◆ご機嫌力=職場への貢献
朝の出勤時、「おはようございます!」とにこやかに挨拶されたときと、
職場のドアを開ける前から言い争っているような声が聞こえたとき。
あなたはどんな気持ちになるでしょうか?
にこやかに挨拶されたときは、なんとなくいい気分になって、
言い争うような声を聴いたときには、どことなく嫌な気分になるのではないでしょうか?
このように、周りの人の言動一つでわたしたちの気持ちは変化します。
いい気分でいる人と同じ空間でいるとなんとなくいい気分になり、不愉快な人と同じ空間でいると、嫌な気分になる、というように同じ空間にいる人の気分によって、周りの人の気分も影響されるのです。
同じ量の仕事をするときに「機嫌のいい人を一人入れたチーム」と「不機嫌な人を一人入れたチーム」では機嫌のいい人が加わったチームのほうの能率が高くなった、という話を聞いたことがあります。
不機嫌な人と一緒にいる時、わたしたちの心は自分が被害を受けないですむように「警戒態勢」を作ります。不機嫌な人の様子をどこかで気にしながら仕事をするのですから、当然、仕事への集中力や作業効率は落ちてしまいます。
ご機嫌な人と仕事をするときには、わたしたちの心は攻撃される怖れを感じないうえに、なんとなく自分の機嫌もよくなって、前向きな気持ちで仕事に臨むので、結果として作業効率は上がります。
もし、自分の機嫌が上記の例のように周りの人に影響するならば、自分で自分をご機嫌にしておくだけで、職場に貢献することになりますよね。
ご機嫌力=職場への貢献
と言ってもいいかもしれません。
とはいえ、ストレスの多い現代社会ではご機嫌でいたいのにイライラさせられるということも多いものです。
◆「あたりまえ」や「常識」が生み出す不機嫌
ベテラン社員になると、
「この仕事は○○すれば能率的」
「こんなふうに段取ればうまくいく」
「○○さんへの対応のコツはコレ」というように、仕事上の知恵が増えていきます。
その結果
「こういうときには○○するのが当然だ」
「これぐらい常識だ」
「あの部長に○○な態度をとったらうまくいくはずがない」
というように「これくらいのことは常識だ」「これくらいできてあたりまえだ」と感じやすくなります。
でも、この「常識」や「あたりまえ」という意識が強くなりすぎたときは要注意!
なぜなら、「常識」や「あたりまえ」に合わない人や出来事が起こった時に不愉快な気分になったり、イライラしてしまったりしやすくなるからです。
◆自分が不機嫌になりやすい「あたりまえ」や「常識」を知る
○○するのがあたりまえだ(常識だ)から外れた人と出会っても、イライラするときもあれば、気にならないときもあります。
自分はいったいどんな場面で、どんな常識から外れる人を見たら(出会ったら)不愉快な気分になるのだろう?とチェックしてみてください。
そして、その「あたりまえ」や「常識」を次の5つに分類してみましょう。
1 自分がいつも大事に守っているもの
2 守らなければ社会や会社の中でひどい目にあうと感じているもの
3 それを守ると物事がうまくいくと感じているもの
4 過去の自分にとっては大切だったもの
5 特に守る必要はないと思うもの
分類したものを改めて眺めてみてください。
そして、こんな問いかけをしてみます。
「この常識やあたりまえは、他の人にとっても大切なものだろうか?また、他の人も必ず守らないければならないものだろうか?」
すると
他の人にとってはたいしたことではないかもしれないものや、他の人は守っても守らなくてもどちらでもいいものが出てくるかもしれません。
もし、そういったものを見つけたら、○○を他の人が守らなくても自分には関係ないし、イライラする必要もないと整理していきます。
◆人は誰でも余裕がなくなると不機嫌になる
毎日、始発で出勤、終電で帰宅。食事をとる時間もトイレに行く時間もまともに取れないくらい忙しく仕事に追われている。
そんな状態のときに、急な仕事を頼まれたり、段取りが崩れたりしたら、「ご機嫌」に対応するのは至難の業だと思います。
熱があったり、ひどい頭痛や胃痛、腰痛などを抱えているときも同様です。
わたしたちは、心や体に余裕がないとき、不機嫌になります。
負荷がかかりすぎるからです。
◆ご機嫌な自分でいるために
最近、なんだかご機嫌じゃないなと感じたら、まず、最初に「もしかしたら、自分は限界を超えて頑張っているんじゃないか?」と振り返ってみましょう。
物理的な時間や体の使い方
心理的なストレスのかかり方
そういったものを客観的に見て、負荷が高いと感じたら、リセットが必要な時。
思い切って「休息」をとりましょう。
今日の「休息」が明日の「ご機嫌」を生み出します。
ご機嫌力=職場への貢献
なのですから・・。