こんにちは。
今回担当します心理カウンセラーの平林です。
どうぞ宜しくお願いします。
今回もビジネスとカウンセリングの双方に共通する大切なエッセンスという視点から見ていきたいと思います。
今回は今月に発表された決算で好調であったエステー化学の社長の取り組みについてです。
同社は主力の消臭芳香剤でデザインや機能性を高めた高付加価値品が伸び、13年ぶりに最高の業績へと更新されました。
そして大切なエッセンスとして注目したいのは「寄り添う」です。
ある新聞(※文末参照)に鈴木貴子社長のインタビュー記事が掲載され、顧客に「寄り添う」という言葉に目がとまりました。
そして、読み進むにつれて示唆に富むことが多くありました。
鈴木貴子社長は創業家出身ですが、当初は家業を継ぐ気はなく、日産自動車やいくつかの外資系企業のマーケティングで活躍された経歴があります。
そして、現会長の叔父からこわれ、48歳で入社し51歳で社長に就任し業績をV字回復されています。
社長になったばかりの頃は、経営スタイルに男女の差はないと思われていたようです。
しかし実際に仕事をしていくと視点の違いに気づかれていきました。
経営で使われているビジネス用語には軍隊から転じたものが多く男社会から成り立っていて、競合のように戦いに主眼を置かれている事に気づかれたのです。
そこで顧客に「寄り添う」ことから始めたとのことです。
具体的には、同社の商品の顧客の7、8割は女性なので、女性に寄り添った視線からみてみると、量が多いということに魅力があるかを見直されました。
女性の視線から見ると量が多いことよりも、香りの癒し、香りから優雅な気持ちになれることが女性から求められるものではないかと考えていったそうです。
そして当時のエステーの商品に一番欠けていたのが情緒的価値であり、その価値に注目し大切な価値観として扱っていったから、顧客に訴求する商品が出来て業績が回復し、かつ更新していったのではと思います。
勿論、この事だけが好業績を生んだわけではないと思いますが、大きなポイントとなっていると思われます。
さて、この「寄り添う」というのは、一見簡単なのですが、実際によろうとすると案外難しいものです。
寄り添って相手目線で見ているつもりが、ついつい自分目線になっている事が多いのです。
だからマーケティングが出来ても、以前の同社のようにいつの間にか作り手の考えになって、顧客は量を求めるものだとなってしまいます。
ポイントは相手の立場に立って、そして相手がどう感じているのか、自分事のように感じることです。
日頃、親であったり、パートナーであったり、友人であったり、その人の立場になって感じてみることを繰り返していくと、相手が何を感じているのか理解できてきます。
とてもベーシックではありますが、意外と難しいものです。
何度も何度も繰り返していくと出来てきますし、気持ちを理解してくれると相手からの信頼を得ることが出来てきます。
その基盤が出来てくると、信頼関係は更に強固なものとなっていきます。
仕事でもプライベートでも「寄り添う」ことは大切ですね。
是非、「寄り添う」ことを意識して接してみて欲しいと思います。
今回も最後までご覧頂き誠に有難うございます。
※参考文献 日本経済新聞(夕刊)2018.3.15 私のリーダー論