切り抜けてきたことがあったのかもしれません。

今はその時とは状況も変わっていて、それほど必死に
こなさなくてはいけない訳ではなかったとしても
あいりさんの心はずっと縛り付けられたままの感覚を
持ち続けていたとしたら、なかなか安心することは
簡単ではないように私には思われます。

それに、誰かと比べられる時に、それがお互いの良い部分
出来ている部分を比べられるならまだイイのですが、
相手の出来ている部分と、自分の出来ていない部分を
比べられてしまったら、それはちょっと辛すぎますよね。

でも、ずっとそんなことを繰り返し言われてきたら
「自分は努力しても、結局他人より劣っているんじゃないか?」
「頑張っても誰にも認められないのかもしれない」
「一生懸命やっても無駄なことなんじゃないの?」

意識はしていなくても、心のどこかでそんな風に感じて
しまっても不思議ではないんです。

そして比べるという点では、周りからアレコレ言われる
ということだけでなく、あいりさんがイメージの中で思う、
「これぐらいは出来ていなきゃね」とか
「このくらいのことは達成していて当然だ」と感じる
「こうあるべき自分」と、自身とを比べて出来ていない部分を
自分で責めているのかもしれないんですね。

あいりさんの中に「こうあるべき自分」があって、それを100点と
したら、今現在のあいりさんは何点になるか考えてもらえますか?

もし今の自分を30点と感じるなら、100との差の70という割合で
自分を責めて攻撃しているものなんです。

自己嫌悪・自己攻撃を止められれば、それが一番イイのですが、
頭ではわかっても実際どうすればいいの?というところで
立ち止まってしまいがちです。それは心の部分で納得していない
からなのですが、だとしたら、まずは自分が自分をどれだけ嫌い、
責めているかを自覚するところが第一歩になるはずですよ。

「こういう自分になりたい」「こんな夢や目標を叶えたい」
という意欲を持っていても、心の中で自己嫌悪の割合のほうが
多かったとしたら、怒りの感情が出てきます。
そしてあいりさんの場合、その怒りを抑えることに
心のエネルギーのかなりのパーセンテージを使っている
のではないかと思います。

怒りが湧き上がってくるのに、それを上から押さえつける為に
怒りと同じかそれ以上のエネルギーを24時間起きていても寝ていても
使い続けているとしたら、それだけで疲れきってしまって、
他に何もする気がなくなってもおかしくはありませんよね。

また、自分に自信がなかったり、いつも不安を抱えていたりすると
「自分に出来ることなんて無いんじゃないか」と感じますし
そんな自分には価値は無いと思って、無力感に捉われて動けなく
なってしまうこともあります。

すると、誰かから何かを貰えても「自分には何もしてあげられない」
と思って、人の好意を受け取らないようにもなっていくものです。
だんだんと他人との距離を取るようになり、疎遠になり
「誰も私のことを認めてくれないかもしれない、好きになって
くれないかもしれない」と感じていくようにもなってしまいます。
そして徐々に生き生きさが失われてしまうことも少なくないのです。

その悪循環から抜け出し、あいりさんが変わっていく為に
私から2つ提案をさせてくださいね。

1つ目は、周りからの好意や、助言に感謝の気持ちとして
「ありがとう」という言葉を伝えることで、しっかりと
受け取ってみる。

そして2つ目は、日常の中で「この人にこうしてあげたい」
「この言葉を言ってあげたい」そう思ったものを、できるだけ
実行して行動に移してみることです。

小さなことからでかまわないので、少しずつ続けてみてくださいね。
そして、あいりさんの中の「こうしてあげたい」という気持ちが、
「私は本当はこれをしたい!」という意欲に繋がったときに、
眠っている情熱に再び火が入ることでしょう。

あいりさんが努力する楽しさに目覚め、チャレンジする情熱を
取り戻すための助けになれれば幸いです。

今回はご相談ありがとうございました。

近藤あきとし

この記事を書いたカウンセラー

About Author

超自立男性との恋愛・コミュニケーションに関わるお悩み・慢性的な生きづらさの解消などを得意とする。 理論的な“心理分析”と、感覚を使った“心理セラピー”を活用する多面的なサポートが好評。 問題の裏に隠れた「真実の物語」を読み解き「自分の本質を生きる」ことを目指すカウンセリングを提供している。