罪悪感は、私達の人生に様々な悪影響を及ぼしますが、全くのゼロにすることは、難しいでしょうし、あってあたりまえの感情でもあります。
罪悪感を失くしてしまうのではなく、その対応方法が問題になってくるのかもしれませんね。
社会生活を営んでいくうえで、罪悪感は態度を改め、謙虚な姿勢をもつのに必要なものです。ですが、罪悪感をもったならば、それをどう使うか?が大切なのです。
また、必要のない罪悪感をもってしまうこともあります。そんな時は、その罪悪感は手放していく努力が必要となってきます。
あって当たり前の感情である罪悪感。うまくつきあっていく必要がありますね。
◎リクエストを頂きました◎
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罪悪感についての疑問なのですが、カウンセラーさんたちはよく「罪悪感は要らない」とか「罪悪感は手放せるだけ手放していい」とおっしゃいますが、罪悪感が無くなってしまったら善悪の判断がつかなくなるのではないかと不安です。
罪悪感が必要以上に自分を責めたり相手との壁を作るなどのさまざまな問題を作り出すことは理解できました。しかし罪悪感が無いと悪意がなかったとしても他人を傷つけた時に「申し訳ないことをした」と感じられなくなり謝ることもしなくなりませんか?罪悪感を手放すと言っても程度の問題なのでしょうか?よろしければ教えてください。
(一部、頂いた内容を編集させていただきました)
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リクエストありがとうございます。
今回、担当させていただく大門昌代です。どうぞ、よろしくお願いします。
一つの考え方なのですが、「必要のない感情はない」という考え方があります。
そう考えてみると、罪悪感も感情ですから、やはり必要なものとなります。
何のために必要なのか?なのですが、これもまた一つの考え方だと捉えていただければありがたのですが、人間である以上完璧ではありませんので、間違いや失敗を犯してしまうことがあります。
そんな時に、まったく罪悪感というものがなければ、「ごめんなさい」と謝罪することができませんし、その言動を改めるということもできません。
ですから、罪悪感が全く必要がないということではないと、私は理解しております。
人間である以上、あって当たり前の感情が罪悪感ですから、罪悪感を全く感じなくなるということは、難しいのではないかと思いますし、間違いや失敗をしてしまったときに、謝罪や反省しなくなるのは、社会生活を営むうえで、様々な問題を引き起こすこととなるかとも思います。
罪悪感をもたないようにするということが大切なのではなく、その対応の仕方が問題なのです。
「悪いことをした」と感じたとき、私達がよくやってしまう態度は、自分を責めること。
そして自分を責めすぎたときに、周りの人を責めるということをしてしまいます。
そのために様々な問題を作り出してしまうのです。
罪悪感をもったならば、自分を責めて罰を与えるのではなく、その言動を修正することが大切なのです。
謙虚さというものが必要になってきます。
「自分の今の力の限界」や「自分の知識が足りなかったこと」「自分の間違い」などを、受け入れる謙虚な態度と、それを修正していこうとする意欲が必要です。
ところが、自分を責めすぎてしまっていると、謙虚に受け止めることができなくなります。
ですから当然、自分が罪悪感をもつこととなってしまったことに対して、態度を改めることができません。
ですから、罪悪感をゼロにするというのではなく、罪悪感をもつようなことをしてしまったときは、その対応姿勢を改めるということが、求められるのかもしれませんね。
後は、もたなくてもいい罪悪感をもってしまう場合でしょうか。
何か間違いや失敗をしてしまったのであれば、そのことを謙虚に受け止め、謝罪し反省も必要です。もちろん態度を改めるということも必要です。
ですが、持たなくてもいいような罪悪感を、もっていることがあります。
例えばですが、両親は男の子が欲しかったのに、私は女の子として生まれてきたということに、罪悪感をもっていることもあります。
こういった場合は、謝罪し修正することが必要なのではなく、「自分には罪はない」ということを、受け入れていく必要があります。
こういった自分には全く罪がない状況のとき、そのことに対する罪悪感は手放していくことが必要になりますね。
また、なにか間違いや失敗をしてしまって感じる罪悪感よりも、実のところ私たちが一番多くもっている罪悪感は、「やるべきことをやっていない」という罪悪感です。
こういった罪悪感の場合は、そのやるべきことは、本当にやるべきことなのか?ということを見つめなおしていくことも必要ですし、「やりたいことだし、やれるのにやらなかった」のだとしたら、そのことが今後できるように、やはり態度を改めることが必要になりますね。
私達は、悪意がなくても、間違いや失敗を犯してしまいます。
そんなときに感じる罪悪感をなくしてしまうことは、難しいでしょうし、そういった罪悪感がなければ、謙虚さや人への思いやりの心も少なくなってしまうでしょうから、例え罪悪感という感じたくない感情であったとしても、罪悪感も必要なものなのだと思います。
ですが、それはやはり感じる「程度」というものがあるのかもしれませんね。
必要以上に感じて、更なる問題を起こすのではなく、感じるべき罪悪感をちゃんと受け止め、態度を改めていくことが私達を成長させてくれることにつながっていきます。
(完)