同じことをしているのに、怒られる人と怒られない人の違いはなにか
同じことをしているのに、怒られる人と怒られない人がいます。その違いは何なのでしょう。それは怒られる側に「自分は怒られて然るべき」という心理が潜んでいることが挙げられます。どうして、そのように感じてしまうのか、きちんと見つめ、自分の気持ちにすなおになることで、自己肯定感が高まります。
すると、周りにも大切にされるでしょう。
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●なぜ、怒られやすいのか
同じことをしているのに、怒られる人と怒られない人がいます。
周りから見ても、「なぜ、あの人だけ怒られるのだろう?」と疑問に感じるでしょう。
では、なぜ、怒られるのでしょうか?
怒られやすい人の心理を、いくつか挙げてみます。
1 自分を責めている
こちらは、心理学の基礎的な考え方と言ってもいいでしょう。
・自分がやるべきことをしていない
その思いがあるとき、私たちは自分を責めます。
「どうして、仕事や家事をサボってしまうのだろう」
「私はいつも、考え過ぎて何もできない。中途半端だ」
「せっかく、第一希望の大学に進学できたのに勉強に熱が入らない」
・自分を嫌っている
自己嫌悪がつよいときも、私たちは自分を責めます。
「どうして、カレ(カノジョ)を大切にできないのだろう」
「また、子どもに優しくできなかった」
「自分には能力がない」
そのような時も、私たちは自責の念に駆られます。
(1)罪悪感、自己嫌悪でいっぱい
(2)自分は罰を受けるべき存在なのだと思ってしまう
(3)怒られやすい言動に走る
(4)怒られる
そのようなプロセスを辿るのです。
そして、卑屈になり、素直なコミュニケーションができない。
もしくは、自分を守ることに精一杯で、言い訳がましくなる人もいます。
でも、仮にそうなったとしても、仕方がないと思いませんか?
私たちは絶えず、攻撃され続ければ、そのような状態になると思うのです。
2 怒られることで、生きていると実感できる
次は、少し異なった尺度から見てみましょう。
「ここ数年、退屈で楽しいことがない」
「最近、目標もなく、張り合いがない」
「惰性で生きている」
そのような時、私たちはその思いを払拭したくなります。
そして「刺激を与えよう」とするのです。
例えば、あなたが昼下がりに縁側(昭和ですね^^)でうたた寝をしていたとしましょう。
そして、こう言われたらどうでしょう。
「あと、30年、ずっと、そこでうたた寝してていいよ」
「その方があなたもストレスが溜まらず、ラクでしょ」って。
確かにラクかもしれませんが、30年もそのような生活をしていたら、人と交流する機会も持てず、楽しいことや嬉しいことも減るでしょう。
心が動かなくなるのです。
平穏な暮らしを多くの人が望んでいます。
でも、あまりにも平坦な日々だと、刺激がなく「生きている感じがしない」のです。
だから、怒られることで、ココロに刺激を与える
私達のココロは、ほんとに不思議ですね。
でも、つねると痛みを感じ、生きていると実感できませんか?
それと同じです。
怒られ、心に痛みを感じることで、「自分はまだ生きているんだ」と思えるのです。
もしも、あなたが怒られやすい人なら、まず最初にご自身の気持ちを見つめてみましょう。
信じられないかもしれませんが「怒られる状況を自分が選んでいる」のかもしれないのです。
必要以上に相手に遜って(へりくだって)いませんか?
人に気を使いすぎて、利用されていませんか?
もしも、心当たりがあるなら、少しずつ変えていけばいいのです。
●自分を大切にする=「自分を好きになること」
それには、まず、自分を好きになりましょう。
大好きにならなくてもいいです。
「まあ、自分っていい奴だよな」
「私って、ダメなところもあるけど、良いところもあるよね」
「オレって、結構イケてるじゃん」
「僕は、不器用だけど、いつも一生懸命頑張っているな」
そう思えたら、怒られる機会は減るでしょう。
・小さな好きの積み重ね
そのためには、あなたが今、行いたいことをしてみましょう。
大それたことでなくて結構です。
あなたの「小さな好き」を体験しましょう。
あなたの好きなものに、触れましょう。
あなたの好きな人と、関わってみましょう。
あなたの好きなものを食べ、飲み、聞きたい音楽を聴きましょう。
あなたがあなたの気持ちにすなおになるのです。
すると、自尊心が高まります。
●怒られているのではなく、期待されていると前向きに捉える
そして、異なる視点から物事を見てみるのも大切です。
ネガティブに捉えるのではなく「自分は期待をされているんだ」と考えてみましょう。
仕事でも、未熟なうちは注意されることも多いでしょう。
でも、それは相手が「あなたに習得してもらいたい、何かを伝えたい」という表れでもあります。
怒るのは良くないですが、それだけ思いがつよいのかもしれません。
情熱をもってあなたに接してくれているのかもしれません。
もしも、そのように捉えられれば、あなたの中に「前向きに努力する活力」が湧いてくるでしょう。
努力を重ねることで、あなたの心も仕事の技術も成熟し、怒られなくなるでしょう。
●怒る人の過去の亡霊を相手にしない
すべてをあなたひとりで背負わなくていいのです。
あなたが相手の言葉を聞き入れ、きちんと習得し、自分自身が成長した。
それなのに、まだ相手が怒っているなら、それは相手の問題です。
相手の過去の癒されない感情が、あなたを通して相手のココロを揺さぶるのでしょう。
その過去の亡霊(問題やトラウマ)をあなたがすべて引き受ける必要はないのです。
そのようなときは...
「そのような言い方をしなくても、私は理解できます」
「そのような行動はやめてほしい」
そう、はっきりと伝えましょう。
あなたが毅然な態度を示したとき、相手はハッと我に返り、あなたに申し訳ない態度を取っていたと気付くでしょう。
そうなるには、あなたがあなたを大切にし、好きになるのが先決です。
だから、けっしてご自身を責めたり、怒ったりしないであげてくださいね。
(完)