心の根底に流れる混沌としたもの

相談者名
ベーグル
初めまして。宜しくお願いします。
29歳女です。もうずっと以前から気にしていることがあります。それは何だか混沌としたものなのですが、私にとってはとても苦しくたまらないものです。生きている事に対する虚無感や自己否定、無価値感、人間が怖い、消えてしまいたい、死んでしまいたい等…。性格的には幼い頃から、内向的で大人しく、あまり自分の事を話したりしないタイプです。そうは言っても、円満な家族に恵まれて育ってきたし、親友と呼べる友達もいます。特に大きな困難があった訳でもないのに何故、こんなになってしまうんだろうと不思議なので、その明確な原因が知りたいのです。

“無価値感は両親との関係からきている”というようなことを拝見させていただきましたが、両親からは愛されてきたと思うし、アルコール中毒とか虐待を受けたと言うことも無かったです。

原因は分からないけれど、思い出したことをいくつか書いてみます。
私には6歳離れた兄と3歳離れた姉がいるのですが、私が小学生の頃、兄に散々殴られたり叩かれたりした時期がありました。学校で嫌な事があると私達に八つ当たりしたり(いじめられていたこともあったらしい)、長男なので母親の愛情を妹達に取られたという思いもあったみたいです。兄はとても繊細で純粋で神経質な性格だと思います。殴られるときはいつも母が外出時で、“お母さんに言いつけたらもっとヒドイ事してやるからな”と言われました。狂ったように顔を平手打ちされたり、足で腹部を蹴られたり、錐や包丁を持って追いかけられたり等です。部屋の窓から飛び降りて逃げたこともありました。暴力だけではなく何かと私の行動や性格に文句や批判を言いました。いつもイライラして独り部屋でキレて騒いでいたり、家の中が緊迫した空気がありました。
でもそんな兄でも根は優しいし、公園に連れていってくれたり宿題や色々な事を教えてくれたり、合格率10%の資格を若干21歳で取ったり頭が良くてすごいなーと思うところもあり嫌いな訳ではなかったんです。それに兄も20歳を過ぎた辺りからは暴力を振るうこともなくなり、現在は兄のことは好きだし、家族皆仲くしています。

父とはあまり関係なかったというか話しをしたことはありません。お酒が好きでいつも午前様だったし、間に母を挟んで話していた感じです。性格は温厚で話好きです。
母は、芯は強く愛情深いけど、繊細で少し神経質で、頭痛持ちで、私が小学生の頃よく激しい頭痛で救急車で運ばれていました。その度に私は、死んじゃうのではないかと心配でビクビクしていました。母が寝ている時はいつも呼吸を確かめていました。

恋愛に関しては、29年間長く続いたことはありません。付き合っても1年も続きません。22歳の時にとても好きだった人と、付き合っている事自体に苦しくなり別れてから、7年間に何人もの男性が寄ってましたが、ひとつも成り立つことはありませんでした。告白してくれる人はどうしても好きになれないタイプだったし、その他の人は身体が目当てです。私はスキのある遊び用のタイプなのかも知れません。男友達もいません。なかなか恋愛感情が湧いてきません。恋愛関係にない何人もの人と肉体関係を持ってしまいます。
もう一生恋愛はおろか人を好きになることすら出来ないかも知れない…。

職場でも、いい人達なのに話していると疲れます。申し訳ないと思いながらも。どんな人に対しても距離を置いてしまいます。人が怖いし面倒なのです。
家族から「お前は甘ったれだ」「すぐに人を頼るな」と言われてきたせいか、「人に甘えてはいけない」「自分で解決せねば」という気持ちが強いです。

18歳の時にひどい不安感と鬱状態に陥りました。20歳から1年間引きこもりのような時期がありました。その後は何とか社会復帰して好きな仕事をしていますが、現在まで精神の根底にはずっと鬱と不安と虚無感と諦めのようなものが流れています。

世の中にはもっと過酷な状況の人は沢山いるのだから、私が死にたいとか虚無感を持つのは甘えなのだと分かっています。でもどうしても消えないのです。
親でなくても兄弟でも何か原因になったりするのですか?こんなことが何か関係あるのか、そして本当の原因は何なのか是非教えていただきたいです。

