判断は、心の防衛手段の一つ
私たちは、それぞれ価値観というものを持っています。
その価値観に照らし合わせて、様々な人や状況を判断してしまうのですが、判断することが多くなってしまうと、周りの人とトラブルに発展することもあります。判断していることに気付くだけでも、周りの人との摩擦を減らしていくことも可能になってくるものです。
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「物事を判断する」などのように、見極めるという意味合いと言うよりも、カウンセリングなどで用いられる判断は、「決めつけ」という意味合いで使われることが、多いですね。
例えば、「男性はすぐに怒る」「女性は意地悪だ」「○○さんは頑固だ」などのように、誰かを、こういう人だと決めつけてしまうことであったり、「普通」という自分にとっての常識で、ものごとを決めつけてしまうことなどです。
判断していると、色々な問題が出てきます。
「男性はすぐに怒る」と判断していたとしたら、男性の怒るところにばかり目がいってしまいます。
人間は意識を向けたところが、増大して感じてしまうものですから、男性が怒るということばかりが気になり、男性の優しい部分に気付かなくなります。
そうすると、判断している人の世界では、すぐに怒る人ばかりという現実が手に入ります。
本当は、優しい男性もいるのだけれど、判断しているので、優しい部分に気付けないのです。
また、誰かと話をしていて、自分の常識というもので、人を判断してしまうことがあります。
「普通、そんなふうには考えないんじゃないの?」と言う感じですね。
そうすると、「普通じゃない」と言われた人は、気分がよくありませんよね。
判断していると、自分の世界が狭くなってしまいます。
自分が決めつけた世界の中で生きるということです。
そうすると、決めつけた以外のことは、その人の世界では起こりえませんから、(本当は起こっているのですが、気付かない)変化のないつまらない世界になってしまうのです。
「男性はすぐに怒る」ともしも思っているのならば、判断を少しゆるめて、「男性の優しい部分も見てみよう」と意識するのもいいかもしれませんね。
「普通はそうじゃないでしょ?」と思うことがあったとしたら、「あらっ、そんな考え方もあるのね」とありのまま受け入れてみるようにしてみると、いいかもしれませんね。
そうすることで、あなたの世界を広げていくことができます。
判断は、心の防衛手段の一つでもあります。
最初に決めつけておくことで、心が傷つかないようにしています。
「男性はすぐに怒る」と判断しておけば、男性が怒ったとしても、「ほらね、やっぱりね」と思うだけで、大きく傷付くことはありませんし、怒るであろう男性に近づかないようにしておくこともできます。
防衛手段として判断しているときは、やはり心のどこかに傷ついた部分があるのかもしれませんね。
また判断は、あなたの中の常識、当たり前になっている価値観を教えてくれます。
あなたにとっては、あたりまえであっても、他の人にとっては、あたりまえでないこともあります。
反対に別の人にとっては、あたりまえであっても、あなたにとっては、あたりまえでないこともあります。
世の中には、色々な人がいて、色々な価値観があり、色々な考え方があるのだと、気付くチャンスにもなりますね。