親離れできない。子離れできない。
という悩みは、最近増えてきているように感じます。
子どもが小さい間は、親離れも子離れも必要ありませんが、子どもが成人しているのであれば、親離れ、子離れしていないと、様々な問題を生み出してしまいます。
親子といえども、子どもが成人すれば大人同士です。新しい関係性を作っていく課題にチャレンジしていく必要が出てくるのです。
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親離れや、子離れがうまくできないことが、悩みなっているというお話を、よくお伺いします。
そうはいっても、子どもがまだ未成年の間は、そんなに深刻に考えなくても大丈夫かもしれません。
ですが、子どもが成人しているのに、子離れできない親御さんや、自分自身が成人しているにも関わらず、親のことを頼ってばかりいるというのは、少々問題になってきますね。
どうして、親離れや、子離れができないのでしょうか?
どちらの場合も、「自信」が関係しています。
まずは、親離れできない子どもさんの場合。
自分に自信が持てないというのが、最大の理由になります。
◆社会に出て仕事をしていく自信がない
◆社会で認められる自信がない
◆自立して、生活していける自信がない
◆誰かに愛される自信がない
その他にも、自信が持てないジャンルはたくさんあるでしょうが、自分に自信が持てないでいると、安全な親元を離れることができず、いつまでも親離れができないことになってしまうことも、少なくありません。
次は、子離れできない親御さんの場合。
実はこれも、自分に自信が持てないことが、最大の理由となっています。
親ですし、大人ですから、社会で生きていく自信は持っていることがほとんどです。
ですが、人間関係において、自信が持てないということが、子離れできない理由になっていることがあります。
◆子ども以外に、自分を信頼してくれる人がいるとは思えない
◆子ども以外に、自分を理解してくれる人がいるとは思えない
◆子ども以外に、話しを聞いてくれる人がいるとは思えない
◆子ども以外に、愛してくれる人がいるとは思えない
もちろん、他にも色々ありますが、夫婦関係や、友人関係が希薄になっていると、子どもに一点集中する状態になってしまい、子離れできない状態になってしまいます。
ですから、親離れできないときは、努力して頑張ることで、自信をつけていくことが必要になります。
また、愛してもらう立場から、誰かを大切にする愛する立場へ、移行していくチャレンジも必要になってきます。
子離れできないときは、努力や頑張りというよりも、子ども以外の人をあてにして頼ることや、誰かと協力して何かをしていくことが必要になります。
また、愛するだけの立場であったものを、愛してもらうことを受け入れる立場にもなれるようにしていく必要があります。
人間の成長過程は、依存から自立へ、そして共に生きる相互依存へと進んでいきます。
親離れできない状態の多くは、依存で立ち止まってしまっている状態です。
子離れできない状態の多くは、自立で立ち止まってしまっている状態です。
それぞれ、次のステージへと進んでいく必要があるのです。
親子ですから、子どもが小さいうちは、面倒見る側と面倒みられる側、自立側と依存側に分かれていて当たり前です。
親が子どもの面倒をみて、お世話をするのですが、子どもがある程度成長してきたら、子どもは自立へと移行していくチャレンジが必要です。
親は、子どもが自立した大人になれるよう信頼し、子どもが自立した後は、大人同士として新しく関係性を作っていくことが必要になります。
いつまでも、面倒を見る側、面倒をみられる側では、いられないのが、親子関係なのです。
もし今まで、親離れ、子離れができていない状態だったのだとしたら、今日から急に、大人同士の関わりあいにしてこうと思っても、そう簡単にはできません。
親側も、子どもの側も、今までやったことがないことにチャレンジしていく必要がありますので、多少の痛みは伴います。
ケンカや言い争いが起こるかもしれません。
人間は、変化することに怖れを感じます。
それは、今まで面倒みる人と、面倒をみられる人という関係性が変化するときも同じです。
怖れを感じると、その怖れを回避したくなりますので、なんとか力づくでも、元の状態に戻したいと思ってしまいます。
なんとか相手を説得して、元の状態に戻そうとしたり、間違いを指摘することで、元の状態に戻そうとしたりと、あの手この手を使って、変化しないようにしようとしてしまうのもまた、人間なのです。
ですが、やはり関係性に変化を起こさない限りは、親離れ、子離れをすることができませんので、ケンカや言い争いを怖れずに、その先にあるお互いが対等な立場になれる相互依存へとチャレンジしていく必要があるのです。
私たちは、親子であっても、いずれは大人同士になります。
大人というのは、それぞれが自分の人生に責任をもつということになりますから、たとえ親子であっても、それぞれの人生を背負うことはできないのです。
親離れ、子離れがうまくできていないなと思われるのであれば、新しい課題にぜひチャレンジをしてみて下さいね。
(完)