カウンセラー
根本裕幸(退会)
ベーグルさん、こんばんわ。根本です。
ご相談ありがとうございます。

> 29歳女です。もうずっと以前から気にしていることがあります。それは何だか混沌としたものなのですが、私にとってはとても苦しくたまらないものです。生きている事に対する虚無感や自己否定、無価値感、人間が怖い、消えてしまいたい、死んでしまいたい等…。

それは辛いですよね・・・。
僕達が感じるしんどさの中で、混沌としていたり、漠然としていたりするものが、けっこう多いみたいです。
それは自立して感情と切れてしまっているからこそ、の部分も多いんですが、なんにせよ、今の自分がいっぱいいっぱいで、限界が近いときにそういう感覚に襲われたりするものです。
でも、大人にとっては自分が限界であることを認めることこそ、とても勇気のいるもので、その分、自己嫌悪も強くなってしまうでしょう。
ベーグルさんにとって、そのしんどい様々な感情を大切に向き合っていきましょう。
馬鹿にしたり、さげずんだり、そんな必要はありませんからね。
しんどいときは、素直にしんどいなあ、辛いなあって認めてあげてくださいね。

> そうは言っても、円満な家族に恵まれて育ってきたし、親友と呼べる友達もいます。特に大きな困難があった訳でもないのに何故、こんなになってしまうんだろうと不思議なので、その明確な原因が知りたいのです。

その「円満な家族に育った」という思いで随分と苦しんだりしませんでしたか?
僕達の心って意外なところですごく繊細だったりするんですよね。
例えば、子供時代、やかんに手を伸ばそうとしますよね?
そこで、お母さんが自分のことを心配して、鬼のような顔して「こらっ!危ないじゃないの!」って手をはたいたとします。
それは大人から見れば、子供を守ることなんだけど、当の子供からすれば、お母さんに鬼の形相で怒られた・・・としてインプットされてしまうものです。
だから、円満な家庭というのはとてもすばらしいものだし、愛を知り、親密感を味わえるいい環境なんですが、何も問題を感じなかった・・・というのとはまた別問題と思ってみるといいんじゃないかな・・・。

> “無価値感は両親との関係からきている”というようなことを拝見させていただきましたが、両親からは愛されてきたと思うし、アルコール中毒とか虐待を受けたと言うことも無かったです。

この後で書いてくださっていたんですけれど、僕の経験上、親との問題と同じくらい兄弟間の問題って大きいんですよね。
一般的に着目するのはまずは親御さんとの関係だけれど、それ以上に年上の兄弟の影響って案外受けていたりします。

先日カウンセリングした女性は、お父さんにはすごく優しくされたのにどうして彼氏とはうまくいかないんだろう?って悩んでました。
どうしても性的な関係が怖いんだそうで、別に性的な虐待やいたずらも経験がないと思っていらしたんです。
でも、セラピーの中で彼女が気付いたのは、お兄さんが思春期のとき、小学校高学年だった彼女と遊んでいるときに、性器に触れたり、胸を触ったりされた経験があったことを思い出したんです。
お兄さんだし、自分が性的な感情を持っていないから、その時は「当たったんだろうな」とか「お兄ちゃんたらやらしー」とか思ってたみたいなんですけど、それが性的な抵抗の根っこにあったようです。

そんな風に忘れていることですら影響を受けるものだとしたら、ベーグルさんのように明らかな暴力があったとしたら、本当に苦しいし、不可解だし、どうしていいか分からなかった時代があったんだろうと思いますよ。

> 私には6歳離れた兄と3歳離れた姉がいるのですが、私が小学生の頃、兄に散々殴られたり叩かれたりした時期がありました。

それは辛いですね・・・。
僕も妹が二人いるので、どきっとしてしまいました・・・(^^;

その頃、お兄さんをどんな目で見ていたと思いますか?
怯えたような、顔色や機嫌を伺うような態度ってありませんでした?
何か今のベーグルさんが男性を見る目と共通したところってないでしょうか。
これは、無価値感のところでお話した「アルコール中毒のお父さんの表情をいつもうかがっている自分」と同じ状態を作り出すと思うんですね。
しかも、お母さんにもお父さんにも話せないですよね?
お父さんが暴れているときって、お母さんが一番最初に被害を被る相手ですから、家族共有の問題になりますが、お兄さんの場合は、まだ幼い子供たちだけの世界の話になりますから、なおさら抑圧も強くなってしまいます。

