あなたが愛せない自分の嫌いな部分をパートナーに愛してもらうためにある
こんにちは 平です。
彼女は地方出身で、東京に出てきてまだ1年も経っていません。
都会に住む人々は、男性も女性もすべてセンスがよく、カッコよく、自分とは人種が違うようにさえ感じられます。
また、見るもの聞くものすべてが新鮮で、東京に酔っているかのような状況でした。
そんなとき、会社の友人の友人で、やはり地方から出てきて、ぜんぜん都会になじめないという男性と知り合いになりました。
たがいに都会に対してコンプレックスをもっているので、二人はとても話が合いました。
が、いろいろな話をするうちに、二人は不思議なことに気づきます。
彼女から見ると、この彼は十分に都会的なセンスをもった男性に見えるのです。
一方、彼から見ても、彼女は都会コンプレックスをもっているとは思えないセンスのよい女性に思えるわけです。
それもそのはず、それぞれ、雑誌などでファッションのお勉強をし、ダサいと思われないようにと一生懸命がんばっていたのです。
そして、そんな二人には、都会の人たちは自分たちのような努力をしなくても、自然とやることなすことのすべてのセンスがいいと見えていました。
その後も、「自分たちはがんばって背伸びをしている」という話で盛り上がっていた二人ですが、だんだんこんなふうに思うようになりました。
「ひょっとして、まわりのみんなも私たちと同じなのかも‥‥?」
考えてみれば、自分たちのまわりにいる友人や同僚も、その多くが地方出身者で、東京が地元だという人は2割もいないようでした。
そんな目でまわりを見てみると、ほとんどの人が自分たちと似たようなことをしていることがわかってきました。
そのときから、二人は背伸びをしなくてもいい、もっとラクに過ごしていいんだということに気がつき、その思いが一致したところで、二人はつきあうこととなったのです。
ただ、頭ではわかっていても、「彼に好意的な目で見てもらいたい」、「彼女にセンスのいい男だと思われたい」などと思いますから、自分の自信のない部分で無理をしてしまいがちです。
もちろん、大なり小なり、だれだってこんな思いはもってはいますよね。
この思いを作るのは、「自分のすべてを知られると、きっと人から嫌われるだろう」という考え方です。
自分の悪いところを隠したい、矯正したいという思いが出てくるわけですね。
たしかに、彼女はすっぴんの自分を彼に見られることにはものすごく抵抗がありましたし、彼はお腹がちょっと出はじめたのを気にして、スポーツジムでも行こうかと思っていました。
が、それぞれが自分を隠すのではなく、それをコミュニケーションするということを始めたのです。
すると、自分が気にしていることを、意外にも相手はどうでもいと思っていたことに気づかされたのです。
ま、気づいたとして、すぐには平気になるわけではありませんが、気づいただけでも心はラクになりますよね。
このカップルに限らず、私たちはだれもが「自分が受け入れていない自分の嫌いな部分」は人にもきっと嫌われると判断します。
しかしながら、パートナーシップというものは、あなたが愛せない自分の嫌いな部分をパートナーに愛してもらうためにあるといっても過言ではありません。
そう、あなたが許せない自分、あなたが愛せない自分を愛してもらうから、その人があなたにとって特別な人になるのです。
では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!