相談者名 | joy |
私は、1年ほど前から物を盗む癖があり、直すことができません。 それが、何かの物であったりお金であったりしますが、別にお金に困っているわけではありません。 一度事件になったことがあり、やめようと自分でも努力しているつもりなのですが、同じことを繰り返してしまいます。 また罪を犯すことはいやなので何とかしたいと本気で悩んでいます。 親に対する嫌悪感や嫌がらせの意味で、最初ははじまったと思うのですが、今は理由が分からなくなってきてしまいました。 これから社会復帰をしていく上でどうしても直したいのです。 何か良いアドバイスを御願いします。 | |
カウンセラー | 大谷常緑 |
joyさんこんにちは。 初めまして。ご相談を担当させて頂く大谷です。よろしくお願いします。 さて、必要でも無いのに何かを盗んでしまう、しかも止めたいと努力されているにもかかわらずそうやってしまうと、自分を責める気持ちが強くなったり、また、一生この癖が治らないのではないかと不安になってとても辛いですね。 ご相談の中に“親に対する嫌悪感や嫌がらせの意味で、最初ははじまったと思うのですが”と書いて頂いていましたので、この点に着目してお話しを進めさせて頂きたいと思います。 ところで、人間の感情は、ミルフィーユの様に何層にもなっています。そして、表面近くにある層は顕在意識(頭で理解できる意識)にあって認識する事ができますが、無意識は認識する事が出来ません。もっとも、無意識の中でも顕在意識に近い場所にある潜在意識にある感情は、元々顕在意識で感じるのが辛くて感じないように顕在意識の下に潜り込ませてしまったものですから、感じる事ができる様にはなります。 僕が感じるのは、joyさんが、「自分は本当に悪い人間だ、だから罰せられるべきだ」という気持ちです。ご自身で自分に罰を与え、自分の悪さを感じようとしているように感じます。 一般に、「誰かが悪い」という思いの裏側には、「私は悪くない」という思いがあります。単純な例になりますが、通路に椅子が放置されていたとしましょう。そこを歩いていてよそ見をしているか何かで椅子に気が付かなくて、椅子の足にでもぶつかったとします。そんな時、気分に余裕がないときには「誰だ、こんな所に椅子を置いたのは!」と椅子を蹴飛ばしたりします。これは、不注意に椅子にぶつかった私が悪いと感じたくないために、そこに椅子を置いた誰かが悪いと理由を付け、椅子に八つ当たりするのですね。これと同じように、自分が悪いと感じたくない度合いだけ、誰かが悪い、joyさんの場合は、「親が悪い」と感じたのではないかと思います。誤解がないように断っておきますが、こう感じる事が悪いと言っているわけではありません。ただ、そうなんだなぁと理解して頂ければいいだけです。 さて、joyさんは、おそらく、心のどこかでこの「私は悪い」という気持ちをお持ちでしょうから、そんな悪い私は罰を受けなければならないと、ご自分に対して何の得にもならない、いえ、辛い感情を引き起こす行為を止められないのですね。 さて、では具体的にどうすればいいかというと、先ずは「私は悪い」「誰かが悪い」という判断を手放すことです。そして、「誰も悪くない」と考えることです。 |