「女性を楽しむ」ということ
こんにちは 平です。
彼女はとてもがんばり屋で、上昇志向の強い女性です。
資格をあれこれ取得するなど、自分のためになると感じたことにはどんどんトライしてきたようです。
しかしながら、27歳になる現在まで、男性とのちゃんとしたおつきあいというのはほとんどしたことがありません。
いつも、心のどこかに「まだまだ自分は半人前だ」とか「もっとバージョンアップしないと通用しない」といった思いがあり、まるでその“足らず”を埋めるかのごとく、努力し、勉強してきたのです。
そういう感覚を“エレクトラ・コンプレックス”といいます。
子どものころ、女の子は男の子と比べて、「自分にはオチンチンがない」ということに気づき、それが大きくなってからも自分には“欠け”、“足らず”があるという感覚をつくるのです。
その感覚が強ければ強いほど、その“欠け”、“足らず”をほかのなにかで埋めようとしがちなのですが、彼女がまさしくそのタイプなのでした。
彼女がカウンセリングを受けにやってきたとき、私はこういう質問をしてみました。
「あなたのお部屋はどうなっていますか?」
「どうって?」
「たとえば、そうですね、お掃除はマメにしています? それから、インテリアとか、小物とか、好みにこだわったお部屋ですか?」
すると、彼女はうつむき気味にこう答えました。
「掃除はほとんどできていません。洗濯なんかも、たまってからじゃないとしません」
「じゃあ、彼ができても、お部屋には招待できませんか?」
「とてもじゃないけど、呼べません!」
どうやら、彼女は家事が苦手なほうであるようでした。
一方、彼女のおかあさんは家庭的な人で、家事全般をソツなくこなす人なのだそうです。
そんなおかあさんに彼女はすべて任せっきりで、その代わりに自分の中の男性性のエネルギーを強化するがごとく、キャリアアップのための勉強や、資格の取得に一生懸命取り組んでいたようなのです。
また、彼女はどうも自分の中にある女性性をあまりよくないものだと感じていました。
そのため、それを表現するのではなく、いつも隠そう隠そうとしてきました。
いってみれば、彼女の女性性は彼女のお部屋のごとく、いつも後回しにされ、あまり手入れされてこなかったわけです。
ふだん、私はカウンセリングのクライアントさんに宿題を出すということはめったにしないのですが、このときは彼女にこんな宿題を出しました。
「お部屋を片付けたり、快適な環境をつくったりしてみてください。もちろん、お友だちやおかあさんに手伝ってもらってもOKですよ」
そして、彼女はおかあさんに手伝ってもらい、お部屋の掃除をすることにしたのです。
ふだんは彼女が実家に帰るばかりだったので、おかあさんが彼女の部屋を訪れたのは3年ぶり。あまりの汚れっぷりに、おかあさんはビックリしてしまいました。
そして、当初、3日の予定だった滞在日数を5日に延長し、おかあさんは部屋のあちこちをピカピカに磨き上げ、彼女と相談しながらインテリアも新しくして、快適な空間を作ってくれました。
模様替えやインテリア・コーディネートをしていく過程では、彼女が長い間使っていなかった女性性の感覚が湧き上がり、その結果、とてもかわいいお部屋ができあがりました。
すると、「テーブルに花を飾ってみよう」、「リビングに絵でも掛けてみよう」、「観葉植物を買ってこよう」などなど、イメージもどんどんふくらむようになりました。
そして、まもなく、自分のキャリアアップのことばかり考えていた彼女が、ネイルをしてみたり、
アクセサリーを買ってみたりと「女性を楽しむ」ということができようになったのです。
女性のみなさん、もしも、「女性力を上げたい」と思っているとしたら、彼女のようにお部屋の模様替えからスタートしてもおもしろいかもしれませんよ。
では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!
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