女性たちの本音トークが男女差の壁を崩した
こんにちは 平です。
その日、私どもにご相談におみえになったのは、非常に真面目で誠実なタイプの男性でした。
28歳で独身、見た目はそれなりカッコいいものの、彼女は一度も作ったことがないとのことでした。
たぶん、女の子とデートしたとしたら、1分に1回、額の汗をハンカチでぬぐうのではないかというかんじの彼でした。
男友だちとの関係は問題なくても、こと女性となると、どう扱っていいかがまったくわからないようなのです。
彼が私どもを訪れたいちばんの理由はこういうものでした。
「どのような女性を選べばいいか、まったくわからないんです」
彼曰く、自分がいいと思う女性のほとんどは、まわりから「あの女はダメだよ、表裏がありすぎる」とか、「なんで、あんなに手のかかる娘を選ぶんだい?」などと言われてしまうそうなのです。
彼のような真面目な男性は、自分のほうから積極的に女性にアプローチするということはほとんどできません。
したがって、女性のほうから近づいてくれないと、男女関係が発展するということはないのですね。
といっても、彼と同じような真面目なタイプの女性は、やはり自分のほうから男性にアプローチするということはまずありません。
その結果、「恋愛関係は豊富だけれど、いまだにボーイフレンドに恵まれていない、なんだかわけあり女子」が、「言うことを聞きそうな真面目な男子」に近づくという構図ができているようなのです。
私が「好きなタイプの女性はいる?」と質問すると、それなりにいるものの、どうしても“高嶺の花”または“マドンナ”のように感じてしまい、気軽に近づいたり、話しかけたりすることができないということでした。
思春期の男性に多いのですが、だれかを好きになったり、魅力を感じたりして男性性のエネルギーが高まると、それを「隠さないといけない」と思いがちです。
そして、その隠そうという思いが強ければ強いほど、彼のように緊張したパターンが生まれるといわれます。
彼女に対し、「好きだ」という思いを表現できればいいのですが、「告白しても拒絶されたら、この会社にはいられない」などということを考えずにはいられないタイプであるわけです。
そんなことを考えてばかりいると、なにもできなくなってしまうわけですが、そこに、前述のなんだかわけあり女子が気安く話しかけてきたりするんですね。
彼女たちに対しては、拒絶されるというリスクを感じずにすみますから、「この娘でもいいかな‥‥」などと思ってしまったりします。
その結果、まわりから、「なんで、この娘を選ぶのかい?」と言われることになったりするわけです。
男性でも女性でも男女関係が苦手なタイプは、間違いなく「好き」を表現するときに自意識が強まり、恥ずかしさもものすごく大きくなります。
たとえば、女性のみなさんであれば、初めてブラジャーをつけたときや、お化粧をしたときというのは、なにか恥ずかしい気持ちになりませんでしたか?
でも、慣れてしまうと、それは大人になったということですが、その大人の自分を表現することのほうが当たり前になりますよね。
今回の相談者の彼の場合も、心の中には少年のような思いがまだ強くありました。
先輩の中には、「とにかく、女性ともっと話ができるようなるように」とキャバクラに連れていってくれた人もいたそうです。
が、そこでも彼は固まってしまい、ほとんどコミュニケーションができなかったとか。
そんなこんなで、この彼が望みを託したのが、私どもの恋愛心理学講座だったのですが、
私は彼に「講座には出なくても、講座後の打ち上げには必ず来てね」と言っておきました。
その打ち上げの場で彼が見たものは、本音、本音、本音の女性たちのトークでした。
彼の会社の女性たちはけっして見せないような姿がそこにあったわけです。
「あなたの会社の女子も、本音は私たちと同じなのよ」という女性たちの言葉を彼は戸惑いながらも少しずつ受け入れ、そして、どんどん楽しくなっていきました。
その後、彼がそれまでに感じていた、男女差の壁がだんだんと崩れていきました。
やはり男女関係は、机上のお勉強よりも実践が強いんですね。
では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!