あなたはより大きな愛になることができるのです
こんにちは 平です。
心理学という学問では、“投影”の法則、すなわち、「あなたが見ている世界は、そのすべてが自分を映し出した鏡である」という考え方を教えています。
“投影”の法則は心理分析の核となる考え方なのですが、もう一つ、重要な考え方として“許し”というものがあります。
これは、心を癒すための心理療法の中心的な考え方です。
“許し”は、人間の心の中に苦しみを作る“罪悪感”という感情を癒すために欠かせないものです。
心の力学は、物理的なものの力学とは正反対に作用します。
財布の中のお金は使えば使うほど減りますが、これは物理的な法則ですね。
それに対し、心の法則は、使えば使うほど増え、使わなければ減っていきます。
たとえば、人をいっぱい愛したり、人にいっぱいやさしさを与えたりしたら、あなたの中の愛ややさしさが減り、いじわるな人になっていくということはありませんよね。
人を愛せば愛すほど、また、与えれば与えるほど、あなたは大きな愛の人へとなっていくわけです。
また、あなたの気分がいいか悪いかは、あなたがその人を「愛しているか、愛していないか」によって変わってきます。
あなたが愛していない人があなたの前に現れると、あなたの気分は悪くなり、その人を愛しはじめると、あなたはいい気分になっていきます。
いってみれば、ゴキブリが現れて気分が不快になるのも、ゴキブリのせいではなく、あなたがゴキブリを愛していないからなのです。
‥‥という、基本的な考え方を理解していただいたうえで、“許し”の話へと進みたいと思います。
あなたが「許せない」と思っている人たちがいたとしたら、そのすべてをあなたは愛していません。
そして、こう考えています。
「あんなひどいことをしたのだから、許せるわけがないし、もちろん、愛せるわけもないでしょ」。
愛の法則に則ると、「だから、愛してあげなければいけない」と心は考えます。
それに対し、エゴの法則は「だから、やつは罰を受けるべきだ」と考えます。
そして、愛の法則は“彼を愛すべき理由”を探そうとしますし、エゴの法則は“彼が罰を受けるべき理由”を探そうとします。
このとき、あなたが彼を許さないとしたら、あなたは自分のことを“罰する人”、“裁く人”であると認識します。
あなたはそんな自分を愛せず、「自分がこんなひどい人間になったのは誰のせい?」と考え、自分の外の世界に悪人を探しはじめます。
彼を罰しつづけているかぎり、あなたは自分の中にあるエゴ‥‥この場合は怒りに投資を続けます。当然、あなたの気分は最悪です。
それに対し、愛に投資するためには、これとはまったく違うものの見方をすることが必要になります。
“許し”の対象は、あなたの目の前にいる、ひどく悪いことをした人ではありません。
彼のことを「しょうがない。かわいそうなやつだと思って許してやる」と許すことが“許し”の本質ではないのです。
そうではなく、「もっと大きな愛になることを自分に許す」ことが「許し」の本質です。
いま、あなたがもっている愛の質量では、目の前の彼が許せないわけですよね。
許すためには、あなたがもっと大きな愛になる必要があるわけです。
彼を使って、あなたはより大きな愛になることができます。
あなたが自分が大きな愛になることを許さなければ、目の前の状況をも許せなくなってしまうということなのです。
(後編に続く)
では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!