追いかける私、逃げる彼。一見、正反対の二人の心理の共通点が親密感への怖れだとしたら
恋愛や夫婦関係において、一方が好きだと追いかけて、一方がそれを受け取らないで逃げてしまうような関係性の場合。
一見すると二人は正反対のように思いますが、二人には「親密感への怖れ」という共通心理が隠れている場合があります。
どちらも心の距離が縮まって親密になるのが怖いのです。
その理由は「愛される価値がない」という誤解。ダメな自分を見せたくないし、相手に迷惑をかけたくないから距離を取るのです。
二人は同じ心理であると気づいて付き合うことで、不安は減り、お互いを理解し合うきっかけを作ることもできます。
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今、付き合っている彼との恋愛が苦しくて困っている。
言ってみれば「私が追いかけて、彼が逃げてしまう」恋愛。
私は彼に「好き」といつも口に出して言うけれど、彼からの愛情表現はない。
彼は私のことを愛してないのかと不安になるけれど、その割には一緒にいたいと思っているようだ。
彼に依存的な私自身が嫌になる。
どうしたら彼にちゃんと愛してもらえるのだろうか。
こんな恋愛、苦しいですよね。
今回は、こうした心理を「親密感の怖れ」という視点で見ていきたいと思います。
恋愛や夫婦関係において、一方が好きだと追いかけて、一方がそれを受け取らないで逃げてしまうような関係性の場合。
こんな時は、相手に依存してしまって、重いと思われたり、嫌われたりしたらどうしようという不安がつきまといます。
また、彼に自分への愛情があるのかの疑いが消えず、苦しくなってしまいます。
そして、こんな風に依存的になる自分のことが嫌になってしまう。
こんな恋愛をやめて、彼にちゃんと愛してもらうためにはどうしたらいいのでしょうか。
解決の糸口は、お互いの心理に共通点があり、それを理解することで不安を減らしていくことです。
一見すると二人は正反対のように思いますが、二人には共通の心理が隠れている場合があるのです。
実際のカウンセリングでこの話をすると、多くの場合、信じてもらえません。
まるで正反対の二人ですから、無理もありませんよね。
ですから、続けてこんなお話をします。
「もし、彼が急にあなたを追いかけ始めたとしたら、あなたは逃げたくなるのではないですか?」
彼に愛して欲しいと強く願っているわけですから、最初はピンとこない方も多いですが、
過去に友達などとの関係で、ベタベタされるような近さで接しられた時のことを思い出してもらうと、近すぎると嫌な気持ちになることに気づかれていきます。
二人の心理の共通点の代表的なものが「親密感への怖れ」です。
彼の心理はわかりやすいですよね。
追われたら逃げたくなるというのは、自分の心の中に入ってこられるのが怖いということ。
一定の距離を保ってくれないと不安になるわけです。
その理由は「自分には愛される価値がない」という無価値感、もしくは「自分はこんなに悪いやつ」という罪悪感にあります。
価値がない自分、または、悪い自分という思いは「正体を見られたくない」し、「相手に悪い影響を与えたくない」と思います。
これが誰かとの心の距離を遠ざけ、自分の心の中に誰かを入れられなくなる理由、「親密感への怖れ」という心理です。
一方で、依存的になるというのは、どんな心理なのでしょう。
私は愛されていないという不安から追いかけてしまう。
その理由は「自分には愛される価値がない」という無価値感、もしくは「自分はこんなに悪いやつ」という罪悪感にあります。
同じなんですね。
二人の心理が同じであるという視点をいつも持ちながら、彼のことを観察すると、自分の不安との共通点がたくさんあることに気がついていきます。
「私が不安なのと同じように彼も不安なんだ」
「彼と同じように私も親密感が怖いのかもしれない」
これに気づけると、不安はぐっと減ります。
次のステップとして、お互いのことを理解するという視点で、コミニュケーションを段々と取っていく、というアプローチにチャレンジしていきます。
パートナーシップの不安は、相手と自分の思いが違うのではないかという不安です。
また、相手の気持ちがわからない時に不安になります。
思いが同じなら、不安は減るし、お互いの気持ちも伝えやすくなります。
すぐには難しくても、まずは共通の思いに目を向けて、不安を減らすところから始めてみましょう。
そうして自分の気持ちも、相手の気持ちも観察していると、気持ちを伝えたり、聞いたりするタイミングを見つけることができます。
二人は同じ心理であると気づいて付き合うことで、不安は減り、お互いを理解し合うきっかけを作ること。
理解は、お互いの「愛される価値がない」という誤解を解くカギになります。
本当の気持ちをわかってあげたい、それをわかってくれる存在だ、と認識できるのは、お互いの価値を認めているからこそできること。
それが二人の心の架け橋になり、愛し愛される関係性を作っていきます。
(完)