ビジネスにおいてというよりは、社会全体に言える事ですが、昨今の世の中の変化の速度は目を見張るものがあるように思えます。
テクノロジーなどの進歩に伴い、ほんの10数年前には存在していなかった職業が沢山生まれていたりする事を、みなさんもよくご存知だと思います。
現在の小学生に「将来、なりたい職業はなんですか?」とたずねると、我々にも馴染みのある「野球選手になりたい」とか「優しいお母さんになりたい」という答えもある一方で、「アナウンサーになりたい」とか「ユーチューバーになりたい」など、一昔前ならほとんど耳にすることがなかったような回答も多く聞かれるようになっているようです。
かくいう私も、子供の頃には「カウンセラーになりたい」とは思っていませんでしたし、そんな職業の存在も知りませんでした。
みなさんの子供たちの世代、あるいはみなさん自身も、「全く聞いた事もない職業に就職、転職する可能性」は十分にあると言えるでしょう。
さて、そんな風にして新たな職業が沢山出現しているという事は、当然ながら「縮小していく職業」や「無くなっていく職業」というのも存在している事になります。
あるいは、一見すると「それほど時代の影響を受けていない」ように見える職業であっても、「お客さんが求めるもの」も変化すれば、「社会全体の流れ」などもどんどん変化をしていきますから、「変化をしないでいること」は、どんどん難しくなっていくようです。
小さな変化で済む場合は、「会社の宣伝にブログやフェイスブックなどを活用する」ぐらいの場合もあるでしょうが、これにしたって、あまり新しい技術などに興味が無い人やニガテ意識のある人にとっては、なかなかハードルが高いと感じる事もあるかと思います。
ましてや、仕事のやり方を大きく変える必要があったり、「職業そのものがなくなる可能性」まで考えなければいけないなどという事は、一昔前にはありえない事だっただけに、なかなか受け入れにくい事に感じるかと思います。
何故、こんな風な大きな変化が生まれているのか、原因は様々あるようですが、ひとつには「サービス業」と呼ばれる職業の性質にあるようです。(サービス残業、ではありません)
サービス業とは、ものすごく大きい括りとしては「サービスを提供するお仕事」という意味ですね。
接客業をはじめとする様々な職業がこれに含まれる為、年々種類も規模も増加しているようで、GDPの約7割を占めていると言われているようです。
カウンセラーという職業も、ここに含まれる事になりますね。
一方、「サービス業以外のお仕事」としては、「製造業」と言われるような、農業や生産工場のような、物を作る仕事などがあります。
歴史的に見ても、古い時代になるほど「モノを作る仕事」とか「モノを運ぶ仕事」などの割合が高かったようですが、技術の進歩などによって大量生産、大量運搬が可能になる事によって、少ない人数でできるようになるに従い、「サービスを提供するお仕事」の割合が増えてきた、という見方ができるようです。
そして、古来の「モノを作る仕事」や「モノを運ぶ仕事」において重要な事は「量」でしたが、「サービスを提供するお仕事」で重要なのは、量ではなく「質」である、という所が大きな違いのようです。
以前の社会であれば、「1日に何個のモノを作ったか」「1時間に何個のダンボールを運んだか」という事が重要で、「より多く作った人、運んだ人」が良いお給料を貰えていたのですが、現在の多くの仕事はそうではなく、「いかに質のいい仕事をしたか」という事が求められる社会になりつつある、というのが現状のようです。
困った事に、「量」はだれでも簡単に「多いか少ないか」を見分ける事ができますが、「質」は判断が難しいのが特徴です。
ある人にとっては良かったものが、別の人にとってはそうでもなかったり、ある地域では売れた商品が別の場所では全く売れなかったりと、「相手が何を求めているか」「社会が何を求めているか」によって変化するものなので、「質のいい仕事」というのは、周囲の状況の変化やお客さんの反応などに敏感でないと、なかなか判断が難しい事のようです。
そんな、「どうすればうまくいくか」の答えが常に変化していく「サービス業」がどんどん増えている今の世の中ですから、「ほんの10数年前に教わった事、勉強した事が、今はもう通用しない」という事も珍しくなくなってきているようです。
「なんだか難しい世の中になってきたなぁ」「昔はこうじゃなかったのにな」と嘆く声が聞こえてきたとしても、無理はないかと思います。
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しかしながら、全てのビジネスマンのみなさん、特に変化がニガテな人やご年配の方に言いたい事は、「変化が大きいという事は、チャンスも多い」という事です。
「変化しないでいる事」はどんどん難しくなりますが、逆に、「ちょっと変えてみようかな」とさえ思えれば、いくらでもやり方を変えたりラクになっていく事もできる社会になりつつあるという事でもあります。
今みなさんが、「どうにもうまくいかないな」「どんどん苦しくなってきているな」と感じたら、それは変化のタイミングかも知れません。
子供の頃に思っていた「将来、こんな風になりたい」「自分はこんな風に生きていくはずだ」という予想とは、いくらか違った人生になるかも知れませんが、「より楽しい人生」を選んでいく為に、時代に合わせた柔軟な変化をしてみて欲しいと思います。