チームリーダーやマネージャーとしてプロジェクトを進めるときなど、チームでの協力体制が重要になってきますよね。
しかし、一言でチームといっても、いつもメンバー全員が同じようにやる気があるわけでもなく、また同じような意見を持っているとも限りません。
意見の食い違いがあるだけでなく、なんだかこの人浮いているな、と思うことがあると、どうにもその人が気になって仕方がないということがあるかもしれません。
●最初の良き理解者になる
この人浮いているな、と思うとき、目立っていていいな、と思う場合は別ですが、大抵の場合、その人に対してはネガティブな感情があるのではないでしょうか。
特に日本では人と違うことを良しとしないことが多いものです。
あなたにとって浮いて見える人というのは、あなたが個人的に苦手としているタイプということもあるかもしれませんが、
もしかしたら、今までの人生でいつも人に浮いて見られていた人、かもしれないですよね。
浮いていると言っても、本当は単に自分の意見をはっきり言っているだけという場合も往々にしてあるのですが、多くの人に受け入れ難いと思わせてしまい、その結果自分はいつも理解されない孤独な人間なのだとその人は思っているかもしれません。
そのような人がチームにいる場合、この人はちょっと違う人、と切り捨ててしまうと、チームワークの輪がそこで途切れてしまい、そこからプロジェクトの根幹とは関係のない問題がたくさん出てきてしまいメンバーの不満のもとになってしまうことも考えられます。
そうならないためには何よりもまず、あなたが最初に良き理解者になってあげるということもできますよね。
それはその人の話に耳を傾けることかもしれないし、きちんと目を見て話すだけかもしれません。あるいはその人の意見を却下しなければならないときも、真摯にその理由を説明することかもしれません。
そのようなちょっとした気遣いが、チームの中に異端児を作ってしまわずに、皆が安心して仕事に集中できる環境を整えることにつながると私は思っています。
また、チームにとって、多様な意見を取り入れることはとても大切なことですよね。
この人は敵だと思ってしまうと、その人の意見は敵のものだというフィルターがかかってしまい、多くの良い意見を聞き逃してしまったり、意味を取り違えてしまう可能性があります。そして、それはプロジェクトのゴール達成を遅らせてしまうことにつながる可能性もあるので、とてももったいないことです。
●ゴールをリマインドする
チームの中で浮いて見える人がいると、チームの和が乱れることがあり、それに気を取られているうちに、皆の進む方向が不明瞭になったり、あるいは別の方向に向かってしまうということは、よくあることです。
チームで物事を進めるときの基本ではありますが、まずチームを作ったときに目的と目標を明確にしておくのはもちろん、事あるごとにそれをメンバーにリマインドすることは軌道修正のためにとても大切なことですよね。
そして、チームワークを乱しがちな人だな、と思う人がいれば、いつでも個人的に、その目標をさりげなくその人にリマインドして、協力してくれるようお願いしましょう。
ゴールをリマインドするなんて押しつけがましく思われるのではないかと感じる方もいるかもしれませんが、メンバーにものごとを強制するのではなく、お願いするのだという意識であれば、それも軽減されるかもしれません。
●チームメンバーを感謝で繋げる
チームを乱しがちな人は、大抵いつも一匹オオカミのことが多いかもしれません。
チームワークで何かを成し遂げようという気はさらさらないように見えるかもしれません。
しかし、その人も含めてのチームなのですから、たとえゴールが達成されたとしても、全員でやった、と思えるか、あるいはその人を除いた全員でやった、と思うかには、皆の達成感に雲泥の差があると私は思っています。
全員でやった、と最終的に思えるように、チームメンバーそれぞれが行ったアクションに感謝を伝えていくのはもちろんのこと、メンバー同士がお互いにその実績を承認したり、感謝できるようにサポートしてあげるといいかもしれません。
また一匹オオカミ君がこっそり(の場合が多いのですが)皆のためにやってくれたことを、チームの皆に感謝とともに共有していくのも有効かもしれません。
そうすることで、一人ひとりがお互いに感謝の気持ちで繋がり、一体となってプロジェクトをゴールまで進める力の基礎になるのだと私は思っています。