無気力・無価値 - カウンセリングサービス心理学講座

相談者名	マリソル
はじめまして。今回は自分の性格と恋愛に関して相談させてください。私はもともと一人で悶々と考え込むし、面倒くさがりでなかなか行動に移さない性格です。いつもはそれで苛々して無気力になっても2週間くらいで戻るのですが、最近はここ2カ月くらい無気力状態が続いています。酷い時は授業も友人と会うのも連絡も全てが面倒で避けていました。今は就職活動中で大事な時期なのに、こんな状態でセミナーなども無断欠席してしまうしやる気が全く起きません。こんな自分に嫌気がさして気持ちが沈んでいきます。最近は空嘔吐や蕁麻疹がでてきて厄介です。どうしてこうなるのでしょう。また私は彼氏が居たことがありませんが今好きな人はいます。3年間の片思いを忘れるきっかけとなったのが彼です。でもこの彼は彼女を作る気が無く、昔一線を越える手前まで行った時気持ちを確認したらそう言われました。私は前にも彼女がいる友人に体の関係をせまられやらせてくれないなら用無しだわと言われました。この人の事は好きでも何でもなかったのに、はっきりと拒絶できず固まっていた自分が嫌だしその後何回も思い出してはモヤモヤしていました。男の人なんてこんなんだ、と割り切って今の好きな人とも付き合うようにしていましたが、どちらの男性もそういう状況の時でさえ他の女の子の話を平気でするし、もう限界で告白したら今は忙しいと曖昧に振られ連絡がこなくなりました。もう1つは母が3カ月ほど前に手術を受けた時私は看病はするけれど手術を受ける母の身になって考えられない冷たい娘でした。母は前から酔っぱらってよく父のいない所で私に暴言を吐いたり、素面でもヒステリックになって物を投げたり、感情の起伏が激しいです。普段は明るく良い母ですが、こういう時の母は嫌だしなぜか私が消えたくなります。小学生の頃母の浮気を知り、彼女のヒステリーを見てきた私は母を尊敬できている自信がありません。私は他の女の子の話をされながら体を迫られる程度の人間だし、友人にもあなたは本命より愛人タイプだとよく言われます。いつも良くしてくれる母に感謝も尊敬も満足にできない自分は薄情だし、そもそも私がこうやって誰かを責めるように相談する資格なんてないのはわかっています。どうしたらこの気持ちを好転させて価値のある人になれるでしょうか。深刻に悩んでるつもりはないですが、アドバイスをして頂けたらと思います。
カウンセラー	大谷常緑
マリソルさん、こんにちは。初めまして。ご相談を担当させていただく大谷です。よろしくお願いします。さて、ご相談を拝見してとても辛い状況だろうと思いました。誰でもそうなのですが、自分自身を責めているときにのみ人は苦しくなるものです。不快になるのです。例えば、太っている事を気にしていたとします。気にする事・・・「太っている私は駄目だ」とか、「ダイエットしても続けられない私」と自分を責めている事なのですね。そんな時に誰かから「太っているなぁ」と言われたとします。そうすると、傷ついてしまいますね。辛くなったり、怒りが出てきたりします。でも、太っている事を気にしていない場合、「太ってるなぁ」と言われたとしても、その事では傷つきませんね。このように、自分自身で何かを責めているときに、人は傷つくのです。先ずはこの事を理解してください。さて、先ず最初に感じた事は、マリソルさんはとても優しい人なのだなぁと思いました。手術を受けるときにお母さんの身になって考えてあげたかったと思われた事、お母さんを尊敬したいと考えられている事、いつも良くしてくれるお母さんに感謝をしたいと思っておられる事、全てマリソルさんの優しい気持ちなのですね。でも、現実にはそうできていない自分をとても責めておられるのです。おそらく、マリソルさんは小さい頃、お母さんが大好きだったのだろうと思います。尊敬もされていたのではないでしょうか。あるいは、お母さんは（神のような）絶対的な存在だとさえ思われていたのではないでしょうか？それを信じていたからこそ、マリソルさんに理解できない行動をお母さんが取られたとき、「私がおかしいの？」とお母さんの事を信じ続けようとされ、「私は駄目な人間だ」「私が悪い」という感じでお母さんの位置より私の位置を下に持ってくる形で心のバランスを取られようとしたのではないかと思います。この感覚が、今マリソルさんがご自分を責める「癖」をお持ちになった一つの原因だと思います。そしてその癖は、「私には価値がない」という形で心に刻み込まれた気がします。今までそんな気持ちをずっとお持ちになってきて、これは凄くエネルギーを消耗する事ですから今はもう疲れ果てられたのではないか、と思います。それが無気力の原因です。では、一体どのようにすればこの罠から抜け出せるのでしょうか？先ずは、マリソルさんはご自分の駄目な部分ばかりに着目している事に気がついてください。人は、出来ている部分より、駄目な部分、換言すれば自分が責めている部分に着目しがちになります。そして自分は不十分だという感覚に陥ります。そうすると、自分の良い部分が見えなくなってしまうのですね。私には価値がない、とか、私は駄目だとか思ってしまうわけです。でも、それは真実でしょうか？人は「あの人がこんなに出来ているのに私は駄目」と思うとき、殆どの場合相手の良いと感じる部分（出来ていると感じる部分）と自分の悪いと感じる部分（出来ていないと感じる部分）を比較します。これでは公平ではないですね。また、自分に出来る事は、誰にでも簡単にできるとも思ってしまいます。だから、私には価値がないとか、私は駄目だと思ってしまう事は真実ではないのです。もっと適正にご自分の事を評価される事がこの罠を抜ける秘訣になります。先にも書きましたが、マリソルさんはとても優しい心の持ち主です。これだけでもとても大きな良いところなのですよ。十分に価値があるのですよ。ご自分ではなかなかご自身の価値を見つけるのは大変かと思いますが、「こんなことでもいいの？」と思われる事でも結構ですので、自分の良いところを少なくとも２０個以上見つけて見てください。そして、それを恥ずかしがらずに受け入れてみてください。そうすると、徐々にかも知れませんが気分が楽になっていくかと思います。 “どうしたらこの気持ちを好転させて価値のある人になれるでしょうか。” いえいえ、もう既にいっぱいの価値をお持ちです。あとは、それを受け入れていただくだけで良いのです。お一人で問題解決をはかられるのは難しいかも知れません。カウンセラーと電話でお話ししてみてください。回答がお役に立てれば幸甚です。ありがとうございました。