心を乱されることへの恐怖感

相談者名
クルトン
私はすごく感情的なタイプの人間だと思います。
感情を素直に出していたがゆえに、
中学の頃いじめにあったりしました。

人を信じられない、と思い、感情を出さないようになりましたが、
苦しくてたまらなくなり、自己啓発セミナーで感情を吐き出しました。

そこで自分は変わった、と一時は思いました。
でもそんなに簡単に変われないようです。
やっぱり人を信じられなかったり、人がこわかったりします。
セミナーやカウンセリングという
日常とは違う特殊な場所でしか感情を吐き出せません。

それでも日常は毎日やってきて、
大きな感情のかたまりのようなものを抑えるのに日々疲れてしまいました。
また、他人もそのようなおおきな感情を持っていて、抑えていて、
それが爆発するような瞬間に出くわしてしまったら、と思うと
怖くて仕方ありません。

普段は表面的にはのほほんとしているのですが、
すごくいろいろ考えているタイプです。
親からはわがままと言われますが、相当いろいろ抑えているつもりです。

乱文で申し訳ありません。
この苦しさを聞いてほしくて相談させていただきました。

感情を怖がらず、きちんと受け止めるにはどうしたらいいか、
またきちんと受け止めることはできるのか、
アドバイスいただけたら救われます。
よろしくお願いいたします。

カウンセラー
松尾たか
クルトンさん、ご相談ありがとうございます。
今回担当させ頂く、松尾たかと申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

ご自分の感情をどう扱っていいのかわからずに悩んでいらっしゃるようですね。
苦しくて辛い気持ち、お察しいたします。

>私はすごく感情的なタイプの人間だと思います。
>感情を素直に出していたがゆえに、中学の頃いじめにあったりしました。

クルトンさんは、本来、感受性が豊かで喜怒哀楽を自由に表現できる方だったようですね。
きっとクルトンさんは、お友達との関係を信頼していたからこそ、素直に感情表現をなさっていたのでしょう。
たけど、それが受け入れてもらえずにいじめにあったことで、感情を抑えるようになってしまった。
本当にショックだったと思いますし、人が怖く、信じられないようになってしまったことは、とても苦しく辛かったと思います。

そして自己啓発セミナーで感情を吐き出せた時には、どれだけホッとされたでしょう。
長年のつかえがとれたように感じられたかもしれませんね。
ただ、日常ではなかなか自由に気持ちを表現できずにいらっしゃるのですね。

>親からはわがままと言われますが、相当いろいろ抑えているつもりです。

親から「わがまま」と言われてしまうことで、自分のことをわかってもらえないと悲しかったり、寂しかったりなさっているのではありませんか。
そして、自分はわかってもらえない、自分は人と違うのかもしれないと感じてしまい、
余計に感情が出しにくくなってしまったのかもしれませんね。
クルトンさんの中には「わかってもらいたい」という気持ちがあるように感じます。

ところで、クルトンさんが日々感じている感情はどんなものが多いのでしょうか。

>日常とは違う特殊な場所でしか感情を吐き出せません。
>大きな感情のかたまりのようなものを抑えるのに日々疲れてしまいました。

この感情を吐き出すという言葉からは、ネガティブな感情(たとえば、怒り、不満、悲しみなど)が想像できますが、あっているでしょうか?

もし、このような感情がクルトンさんの中にあった場合、クルトンさんは「こんな感情を感じてはいけない。持ってはいけない。」と思っていらっしゃいませんか。
そして、この感情を持っていることを「他の人にばれない様に隠しておかなきゃいけない。ばれたら またいじめられる」と感じていないでしょうか。

自分で自分の気持ちを抑える=そこにある気持ちをないものにすること、感じていないことにする、フタをしてしまう、ことだと言えます。
それは意識的であっても無意識的に抑え込んだとしても、ご自身のエネルギーをそれを抑えることに注ぎ込んでいるので、とても疲れるものです。

クルトンさんは、もしかすると、感情を吐き出す=感情を相手(誰か)にぶつけてしまう というイメージをお持ちなのではないでしょうか。

そうすると、怒りや不満、悲しみなどのネガティブな感情を持ってしまったら、それを感じてしまったら、
いつか爆発して、最後には相手にぶつけてしまうと感じて、怖くなるのかもしれません。
いっぱいに抑えこんできた様々な気持ちが、どんどん心の奥で膨らんで、それが爆発して噴出してしまうと、もう収集がつかない、止められなくなることが、とても怖いと感じているように思います。
そして、自分がそうだから他人も同じなんじゃないかと勘ぐってしまうんですね。 (これを心理学では 投影といいます。)

また、タイトルに書いてくださったように心を乱される不安があるということは、人の言動などで左右されてしまう自分がいて、「私を怒らせないで!」という気持ちになった経験をお持ちなのかもしれません。

私たちは日々いろいろな感情を感じていますが、私たちが感じるどんな感情にも
良い(○) 悪い(×)はありません。
人それぞれ感じ方は千差万別なので、どんな感情を感じるのも自由です。

自分の感情を感じるということは、誰かにその感情をぶつけることではなく、自分の中にある気持ちを認めて受け入れること。

たとえば、親からわがままと言われた時、私たちはつい親と口げんかをしてしまいます。
表面的(意識的)には怒り(そんなことないわよ!と否定したり・・)が出てきたりしますが、実は心の奥では、わがままって思われてショックだったり、自分をわかってもらえず悲しかったりします。

その心の奥にある気持ちを見つけて自分で受けとめてあげることで、感情はだんだん落ち着いていきます。

あるいは、会社(学校)で、上司(先生)に怒られたとします。
心の中では「そんな言い方しなくてもいいじゃない」と腹が立っているのに、嫌な気持ちを感じないために、頭では「私の不注意だった。私が悪い」と素直に思おうとします。

でも、「ああ、あんな言われ方されて、実は私怒ってるんだ」と正直に感じてもいいんです。
あるいは、「ああ、言われてすごく悲しかったんだな。悔しかったんだな」が本当の気持ちなのかもしれません。

自分の本当の気持ちを感じないようにするのではなく、自分で自分の本当の気持ちを
わかってあげるだけでも、随分とラクになり、感情を感じる怖さから、
感情を感じても大丈夫と思えるようになっていくと思います。

そうやって自分の本当の気持ちを見つけて認めたり受け止めたりすることに、
よかったらトライしてみてくださいね。

また、カウンセリングで気持ちを言葉にして吐き出してもらうことや、一緒に気持ちを感じて整理していくお手伝いもできますので、初回無料もご利用していただければと思います。

クルトンさんが自分の気持ちを上手に感じて、心穏やかで楽しい毎日を送れるように応援しています。
ご相談ありがとうございました。

松尾 たか

この記事を書いたカウンセラー

About Author

自己否定、自己嫌悪、疎外感、自己肯定を得意とする。「その方の心に寄り添い、一番の味方でいること(安心感)」をモットーに、わかりやすい言葉で恋愛問題や対人・自己との関係を紐解き、改善・生き易さへと導いている。  東南アジア2カ国での生活経験もあり、国や文化の違いについても造詣が深い。