父から継いで16年。食品製造業を営む会社の代表取締役を務めておりましたが、この3月に会社を解散し、廃業にむけて清算に取り組んできました。
あの決断から早くも半年。
当初、自分が見積もっていた廃業手続きの完了から大幅に遅れて、清算決了を迎えることができ、ようやく法人閉鎖の登記も完了しました。
創業から46年。いろんな人たちが携わり、たくさんのものを生み出し、多くの人に手渡しを繰り返してきた法人の歴史に幕を降ろすプロセスは、生まれて初めての経験でしたが、やってみないとわからないことをたくさん経験させていただけたように思います。
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「こんな小さな会社でも、それなりの歴史があって、これだけたくさんのご縁で成り立っていたのか!」と何度も思えるほど、今更ながら手続きの多さに骨を折りながら、ご縁に感謝しつつ、一つひとつものごとを完了させてきました。
使わなくなった道具や機材をお嫁に出したり、要らなくなった書類を処分したり、なかには個人名義で引き継ぐ資産もあったりで、その一つひとつの存在と所有のありかに渡りをつけるプロセスは、単純作業ばかりではありませんでした。
第一フェーズ、第二フェーズ…と、なかには私が生きているうちで何年越しかになりそうなものも正直たくさんあります。
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これまで築いてきたモノとどう渡りをつけていくのか。
また、どうお別れして行くのか。
自分が今、置かれている現実と渡りをつけるのに試行錯誤するのは、わたしに限ったことではないでしょう。
たとえば・・・
失恋したとき。
学生から社会人になるとき。
引越しをするとき。
転職するとき。
結婚するとき、離婚するとき。
大切な誰かが亡くなったとき。
愛着のあるものとお別れするときの悲しみ、さみしさ。
未来に連れて行くのか、手放していくのか。
それとも、今の自分よりもっとふさわしい人、大切にしてくれる、喜んでくれる人のもとにお譲りするのか。
感情レベル、思考レベル、物質レベル、関係性というレベルにおいて、それぞれ異なるところに着地することもあるでしょう。
実際、思いに関しては綺麗さっぱりと見切りをつけられないことの方が多いのかもしれません。
カウンセリングは、そのような一人ひとりの尊い経験に寄り添うことの多いお仕事ですが、大なり小なり、きっと、多くの人が人知れず、同じようなプロセスを経て、新しい自分を生き始める、ということをしているんですよね。
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「自分の人生、本当はどう生きたい?」
「そろそろ、もっと自分のしたいことのために生きてもいいんじゃない?」
そんな自分への問いからはじまり、多様な価値観、価値観の多様性のなかで、自分が本当に大切にしたいことを知り、道なき道を進むことを選んだ。
とりわけ選んだ方針は、行きたい道に進むために、今は身軽になっておくこと。
私が選んだ道が、あまりにも抽象的過ぎて多くの人に驚かれるけど(笑)
人が不安になるのは、結局、どっちに行ったらいいのか分からないからなんですよね。
「何の保証がなかったとしても、私がやりたいと思ったことをやる」
思ったよりもいろんな手続きに時間が掛かったと思う一方で、人が「変わった」というのは、劇的というよりもじわじわと、本当は「何か変わったかも」というリズムがちょうどいいのかもしれません。
どんなテクニックや方法よりも見方・感じ方が変わることが大事で、今日までの変化と、ここから心掛けていくことが自分の中で明確に分かっていれば、どうにか形になっていくものだから。
最近、そんな風に思えるようになりました。
そして、「やりたい」と思うことを「やる」ことができるようになったのが、今まさに受け取っている恩恵で、大切なのは、自分が大切だと分かっていることを先延ばしにしないことなのだと。
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新しいバランスを整えていく
自然体とか等身大って表現があるけど、そんなナチュラルなことじゃ、人はなかなか振り向いてくれないことも知っています。
それでも、私は原点回帰を選びたい。
セルフイノベーションは、良くも悪くも、そんなシンプルな自分から、まずは始めて行きたいと思っています。
不確かでグレーな時間帯。感覚的なものを明確な言葉に置き換えるのにはいつも苦労するけど、一つひとつを丁寧に確かめながら、マイペースで、それができる今があるのは、なんと贅沢なことだろう。
「自分の居場所は自分で作る」
その基盤作りが、ようやく始められ、形あるものにしていく流れはまだしばらく続き、目に見えて誰もが分かるようになるまでにはもっと時間がかかるかもしれない。
それでも私は、心の法則で学んできて確かなことを、こうして自分の人生で実験できるのって、嬉しくて楽しみで幸せなことだなって、思うのであります。
そうしてまた、自分のプロセスを前進させながら、私の経験がみなさまのお役に立てたなら幸いだと思うのであります。
わたしと同じように自分革命の真っ最中にいらっしゃる、あなたの決意と変化のプロセスが、穏やかに和やかに進んでいけますように。