「自分にあえて与える」という意識
こんにちは 平です。
彼女は、自分にまったく自信をもっていませんでした。
まるでクセであるかのように、人と自分を比べては、自分を卑下します。
そして、長所なら長所と、短所なら短所と比べるのが正しい比較のあり方ですが、自己嫌悪が強いタイプは、必ず自分のダメな部分と人の優れた部分を比較します。
自分を責めるために、比較を使うのです。
すると、「みんなは素晴らしいが、私はまるで醜いアヒルの子」などと感じてしまいますから、自信はさらになくなっていきます。
といっても、彼女は自分で思っているような「かわいくない女の子」ではまったくありません。
彼女のことを気に入る男性はけっこう多く、デートにもよく誘われます。
ところが、彼女は「私のことなんか、なにも知らないくせに‥‥!」などと思ってしまうんですね。
で、「私が自分のダメダメな正体を上手に隠していることに、まったく気づかないバカな男」と、近づいてくる男性を毛嫌いしてしまうのです。
これまでに男性とおつきあいをしたことがないわけではありませんが、二人の関係が親密になればなるほど、彼女の不安は募ります。
「私ばかりがどんどん好きになっていく。そのうち私は失望され、飽きられ、ふられてしまって傷つくんだろう‥‥」
いつもそんなふうに感じているので、彼がどんなに愛してくれても、その愛を疑いがちです。
そして、彼が「いいかげんにしろよ!」などと言おうものなら、「ほーら、やっぱり」とひきこもったり、すねたり‥‥。
彼女のダークストーリーである、「私を愛してくれる人なんか、結局、だれもいないんだ」というところにハマッてしまうわけです。
でも、彼女は愛されていないわけではないのです。ただ、愛を受け取ることができないんですね。
自分で自分が大嫌い。そして、嫌いな自分は変えるというより、「消し去りたい」と考えます。
美容整形でもしてまったく違う自分になりたいと考えることすらありますが、ほんとうに美容整形をしたとしても、このタイプの人はその新しい顔をすぐまた嫌いになってしまいます。
また、自分嫌いの強い人は、自分のふれている環境や家族まで嫌いになることが少なくありません。
彼女の場合も、「こうなってしまったのも、ぜんぶ家族のせい。生んでなんてほしくなかった」とおかあさんを攻撃したことがありました。
それをおとうさんに叱られ、「こんな家、大嫌い!」となり、かれこれ2年ほど実家には近寄っていません。
‥‥という彼女が彼氏に連れられて、カウンセリングを受けにみえたわけです。
私は自分を好きになるための簡単なエクササイズを紹介しました。
まず、イメージの中で、「自分が好きになる」という効能をもつ温泉に入ってもらいます。
それはとても気持ちよく、リラックスできる温泉です。
ここで、彼女には「気持ちいい」と「リラックス」をイメージしてもらいます。
自分を嫌いな人は、いつも心がイライラしています。
その中で出てくる攻撃性の感覚は体を硬くするので、それをほぐしてもらいたかったのです。
それから、彼女には「自分にあえて与える」ということをしてもらいました。
水を飲むときは、「自分においしいお水を飲ませてあげよう」と思ってから水を飲みます。
お風呂に入るときは、「自分の体をきれいに磨いてあげよう」と思いながら湯船に入ります。
眠るときは、「この体をゆっくり休ませてあげよう」と思いながらベッドに入ります。
つまり、「自分を大切に扱う」というエクササイズをしてもらったのです。
イライラしているとき、私たちは必ず自分をひどく扱います。
そんなとき、「自分にあえて与える」ことは、気分を和らげ、やさしい気持ちを作ります。
みなさんも、心がトゲトゲとしているときは、このエクササイズをちょっとしてみてください。
簡単にやさしい気分を手に入れることができますよ。
では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!
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