許しについて(1)~許しはあなたの投影の世界を変えるツール~

「許し」は「許さなければならない」とは違うもの

私達がご提供している心理学講座やカウンセリング、癒しのセミナーで特によく出てくる言葉。それが「許し」。
私達の考える「心を癒し、感情を解放する考え方」の基軸となっているものです。今回の心理学講座では改めてこの「許し」についていくつかの具体例とともに解説していきます。特に許しは「あなたの投影(感じている世界)を変える手法」。だから私に多大なメリットがあるのです。

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■私達がご提供している心理学講座やカウンセリング、癒しのセミナーで特によく出てくる言葉。

それが「許し」。

私達が考える「心を癒し、感情を解放する考え方」の軸になっているものです。

今回の心理学講座では改めてこの「許し」について、いくつかの具体例とともに解説していきます。

「許し」とは、自分自身が楽に生きる、幸せになるための一つの手法でありツールです。

例えば、私たちが生きていると「辛い」と感じるような出来事がさまざま起こることがありますよね。

例えば、自分が何かで傷ついたとき。
例えば、自分が誰かを(悪意など無くとも)傷つけてしまったとき。
例えば、自分が間違っていたのではないか?と自分を責めているとき。
例えば、大切な誰かを失ったとき。
例えば、何かの失敗で自分をひどく嫌っているとき、などなど・・・

「許し」はこのような時に抱える「辛い気持ち」を癒し、解放していく手段の一つなんです。

が、許しという言葉は知っていたとしても、なかなかその意味を解釈しようとすると難しいと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。実際のカウンセリングの中で伺うケースでは「許し」を「許さなければいけない」と解釈されて悩んでおられる方もいらっしゃいますし、「許せない」ことを更に問題にされている方もいらっしゃいます。

例えば、私が誰かによって傷ついた、というお話があったとしましょう。

仮にそれが「パートナーが浮気をした」ということであれば、それはもうパートナーに対する怒りやショック、辛い気持ちがいっぱい溢れてくるかもしれません。

そんな時にこの「許し」という言葉を聞くと「相手が裏切ったのに許さなければいけないの?」と感じてしまうかもしれません。

もちろん結論を先に書けば、あなたが「私を傷つけた人」を許すことができると、あなたは「誰かを恨んでしまう私」「傷つくにふさわしい私」というネガティヴな自己概念から抜け出せるので、とても私にとっていい効果があります。

が、そうは言えども心情的には「やっぱり許せない」となることもあるかもしれませんよね。

そんな時は、いきなり「相手を許す」ことを考えるのもいいのですが、「もっと自分(の感情・気持ち)を許す」という部分に意識を向けていくほうが癒しが進むケースもあるんです、

こういった何かによって傷ついた、という問題ほど「私は傷ついたけれど、だからといって、私の価値は変わっていない」ことが見えなくなって、自分自身に価値がないように感じてしまうから辛くなることがとても多いんです。だからまず自分を許す、誤解を解く。そういったプロセスを先に進めていくことも立派な許しなんです。

が、いわゆる情熱的な方、心の優しい方ほど、「許し」という言葉を聞くと、自分が辛い気持ちを抱えたまま「私が何か許せないものを許さなければならない」という感覚で捉えてしまうことも多いようなんです。

その結果、「許せない自分を嫌悪」したり、「どう許すべきか」を考えすぎてしまって、その結果、強い葛藤を招いてしまうことも少なくありません。

それはまるで、あなたが最新型の掃除機を買ったとしても、「新しい掃除機を買ったのだから、毎日掃除をしてきれいにしなくちゃいけない」とプレッシャーをかけてウンザリして掃除をしなくなった、そんな自分がやっぱりズボラなんだ、でも、どうして新型の掃除機を買ったから掃除しなきゃいけないの?・・・とグルグル考えていることに似ているかもしれません。

このように許しは、その意味を見うしなうと自己否定や罪悪感、無意味感に飲まれることがありますね。

では、そもそも許しの意味・効果とは何かと。

『自分自身や、あなたが向き合っている人・モノへのあらゆるわだかまりから私を解放すること』だと僕は表現しています。

私が「何が許せない」とき。そのココロは、ネガティヴな感情をその外側に向けていることが多いものです。嫌い、ありえない、理解できない、責めたい気持ち、攻撃性、強烈な批判・・・さまざなな感情を感じているものです。

ただ、この感情は多く「投影」として跳ね返ってきます。投影とは「私が感じている感情を外に向かって映し出している」という法則です。

なので、いいか悪いかは別にして、あなたが何かに対して許せない思いを持つと、あなたが向き合っている人、状況、対象から「ひどい攻撃性」を感じたり、「強い批判」や「恨み・嫌悪感」を向けられるのではないか?という怖れが強まるのですね。

例えば、先程のパートナーの浮気の例で言えば、致し方ないことなのかもしれませんが、自分がパートナーや自分自身に批判や攻撃性を向けるだけ「きっとこの人は私を突き放す」「この人は私を愛さない」という思いが強まるんです。もちろんそんな自分自身のことも好きになれなくなってしまいます。

しかし、ここで「自分や相手に対する許し」を用いることができると、相手の言動で過剰に振り回されない私、傷つかない私になれたり、より楽に相手と関わることができ、より楽に今後のことを考えることも可能になります。

あなたがどの「投影」の世界の中でいきるか。

許しはそのあなたの「投影」の世界を、より良いものに変えるツールでもあります。だから許しは人のため、にもなりますが、何より自分に多大なメリットがあるのです。

次回からは、この許しの具体的な使い方、その事例を重ねていきたいと思います。

>>>『許しについて(2)~彼と結婚してよいのか?と悩む私と「許し」~』へ続く

 

この記事を書いたカウンセラー

About Author

年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。