甘えばかりの自分にがっかり

相談者名
ムラクモ
貴重なお時間を割いていただくのは恐縮ですが、相談させてください。

私は、芸術分野の道を目指して生きてきました。
ですが、頭のわるいことをしてしまったり、自慰中毒になったり、いきなり全てが嫌になって自分の言動に責任を持たずに投げ出したり、不登校を繰り返したりと、厳しい親や先生をがっかりさせてきた人間です。

自分など頑張っても仕方ない、生きている意味がないし、こんなに性格のわるい人間だから皆も私と一緒にいたくないに違いないと思い、友人も私のことを裏で何を言っているかわからないと感じるようになり、誰も信じられなくなってひとり引き籠りました
(ひとりでいると嫌いなタイプの人によってこられなくて楽ではありますが)。
以前、自分の依存心のせいでばっさり人間関係を切られたことがあり、その怒り、自己嫌悪、無力感などで「人に何かを期待するのは無意味」と感じたことも一因かもしれません。

だからこそ、もう自分には芸術しか残っていないと思ったのですが、突然不安になったり、周りの「ちゃんと生きている人」「明るく元気で、友達も恋人もいて、人生楽しんでいるような人」などにとても嫉妬してしまったり、頭がぼーっとして何もしたくなくなったり、
自分のつまらなさや無個性さ・未熟さなどに目がいくなど、楽しく制作ができません。
だんだん自分で何をしたいのかわからなくなり、酷く落ち込んでいるときは、いっそ死んだ方がいいとも考えます。

少しは自分自身でなんとかする努力や勉強をするか、病院に行ってみたらとも思うのですが、薬を飲むことやお金を使うことがとても怖く、自分でする努力はなかなか結果が出せず、曖昧になって周りにも伝わりません。つい、助けてほしい、認めてほしい、そんな甘えたことを考えてしまいます。ひとりで頑張っていければそれはそれでいい筈なのに。

また、最近は、周りの環境や人が変化していくことに、戸惑いや恐怖、「なぜ自分の都合のいいようにいかないのだろう」という、自分を不快にさせるものには怒りも覚えてしまい、わがままや攻撃的になることを抑えられないときもあります。

甘えばかりで頑張らない自分には本当にがっかりします。
本当は楽しく元気に強く生きたいです。
アドバイスお願い致します。

カウンセラー
小倉健太郎
ムラクモさん、はじめまして。
担当をさせて頂きます、小倉健太郎と申します。

私は、たくさんの方の悩みを聞いてきましたが、ここまで自分自身を罵倒した方は初めてです。
それだけに、この文章から、ムラクモさんの深い洞察力が感じられ、「さすがは芸術を目指している方は、違うなぁ。」と感心してしまったのですが、そんな風に思うのは、私だけでしょうか?

結論から言いますと、ムラクモさんは、才能豊かなんだと思います。
だからそんな風に自分を悪く言うし、今の自分に納得がいかないんだと思います。

どういう事かと言いますと、例えば、陶芸の才能がある人がいたとして、そんな人が陶芸をしたとしたら、多くの人が満足できる作品ができてもまだ納得できず、「こんなものは駄目だ!」と自分の作品を罵倒し、叩き壊してしまうような姿、想像できませんか?

けれども、自らの作品にそんなに厳しいからこそ、そんな人が満足した一品というのは、価値があると思うんです。それは、ムラクモさんも同じだと思いますよ。

ムラクモさんの嘆き、悲しみ、憤り、それでも納まりきらずに、投げ出したり、逃げ出したり。
本当に嫌になっちゃいますよね?

それでも、諦めたり、本当の意味で投げ出したりせず、今またこうやって、無料相談に相談されてきたのは、一体何故なんでしょう?
それは、諦めたくないからではないでしょうか?

そうやって、何度も何度もチャレンジする姿は、カッコいいですよ。
そして、これだけの苦悩を抱えてているムラクモさんが満足できる状況が起こったとしたら、それこそがまさに芸術作品の完成だと思うんです。

何も芸術とは、目に見えるものや、耳に聞こえるものだけではありません。
生き方そのものだって、素晴らしければ芸術作品になるんです。

ムラクモさんなら、生き方までもが芸術作品なのかもしれません。
私は、そう感じました。

ムラクモさんは、人と違っていて、人と同じようにできなくて悩みましたよね?
そして、だからこそ、その個性を活かして、芸術を目指されたかもしれません。
けれども、その芸術の道は、一筋縄ではいかなかったわけです。

だからって、自分をダメだなんて思わないで下さい。
ムラクモさんは、大器晩成型なんだと思います。

偉大な芸術を完成させようと思ったら、それだけ苦悩も大きく、完成まで失敗も多くなると思います。
だから、うまくいかない事をダメだなんて思わないで下さい。
どんな偉大な芸術家だって、作品が認められるまでは、苦悩の連続だと思います。

何回失敗してもいい。何回逃げ出してもいい。
でも、ひとしきり泣いて、落ち込んで、十分気が済んだら、もう一回チャレンジをして欲しいんです。

「そんな事はしない、もう2度と立ち上がることなんて無い。」なんて言っても駄目です。
そんな人だったら、わざわざカウンセラーに相談なんて持ちかけないと思いますからね。

ムラクモさんの芸術作品、それは一体なんなのでしょう?
私はそれが完成するのを楽しみに待っていますよ。

上手に出来ても、わざわざ私に報告する必要なんてありません。
私の耳に届くほど、偉大になって欲しい。
私はそれを願っていますね。

今回は、ご相談ありがとうございました。

小倉健太郎

この記事を書いたカウンセラー