マイナス思考を捨てたい

相談者名
ひゅうが
はじめまして。
年齢は21歳で、現在大学3年生で、性別は男です。

自分の性格について悩んでいます。
中学生ごろから今迄、「自分は駄目な人間なんだ」「自分がいないほうが周りも幸せになれるだろう」と、自己否定的な考え方をする傾向があります。
中学、高校時代は、両親から過度に人格を否定された経験が多数あります。
「お前は普通の子じゃない。養護学校の手続き取るから」
「早く家から居なくなれ。障害者施設に入れ。」
「お前のその優しさのない性格が障害だ」

特に中学高校時代は、このように親から人格否定の言葉を受けるのが怖くなり、家に帰ると鬱状態になることも多々ありました。
でもこれは自分が蒔いた種です。
僕は幼稚園、小学校時代とても変わり者でいたずら好きで、言うことを聞かない悪い子であり、先生からも叱られることも多数ありました。

今はそのような人格否定は無くなりましたが、親の前では常に身構えてしまいます。
親が他の親以上に一生懸命苦労して育ててくれて、大学まで入れてくれたのに、こんな状態になっている自分が情けなく感じてきてしまいます。

それと、最近バイト先のコンビニで、後輩や店長と人間関係が上手く行かず、辞めようとしたところ一歳年上の女の先輩から辞めないほうがいいと止められました。
その先輩とはお互い悩み事を打ち明けたりと、そこそこ親密な関係です。
それで最近はその方と週一でシフトに入っています。
僕の店は2人体制で店を動かす勤務形態です。

しかし最近、「僕はここを辞めて、新興宗教にでも入ったほうがいいのかな」などとマイナスな発言をしてしまいました。僕がここを辞めて新興宗教にのめり込めば、先輩もスッキリすると、卑屈な考え方をしてしまいました。

先輩はマイナス思考なところが、僕の一番悪いところだと指摘してくれました。
でも、先輩が今迄支えてくれたのに、このような発言をしたことについて先輩に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

これらのようなマイナス思考を治して、今迄支えてくれた両親やこの先輩に素直に感謝できるようになりたいです。
それと、前向きに物事に取り組めるようになりたいです。

このマイナス思考な性格を治すためには、どうしたら良いと思いますか?

カウンセラー
中山けんたろう
ひゅうがさん、はじめまして。
ご相談を担当させていただきます、中山けんたろうです。
よろしくお願いいたします。

さて、マイナス思考を捨てたいとのご相談をいただきました。
まずは、そのような願い、希望をご自分が持たれているということを、ご自分で十分に評価してあげていただければと思います。(^ ^)

ちょっと逆説的なことを申し上げて恐縮なのですが、「マイナス思考を捨てたい」と思うこと自体は、ものすごく「プラス思考」なのだと思うのです。
ひゅうがさんは、なんとか自分を変えていきたい、よくしていきたいという「プラス思考」を、実はたくさんたくさんお持ちなのです
「プラス思考」を持っているのに、それをうまく形にしていけない、どのように表現していけばよいのかわからない・・・。
だから、ひゅうがさんにとって「問題」や「悩み」となるのです。

つまり、「マイナス思考でも仕方がない。」とか、「マイナス思考でいいや。」と思ったとしたら、「マイナス思考」を持っていることは問題にはならないわけです。
でも、ひゅうがさんは、「マイナス思考を改めたい」、「両親や先輩に感謝したい」という思いを諦めていらっしゃらないわけですから、とても前向きですばらしい部分をお持ちなのですよ。

端的に申しますと、マイナス思考な性格を治すための方法としては、自分のよい部分に目を向けて、受け止めて、十分に認めてあげて、誉めてあげることなのです。

「自分、スゴイ。」
「自分、ステキ。」
「自分、スバラシイ」

例えば、このような褒め言葉を、一日に何回も自分に行って聞かせてあげて下さい。
気持ちが伴わなくても問題ありません。
ただ、何回も心の中で繰り返したり、人がいないところでつぶやいてみてもよいと思います。

自分に何回も褒め言葉を言い聞かせているうちに、ひゅうがさんの深層心理では、

「スゴイところって、どこだ?」
「ステキなところって、どこだ?」
「スバラシイところって、どこだ?」

というように、自分の意識とは関係なく、オートマチックに答えを探してくれて、自分の価値(自己価値)を上げてくれるものなのだからなのです。

さて、「幼稚園、小学校時代とても変わり者でいたずら好きで、言うことを聞かない悪い子であり、先生からも叱られることも多数あった」とお書きいただいています。
具体的な事例はご相談内容からではわかりかねましたが、幼い頃は、大なり小なり、大人の常識から外れる行動をとったり、わざといたずらなことをしてみたりといったことは普通にあるものなのではないかなと思うのです。私の小学生の子どもを見ていてつくづくそのように思いますよ。
子どもの「無邪気」な部分や「天真爛漫」な部分ですね。
そのような部分を、「変わり者」、「いたずら好き」、「悪い子」と捉えられていらっしゃいますが、それらこそが、子どもが持つ元気の素ですし、ひゅうがさんの心のエネルギーの源泉でもあったわけです。

