怒りは「感情の蓋」と呼ばれています。 ではその蓋の下にはどんな感情が隠れているのでしょう?怒りの感情と上手に付き合えるようになりましょう。
皆さん、怒っている時もしくは、怒る時というのはどんな時でしょうか?
「あ~今日は桜も咲いて春風も吹いて、いい気分だな~、いっちょ子供でも怒りとばそうか」とか、
「最近、彼が優しいわー、少し彼に怒ってやらなくっちゃ」とかいう人を僕は見たときがありません。
機嫌がいい、気分が良いという時というよりどちらかというと機嫌が悪い、気分が悪い時に怒ってしまうことがあると思います。
怒りの表現は、たくさんあります。いくつか怒りの種類をあげてみますと、「こんなことになったのもお前が悪い」と直接相手を攻撃する怒りや、「ふーん、君はそんなことを僕にいうんだ、傷ついたよ」という受け身的な怒り、また、引きこもりというのも怒りの表現の一種です。不平不満をいう、苦しむという怒りの表現もあります。
では、具体的にどんなことで怒ってしまうかというと、例えばこんな感じではないでしょうか。
「あいつ、俺のことぜんぜん解っていない、もうあんな奴しらん。」
「課長のやつ、口ばっかり偉そうなこと言って、仕事が忙しいのにすぐ帰ってしまう。俺たちは毎日残業なのに・・・」
「彼ったら、私のこと全然見てくれない、浮気ばっかりして」
このような時に僕たちは怒ってしまうのではないでしょうか?この3つのシチュレーションの心理的メッセージをみてみるとこのようになります。
『解ってくれない』
『助けてくれない』
『愛してくれない』
というメッセージが読み取れます。解ってくれない、助けてくれない、愛してくれないと感じた時、僕たちは不満がたまったり、攻撃的になったりしてしまいます。そして怒ってしまいます。
逆に言うと『解ってほしい』、『助けてほしい』、『愛してほしい』と素直にお願いできない時、「言わなくても解るでしょう、あなた全然私の気持ちをわかってくれていない」と怒ってしまう時もいっぱいあります。
『解ってくれない』『助けてくれない』『愛してくれない』時というのは、どんな気持ちになるのでしょう?解ってほしい人に解ってもらえない、助けてほしい人に助けてもらえない、愛してほしい人に愛してもらえない、時は悲しい気持ちや寂しい気持ち、になると思いませんか?
実は、怒りという感情の下には、悲しみと、寂しさという感情が隠れているのです。
怒りという感情は、感情の蓋と言われています。怒りという感情の下に、悲しみや寂しさといった本当の感情が隠れているのです。
でも僕達は、多くこの悲しい気持ちや、寂しい気持ちを感じたくないので怒りという感情をつかって、この本当の感情に蓋をしてしまうのです。
なぜなら、悲しみという感情、寂しいという感情を感じてどうしようもなかったり、相手に気持ちを伝えて、受け入れられなかったりした時あまりに傷つくと思うので、この本当の感情を感じないように防衛してしまうのです。
しかし、怒りという感情を使って、伝えたいことをコミュニケーションをするというのはあまり効率的だとは思いません。なぜなら本当に伝えたい気持ちが隠れてしまって伝わらないことがあるからです。
また、怒りを使ってのコミニケーションをすると相手はコントロールされている感じがして嫌な気分になってしまいます。
まるで『こんなに怒っているのは、あなたのせいだから、あなたは私のニーズをみたすべきよ』と相手は感じてします。
それに怒っている時は、怒りにエネルギーを使って自分自身がヘトヘトになることもあります。
だからといって怒ってはいけないと怒りを抑えようとすると、怒りという感情はどんどん膨らんできて強くなるものです。自分が怒っているということを認めること、感じることも、怒りという感情と付き合う上で重要なことになってきます。
また私たちは、自分が怒っているということに気づかず周りの人たちを不快な気分にさせてしまうことがあります、自分がどういう時に怒っているのか、どんな怒り方をしているのだろうか、直接相手を攻撃する怒りだろうか、受け身的な怒りだろうか、引きこもりだろうか、不平不満だろうか、被害者意識だろうか、などと自分の怒り方をチェックすることで、「あ~今、私怒ってたんだ、彼に嫌な思いをさせてしまったな」というように自分が怒っていることに気づいて、怒りという感情と上手につきあうことができます。
怒ってしまって物事が上手く行かない時、しんどくなってしまった時、自分怒りの下に隠れた『解ってほしい』、『助けてほしい』、『愛してほしい』という気持ちをチェックしてみてください。
怒っている時、怒ってしまった時、本当は私の中にどんな気持ちが隠れてしまっているのだろう?どんなことを相手に伝えたいのだろうという所に怒りに飲み込まれてしんどい思いをせずに済んだり、相手に上手に気持ちを伝えるコミュニケーションをとれる秘訣があります。