あなたの手の内を明かすこと
こんにちは 平です。
恋愛をしていると、二人の間になんらかの問題が起こることはしばしばあるものです。
そのとき、私たち日本人の多くが取る解決方法が、「私さえがまんしていれば、きっと状況はよくなってくるだろう」というものです。
その裏側にあるものの一つが、その問題について、直接的なコミュニケーションをとることへの苦手意識です。
さらに、その状況について、なんらかの怒りを感じているとしたら、その話を出すと自分は怒ってしまうかもしれないという不安があり、怒りたくはないがゆえにがまんをするという場合もあります。
しかしながら、あなたががまんしているうちは、相手も「うまくいっている」と理解していることが多いようです。
そのままでは、あなたの気持ちを理解してもらったり、状況が変わったりということはほとんど期待できないわけですね。
それにしても、なぜ日本人の多くは、「がまんすることで、状況が好転する」という考え方をするのでしょうか?
世界のどこに行っても、自分自身で主張することなしに、自分が感じていることや、考えていることをまわりの人に知ってもらうことなかなかできません。
ところが、単一民族であり、島国である日本では、多くの人が同じような価値観をもって暮らしています。
だから、自己表現せずとも、さまざまな共通認識の下、たがいに「察する」というコミュニケーションが発達しているわけです。
これは他の国の人にはなかなか理解できない日本独自のものといえるでしょう。これが、一つ。
もう一つは、世界のどの国の人にも共通していることですが、行動心理学では、子どもが欲しいものはたった一つ、親の愛だといわれています。
そして、子ども時代の私たちは、したい、欲しいといった欲求と要求をがまんすることで、「よく辛抱できたわね。えらかったわね」と親に承認してもらい、愛を与えられてきました。
がまんすることで、いちばん欲しいものが手に入るという学習をしてきたわけです。
このパターンは通常、思春期に崩れていきます。が、日本においては大人になってもこれを引きずっている人が少なくないために、“がまんの文化”が根づいているという側面もあるようです。
そのため、男女関係でも「まだ足りませんか? もっともっと辛抱しないと、あなたに愛してもらうことはできないのですか?」という献身と忍耐の恋愛パターンをもっている人はいまだに多く見られます。
でも、ここで一つ、考えていただきたいのです。
あなたは、自分の愛する人に、がまんを強要したいでしょうか?
この質問に対し、「ぜひ、がまんしてほしい」と答える人はまずいませんよね。
ということは、“がまんの恋”というスタイルは、どうやら間違っているといえそうです。
がまんすればするほど、私たちの心はゆとりをなくします。
想像してみてくださいね。トイレに行きたくて焦っているとき、人にやさしくしたり、親切にしたりすることはできませんよね。なぜなら、ゆとりがないからです。
また、私たちは「どんなふうにパートナーを愛してあげようか?」とはよく考えるのですが、「パートナーも同じように私のことを愛したがっている」ということにはあまり気づいていません。
「どうすればパートナーに私を愛しやすくしてあげられるのだろう?」と考えることはあまりないんですね。
愛しやすい私?
そうです。
それは、「なにをしてもらうと、私はうれしい」、「どう扱ってもらうと、私は愛されていると感じられる」など、いわばあなたの手の内を明かすということです。
が、私たち日本人はこのコミュニケーションがとても苦手です。「教えてあげたからしてくれるのでは、うれしくない。言わなくても、わかってくれなくっちゃ」と思っているからです。
そして、あなたがあまりに上手に気持ちを隠すので、パートナーにはあなたを喜ばす術がなかなかわからないということが起こりがち‥‥というわけです。
がまんばかりしていると、あなたの毎日から喜びが減っていき、あなたの顔はどんどん無表情になっていきます。
あなたから喜びが感じられないと、パートナーは「自分はうまくやっていない」と自らを責めはじめ、ときにはあなたにも攻撃が及ぶことがあります。
すべての解決方法は、「どう愛してほしいのか」を伝える勇気をもつこと。そこからスタートしてみましょう。
では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!
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