しかし、「中学、高校時代は、ご両親から過度に人格を否定された経験が多数あった」わけですね。
一言で言えば、しつけが厳しくなったということだろうと思います。
また、いわゆる思春期を迎えて「自分って何者なんだろう?」ということを、ふうがさんご自身が意識的にまた無意識的に強く意識するようになったところに加えて、ご両親からかなり否定的な評価を聞かされ続けて来られたのだと思います。
相当きつかったと思います。
きつ過ぎたために、今でも悩まれることになったわけですね。

少し視点を変えて、ご両親の立場でひゅうがさんを見てみるとどうなるでしょうか。
ひゅうがさんが中学生になっても「変わり者」、「いたずら好き」、「悪い子」のように目に映り、「このままでは心配だ」と不安に思われたのかもしれません。
一方で、ひゅうがさんの体はどんどん成長して力も強くなり、考え方もしっかりしてきて、たとえ親でも太刀打ちできないと思わせる場面が出てきたのかもしれませんね。
ご両親は、「このままではマズい」、「社会で生きていける子になるのだろうか」、「常識を教え込まなければ」と強く思われたとしても無理はありません。
ひゅうがさんのことを愛していたからこそ、余計に強くそのように思われたことでしょう。

そして、ご両親の願いが叶って、ひゅうがさんはご両親の前では常に身構えてしまうようになりました。
ご両親から見れば「大人」しくて「常識」を身につけたように見え、ご両親は安心できるようになったから、にゅうがさんの人格否定をする必要もなくなったと考えられます。

でも、「中学生ごろから今迄、「自分は駄目な人間なんだ」「自分がいないほうが周りも幸せになれるだろう」と、自己否定的な考え方をする傾向」が、ひゅうがさんの中に残ってしまうことになったわけです。

この自己否定、言い換えれば、「自己嫌悪」がひゅうがさんを苦しめている大きな原因なのです。

ご両親がに対してご自分を情けなく思うお気持ち、先輩に対して自分を卑屈に考えてしまわれるところ、先輩に対して申し訳ない気持ちでいっぱいなところ、根っこをたどっていけば、「自分が自分のことを嫌いだ」という自己嫌悪にたどり着きます。

自分が自分のことをこんなに嫌いなのだから、
他人も自分のことを好きになってくれるわけがない。

他人から嫌われるような自分なのだから、
両親に情けない思いをさせているのではないか。

自分が自分のことをこんなに嫌いなのだから、
自分のことを卑屈に扱ってもしょうがない。

自分が自分のことをこんなに嫌いなのだから、
こんな自分を支えてくれた先輩に対して申し訳ない。
いっそ新興宗教にでも入って先輩の前から姿を
消してしまいたい。

このように、自分で自分のことを嫌ってしまうと、プラス思考を持ったり、前向きに物事に取り組むことを自分に許せなくなります。
深層心理では、自分のことを「嫌い」で居続けようと思ってしまっているのですが、プラス思考を持ったり前向きに物事に取り組むと、自分を「好き」になってしまいますから、深層心理がそのようにさせないように仕向けるのです。

また、周りに感謝できなくなりますね。
自分が自分のことを嫌いなとき、人間は自然と「他人も自分のことを嫌いに違いない」と思ってしまうものなのです。
自分のことが嫌いな他人に、心から感謝することってできるものでしょうか。
お釈迦様やイエス様のような人でない限り、そうそうできるものではないのではないかと思います。

まとめますと、深層心理に書き込まれた「自己嫌悪」を、「自分が好き」な状態に書き換えていくことが、ひゅうがさんの様々な問題を解決するために役立つと思います。

周りに感謝できるようになりたいと思っているひゅうがさん、「スゴイな」と思います。
前向きに物事に取り組めるようになりたいと思っているひゅうがさん、「イケテル」と思います。
マイナス思考な性格を治したいと思っているひゅうがさん、「ヤルなぁ」と思います。

そんな風に、自己イメージ(自己観念とかセルフイメージと言ったりもします)を上書きしていかれることをお奨めしたいと思います。

周りの人たちは、ひゅうがさんのことを好きだし愛しているのです。
でも、ひゅうがさんのことを一番嫌っているのが、ひゅうがさんご自身だったとしたら、これほどやりきれないことはありませんよね。
どうか、ご自分のことを少しずつでも好きになれる方向に進んで行かれてみてください。
ひゅうがさんなら大丈夫だと思います。

でも、何でもかんでも一人でやりきる必要はありません。
私どもカウンセラーがお役に立てる場面もあるのではないかと思います。
そのような時は、ご遠慮なくカウンセラーに助けを求めてみて下さい。

今回のご相談が、ひゅうがさんにとって何らかのヒントになれば幸いです。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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