愛していないのは誰?
恋愛では“彼が愛してくれないと思っているとき、じつは愛していないのは自分のほうかもしれない”という投影がとてもよく起こります。投影の法則によると“彼を愛していない自分の気持ちが映し出されているからそう見える”と読み解くことも出来るのです。
投影という見方を取り入れて、彼のあなたを愛したい気持ちを感じられるようになりましょう。
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みなさん、こんにちは。
本日の講座は大野愛子が担当します。
投影の法則とは?
皆さんは「投影」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
投影というのは、「自分の考えていることや感じていることを外側の世界に映し出して見ている」という考え方です。
わかりやすくいうと、「自分が見ている世界はすべて自分が作り出している」ともいえますし、「自分が見たいように見ている」ともいえるのです。
当然のことながら、考えていることや感じていることは人によって異なり、自分のなかでも日によって時間によって異なります。
たとえば、あなたに恋人ができた日に眺める青い空は、まるで自分のことを祝福して微笑みかけているような感動的な空に見えるかもしれません。
しかし一方で、あなたが恋人と別れた日に眺める青い空は、まるでこの世界に自分がひとりぼっちで今にも泣き出しそうな悲しい空に見えるかもしれません。
同じ青い空であっても、自分がなにを感じているかによってその見え方はまったく異なるということです。
投影は、外に映し出されている世界を通して「自分の心のなか」を知ることができる行為なのです。
投影は自分の心のなかが映し出される
自分の心のなかが映し出されているのですから「私がこう思うのだから、相手もそう思うだろう」というネガティブな思い込みが投影されていることがあります。
恋愛では、“彼が愛してくれないと思っているとき、じつは愛していないのは私のほうかもしれない”という投影がとてもよく起こります。
たとえば、彼女には付き合って半年の恋人がいるのですが、彼はとても明るくて人気者です。「なぜこんなにステキな人が私のことを好きになってくれたんだろう?」とずっと不思議に思っていました。
あるとき、思いきって聞いてみたのです。「ねぇ、なんで私なんかと付き合おうと思ったの?」と。すると、彼は「え?なんでそんなことを聞くの?」と驚いたような顔をして答えました。
その彼を見て「ああ、やっぱり。私のことはたいして好きじゃないんだわ」と思うようになりました。「だって、キミが一番好きだからだよ」っていってくれなかったもの。
それから数ヶ月後、ついに彼女は「私なんかと付き合うよりも、もっとステキな女性と付き合うほうがいいわよ」と別れを切り出すようになったのです。
さて、ここでちょっと皆さんも想像してほしいのですが、彼があなたのことを愛していないと思うとき、あなたは彼のことが好きでしょうか?それでも好きではないでしょうか?
多分、あなたはそんな彼のことがあまり好きではありませんよね。すると、彼があなたのことを愛していないと感じた瞬間に、あなたは彼を愛することをやめたくなってしまうのです。
すると、あなたが彼のことを愛していないのに、彼のことを愛していない自分が愛されるわけがないと感じるようになっていくのです。
つまり愛していないのはあなた。愛していない自分を彼に映し出しているので、彼が自分を愛していないように見えてしまうのです。
投影は“合わせ鏡の法則”といわれています。
愛されると感じるためには?
「自分が愛していないから愛されていないと感じるんだ」と聞いて、どんな感じがするでしょうか?
多くの人は「自分にはそんなつもりはない」と戸惑いを感じてしまうことでしょう。
私たちは、誰かを愛していないという状態をとても嫌い、できるだけその自分にふれないようにするところがあります。愛していない自分を感じるととても嫌な気分になるからです。
人は愛されるよりも愛したい生き物です。ですから、一番愛したい人をうまく愛せなかったときにひどく傷ついて自信をなくしていきます。あの彼女もそうだったように。
彼が「え?なんでそんなことを聞くの?」と驚いた顔をしたのは、彼女のことを愛していることに喜びを感じていたからこその戸惑いだったのかもしれません。
誰かをうまく愛せなかったときに自信をなくしていくということは、裏を返せばそれだけ「誰かを愛したい」という思いがあるということです。
私たちは、自分が愛されているという感覚もとても嬉しいものですが、それ以上の幸せは自分が誰かを愛している時に訪れるのです。愛している時にはとてもいい気分になれるからです。
「私は愛されている」と感じられるようになるために一番大切なことは、あなたのもつ「誰かを愛したい」という気持ちを満たしてあげることです。
すると、彼のあなたを愛したいという気持ちを感じることができるようになるでしょう。
このように、投影という見方を取り入れることは自分の心の理解にとても役立ちますので、ぜひチャレンジしてみてください。
(完)