映画やドラマを使って、失恋・別れに意味と学び見つける視点
映画・ドラマなど物語の中には、心理的にみて、円滑な人間関係やパートナーシップを築いていくヒントがたくさん隠されています。
今回は映画やドラマを使って、失恋・別れを悲しい出来事とだけとらえず、そこに意味、学びを見つけて自分の成長のチャンスとしていく視点についてお伝えしていきます。
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映画、ドラマなど、私たちは様々な物語を観る機会があります。
映画などを、大好きだ!と観ていることも、何となく観ていることもあると思いますが、こうした物語の中には、心理的にみて、円滑な人間関係やパートナーシップを築いていくヒントがたくさん隠されています。
今回の記事では、その中でも失恋・別れについて取り上げ、映画やドラマを使って、失恋・別れを悲しい出来事とだけとらえず、そこに意味、学びを見つけて自分の成長のチャンスとしていく視点についてお伝えしていきます。
◇別れた直後のケースは、まず感情を吐き出すことに使う
失恋や別れの時は、悲しみ、苦しみ、寂しさ、怒りなどの感情で心が一杯一杯になっています。
心の中に余裕がないと、どんな方法も使っていくことができませんし、次に進んでいく意欲もわいてきません。
まずは、胸にためこんでいる気持ちを外に吐き出していく必要があります。
今の感情を素直に感じるのは、なかなか難しいものですが
「泣きたい時は泣けばいい」
と素直に思ってみましょう。
そして、泣くために映画やドラマを使ってみましょう。
私はカウンセリングで失恋のご相談を受けた時には、思い切り泣くことをオススメしています。
溜まっている気持ちを吐き出せて楽になれます。
誰かに話を聴いてもらうというのも有効な方法ですが、泣ける映画やドラマを観るのも方法の一つなのです。
涙には「カタルシス効果(浄化作用)」があると言われます。
泣くことによって、辛い気持ちを浄化していく効果があるんですね。
ベタに失恋映画で泣いてもいいし、感動できるドラマを見てもいい。
大切なポイントは、今の自分の気持ちに合った内容の映画を探して観ることです。
今は、インターネットなどで映画のレビューから内容の概要がわかりますから、そうした情報を使いながら探してみてください。
今のあなたの気持ちにぴったりの恋愛映画や、感動できるドラマを観て、思い切り泣きましょう。
映画、ドラマにはそんな使い方もあります。
◇別れについての自分と相手の気持ちを知るのに使う
失恋を題材にした映画を観た場合。
映画は架空の状況が設定されているわけですが、そこには登場人物の心情が描かれています。
その登場人物の心の動きや状況を、自分の失恋に置き換えて考えることで、別れた彼(彼女)の気持ちや、自分の気持ちを知るのに使っていくことができます。
例えば、彼に冷たく振られて悲しみに暮れている登場人物が、その後、新しい出会いがあって、その人と恋人になっていく物語を観ていたとします。
「もし元彼との失恋がなければ、この人と出会えなかった。そう思うと元彼にも感謝できるかも。」
そんなセリフが映画の中で出てきたら、それはもしかしたら、自分にも当てはまるのかもしれない、と思ってみる。
また、相手の気持ちを推測するのにも使えます。
恋人に冷たい仕打ちをして別れたことに、悲しんでいた主人公。
最初は恨みつらみで一杯だったのに、実は、遠く離れた実家に住む彼の両親が急に倒れて、実家に帰らなければならない事情があったことがわかり、真意を確かめるために、彼の実家に訪ねて行ったら、
「本当は好きなのに、田舎に帰ることで、君を縛りたくなかった」
との彼の台詞に、
「本当のことを言わない方が傷つくわよ!」と怒る主人公。
みたいな物語を観た時。
もしかしたら、彼には彼の事情があったのかもしれない。映画のようにはいかないけれど、何か理由があってのことだとしたら、それを理解してみよう、と実際の彼の気持ちに思いをはせることもできます。
理解は許しにつながります。相手を許せると自分の心を自由にでき、この自由な心を持つことが次の恋愛につながっていった、という方もたくさんみえます。
映画やドラマなどの物語は架空の出来事ですが、登場人物の気持ちや状況を自分に置き換えることで、実際の自分の恋愛についての自分や相手の気持ちや状況を広く深く思いやることもできるのです。
◇悲しい出来事とだけとらえず、そこに意味、学び、成長のチャンスをみる
別の言い方をすれば、これは、映画やドラマなどの物語を使って、
「失恋を、悲しい出来事とだけとらえず、そこに意味、学び、成長のチャンスをみる」
ということです。
映画やドラマの物語には、悲しい出来事があっても、そこに意味を、学びを見つけて、成長していくストーリーが展開されることが多いですよね。
自分に起こった悲しい出来事を学びにしていくのは、なかなかに大変なことです。
それを、物語の登場人物をモデルにして、勇気をもらってみる。
あるいは、悪人だと思っていた人にも事情があった、という物語から、自分を振った相手にも事情があったのかもしれない、と理解してみようと思う。
物語は架空のものです。
しかし、それを現実の自分に役に立つように解釈し直すことで、生きた学びにしていくこともできるのです。
映画やドラマなどの物語をこうした見方で役立てるやり方。是非、お試しください。
(完)