「頼まれると断りにくくて、つい他人の仕事を引き受けてしまうんです」という方の中には断れないだけではなく、自分の気持ちを我慢することが多いという方が少なくありません。
今日は「職場に差し入れがあったとき」を例にとって、4つのタイプについて考えていきたいと思います。
◆「職場にドーナツの差し入れ」あなたならどうする?
職場にドーナツの詰め合わせが差し入れされました。
・プレーン ・チョコ ・ナッツ ・クリーム入り等々。いろいろな種類の入った詰め合わせだったので、順番に「好きなものを取る」ということで、たまたま、あなたが最初に選ぶことになりました。
「どれでも好きなものを取っていいよ」と声をかけられたあなた。
以下の中から選ぶとすると、A)〜D)のどれが近いでしょう?
A)「私はチョコがいいです!」と素直に欲しいものを選ぶ。
B)私が「チョコ」を食べたいように、「チョコが欲しい」という人も結構いそうだなぁ・・。最初にコレをとったらズルイと思われるかも?恨まれたくないから他のものにしておこう。
C)本当は欲しいものがあっても「わたし、なんでもいいので、後でいいです。」と他人を優先して、自分は後回しにする。
D)皆が選ばなさそうなものや一番人気がなさそうなのものをわざと選ぶ。
A)のように「欲しいものを欲しい」といつも遠慮せずに言えればいいのですが、B)〜D)のように、何らかの理由で「欲しい」と言えない人は他の場面でも我慢することが多いのではないでしょうか?
そこで今日は、B)〜D)を例にとって「我慢」のタイプをみていきたいと思います。
◆B)嫌われたくないから周りに気を遣って自分の気持ちを我慢する
周りの人の思惑や視線を意識して「周りの人が望んでいるであろう行動」を探そうといつも考えていませんか?相手の気持ちや周りの状況を深読みしすぎたり、気を使いすぎたり
して気疲れしやすいかもしれませんね。
過去に「欲しい」と言ったことでひどく叱られたり、ズルいと言われたり、嫉妬された経験があると、叱られたり嫉妬されたりしないように「周りの人が望む行動は何か?」と考えやすくなります。
「嫌われないように」「嫉妬されないように」と周りの思いを重視するため、自分の気持ちを後回しにしがちです。
【ワンポイントアドバイス】
・自分の気持ちを優先させてもいいという許可を出す。
・自分の好きなことやものを普段から口に出しておく。
・自分の思いや考えを伝えることは相手に自分を理解してもらうチャンスでもあると考えてみる。
◆C)自分の意見を言わず、与えられた状況で我慢する
自分の思いを飲み込んだり、周りの人を優先して自分の意見は言わず、与えられた状況が不本意であっても文句を言わずに我慢して受け入れることが多いかもしれません。
自分から言い出さないので、仕事に対しても受け身であると捉えられたり、やりたいと思っていた仕事があっても、他の人が希望したら譲ってしまいます。
自分に対する評価が低く、自信を感じられないという面もあるかもしれません。
【ワンポイントレッスン】
・自分を大切にしてくれる場所(美容院やエステ、マッサージ、レストラン、カウンセリングなど)で、自分の好みを伝えてみる。
・一日の終わりに「わたしは自分を優先してもいい」「わたしはわたしの気持ちを大事にしてもいい」と口に出して言ってみる。
・自分の幸せを願ってくれている人の存在を意識する。(親、友達、お世話になった人など)
◆D)自分から進んで「貧乏くじ」を引く、自ら犠牲する
周りの人が苦労をしたり、嫌な思いをすると感じると、その苦労や嫌な思いを自分が引き受けようとします。周りの人に「気を使っている」ことを感じさせないよう、自分から進んで「嫌われ役」や「みんながやりたくない仕事」を引き受けるので、周りからは「あの人はそういうことが好きなのだ」と思われます。その結果、頑張っているのに報われない、わかってもらえないという状況がおこりやすくなります。
「自分がやらなければ」という思いが強く、面倒見がよい。
【ワンポイントレッスン】
・あえて「自分で選択しない」場面を作る。(「後でいいよ〜」と言ってみるなど)
・「自分でなくても、大丈夫」と周りの人の力を信頼して任せてみる。
・「自分を一番にしてもよい」と意識する。
◆最後に
仕事の上で自分の気持ちを抑えたり我慢したりする場面は多いと思いますが、我慢しやすい人は自分のキャパシティを超えるほどの我慢をしてしまいます。我慢しすぎると、心や体もダメージを受けます。今日の記事のB)〜D)に当てはまる方は「自分は我慢しやすいほうだ」と自覚して日常的なケアを意識してみてくださいね