私たち人間には、それぞれ「性格」という個性がありますね。
元気な人、穏やかな人、行動的な人、忍耐力のある人、楽観的、悲観的、協調性、マイペース、などなど。
性格は「個性」や「特徴」と言い換えてもいいですが、「他と比べてどんな風に違っているか」という、ある種の目印みたいなものです。
全く同じ人間はいませんから、全く同じ性格の人もいないという事になりますね。
人間以外の動物にも、性格(個性)はあるようです。
犬や猫などの動物を飼っている人は、「うちの犬と、友達の家の犬は性格が違うな」とか、「同じ種類の犬2匹でも、性格が違っているな」と感じた事もあるのではないでしょうか。
人間だけでなく動物にも個性があるように、実は「会社や企業」にも性格がある、と言ったらみなさんはどう感じるでしょうか?
性格、という言葉に違和感がある人は、「性質、個性、特徴」と言い換えてもらっても構いません。
さっきの、「同じ種類の犬2匹でも、性格が違っている」という事があるように、「同じ種類の会社でも、性格(特徴)が違っている」という事があるわけですね。
たとえばここに、「タナカ電気」と「スズキ電気」という、2つの家電メーカーがあったとします。資本金の額や従業員の規模などは、同じぐらいだったとしてみます。
しかし、創業者の「タナカさん」と「スズキさん」は、同じ人ではありませんから、性格が違っています。
働いている従業員も、同じ人はいませんから、職場の雰囲気なども全く同じではありません。
そうなってくると、社内規定や会社の経営方針なども、当然違ってくる事になります。
タナカ電気は「昔ながらの使いやすい家電を、安く提供する安定した会社」とか、
スズキ電気は「今までにない革新的な家電を作るが、値段が高く故障も多い」などの個性が出てきます。
同じ性格の人間がいない以上、同じ性格の会社というのもありえないので、かならず個性、特徴があるわけですね。
もうちょっと細かく見ていくと、一つの会社の中にも、様々な「部署」などがあったりしますね。営業部、経理部、企画部などなど。
当然、この「部署」もそれぞれに性格が違っている事になります。
一つの部署の中には、さらに細かい「班」や「グループ」などがあり、そこにもそれぞれの性格、特徴があるわけです。
さて、ここでみなさんに注目していただきたい部分は、「自分が所属している会社、部署、グループなどの性格」と、「あなた自身の性格」は、どの程度一致しているかな?というところです。
もし、あなたの性格が「仕事はなるべくマイペースにやりたい、稼ぎはそこそこでいいので、定時には帰りたい」という性格だったとします。
性格というのは単なる個性、特徴ですから、本来良いも悪いもありません。
しかし、もし所属しているグループの性格(雰囲気)が、「みんなで頑張って、少しでも売り上げを伸ばそう!」という感じだったりすると、マイペースな人は「やる気が無い」とか「みんなが頑張っているのに、協調性が無い」などと、非難されてしまう事があります。
反対に、もしあなたが「人よりも沢山働いて、トップの業績を出したい!」という性格なのに、所属している部署やグループがのんびりした性格(雰囲気)だったら、やっぱり「協調性が無い」とか、「あの人がいると帰りづらくなる」とか、厄介者扱いされてしまう事もあります。
本来、どちらの性格も良い悪いは無いのですが、「所属している集団の性格」に合っていないと、少数派、異端児になってしまい、居心地が悪くなったり、ひどい時には排除されてしまう事すらあり得ます。
集団の性格や雰囲気は、そのグループのリーダー(責任者)の性格と、メンバー(従業員)の性格、その双方の影響で変化をしていきます。パワーバランスが変化する、と言ってもいいかも知れません。
責任者が強い権限(パワー)を持っている場合は、従業員は責任者の性格に合わせる事になりますが、従業員からの不満の声が責任者の権限(パワー)を上回ると、反対に責任者が考えを変えるか、別の部署に異動するなどの必要性が出てきます。
集団には様々な規模がありますが、それぞれに性格があります。
数人のグループ、部署、企業、業界全体、そして「国家という巨大組織」にも、やっぱり性格があります。
個人の性格も年齢や環境と共に変化をしていくように、集団としての性格も、時代の流れと共に変化をしていきます。
でも、「大きな組織の性格」以上に重要なのは、「あなたが所属している、数人のグループの性格」と「あなたの性格」が、一致しているかどうかかも知れません。
あなたの性格に合った集団に所属するか、集団の性格に合わせてあなたが変化するか、あるいはあなたのパワーで集団の性格を変えてしまうか。
ぜひ、あなたの性格に合った変化をしてみて欲しいと思います。