だから、お兄さんに対して感じていた気持ちに向き合ってあげたいですね。
その怖さや緊張感、不安や痛みが今もまだ心の中にとどまってしまっているのかも。
兄弟の問題って、自分でもなかなか認識しにくいのですけど、苦しみがあれば解放し、痛みがあれば癒してあげたいものです。

> 学校で嫌な事があると私達に八つ当たりしたり(いじめられていたこともあったらしい)、長男なので母親の愛情を妹達に取られたという思いもあったみたいです。兄はとても繊細で純粋で神経質な性格だと思います。殴られるときはいつも母が外出時で、“お母さんに言いつけたらもっとヒドイ事してやるからな”と言われました。狂ったように顔を平手打ちされたり、足で腹部を蹴られたり、錐や包丁を持って追いかけられたり等です。部屋の窓から飛び降りて逃げたこともありました。暴力だけではなく何かと私の行動や性格に文句や批判を言いました。いつもイライラして独り部屋でキレて騒いでいたり、家の中が緊迫した空気がありました。

それは大変なんてもんじゃなかったですね・・・。
お兄さん、それくらい我慢していたんでしょうね。
お兄さんこそ、周りの人に気を使い、顔色を伺っていたんじゃないでしょうか?
そんな中で、唯一二人の妹達だけは、心を許せたみたいですね。
だから、あんなにしんどい目にあわせたのかな?って思います。
僕達は怖い人には何もできないし、どうでもいい人はやっぱりどうでもいいから、どうしても身近で親近感を感じる人に攻撃性を出してしまいます。
それくらいお兄さんは我慢して、傷ついていたのかもしれませんね。

> 父とはあまり関係なかったというか話しをしたことはありません。お酒が好きでいつも午前様だったし、間に母を挟んで話していた感じです。性格は温厚で話好きです。

そうするとお父さんとはちょっと距離があったような感じですね。
円満だとはいえ、お父さんがいないとお母さんも心のどこかで不安を感じ(その分強くなりますけど)、子供たちもなにかが欠けているような感覚を持つようになると思うんです。
恋愛に距離を感じてしまうのも、お兄さんとの関係だけじゃなく、このお父さんとの距離感も多少影響しているのかな?という感じです。

> 告白してくれる人はどうしても好きになれないタイプだったし、その他の人は身体が目当てです。私はスキのある遊び用のタイプなのかも知れません。男友達もいません。なかなか恋愛感情が湧いてきません。恋愛関係にない何人もの人と肉体関係を持ってしまいます。

それは寂しいですね・・・。
(ところで、寂しさって感じること、ありますか?あまりに寂しいと僕達はその感覚を麻痺させてしまうから、どうかな?って思って。僕もそういうタイプでした)

ベーグルさんの今のお話から推測すると、お父さんとの距離、お兄さんの暴力から、潜在的に「男は遠いもの、そして、近づくと自分を傷つけるもの」という観念が出来上がってしまっているのかもしれません。
だから、本気になるのが怖かったり、相手を必要以上に近づけるのを避けてしまうのかもしれませんね。
でも、それでは寂しすぎるから、心を閉じたまま恋愛や男性を求めてしまうところもあるのかな?って感じがします。

自分を招き入れてくれる優しさに弱いなあ、と思うところってありませんか?
家族の関係から、甘えたり、安心したり、包み込んでもらったり、そんな欲求が強くないかな?って感じました。

> 家族から「お前は甘ったれだ」「すぐに人を頼るな」と言われてきたせいか、「人に甘えてはいけない」「自分で解決せねば」という気持ちが強いです。

その分、自立して一人で頑張ってこられたんですね。
人に頼るな、というのは大人になる上では必要なイニシエーションみたいなものですが、でも、それも家族という繋がりの中で生まれるものだから。
頑張ってる自分を休めて上げましょうよ。
(自分では全然そんな気しないだろうけど)

> 親でなくても兄弟でも何か原因になったりするのですか?こんなことが何か関係あるのか、そして本当の原因は何なのか是非教えていただきたいです。

僕の見方はお伝えしたとおりです。
いかがでしたでしょうか?

少しずつでも構わないから、男性に向けて心を開いていけるようになりたいですね。
そのためにも、知らないうちに傷ついてしまっている自分を休めて、癒してあげようって思って欲しいな。

機会があれば、またお話しましょうね。
(僕の電話の場合、ちょっとお待たせしてしまうことも多いので、優しい男性カウンセラーを希望してお話してみるのもお勧めですよ)

安心と喜びを男性から受け取れますように。

ありがとうございました。

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