対等であることがなによりも大切
こんにちは 平です。
私たちは10代で反抗期と呼ばれる時期を迎えます。
そのとき、どのように上手に親を手放していくかが、その後の人生を決めるといわれています。
親には、子どもが思春期となるころまでは、できるだけ親密にふれあい、愛していくということが求められます。
しかし、やがて、子どもたちは成長し、「自分でどう生きていくか」というプロセスにさしかかります。
そのプロセスでいちばん大きな障害となるのが“なんでもしてくれる親”の存在です。
なんでもしてくれるわけですから、ついつい頼ってしまうと、自立の必要がなくなってしまうわけです。
つまり、反抗期というのは、人間が自立するためにとても大事な心理プロセスだということを認識しなくてはいけません。
動物の世界では、親は幼い子どもを徹底的に愛し、守っていきます。
しかし、子どものおしりから大人になってきた印であるフェロモンのにおいがしはじめると、親は子どもを半殺しの目に遭わせ、自分に近づけようとはしなくなります。
子どもは親に殺されたくないので、仕方なくひとり立ちを始めます。
一方、当然のことながら、人間の親は子どもを半殺しの目に遭わせることはありません。
そのため、思春期になると、逆に子どものほうが親を嫌うことで、親子の距離を確保していこうとするわけです。
つまり、反抗期とは、子どもが大人になるために、親と距離をとろうとしている時期といえるわけです。
親が「なぜ嫌う? 話し合おうじゃないか」などと近づいていけばいくほど、かわいそうに、子どもはもっと親を嫌わなければならなくなります。
したがって、子どもが離れていこうとするとき、いかに信頼し、手放すことができるかが、親としては非常に大事なことといえます。
また、投影という観点からみても、この反抗期のプロセスがスムーズに進むことはとても大事です。
子どもの立場でいえば、これはいままで大好きだった親を嫌うという心理プロセスであり、そこで感じることは親以外の相手にも投影します。
「自分が大好きな人は、いま、自分がしているように、自分のことを嫌うだろう」という恐れをもつわけです。
みなさんが好きな人に告白しようとするときに必ずやってくる、「ふられたらどうしよう」、「嫌われたらどうしよう」という不安や恐れがまさにこの投影です。
そして、反抗期のプロセスを終えるということは、子どもというポジションにいたあなたが大人になるということです。
それによって、親子関係は大人同士という関係へと移行します。
また、反抗期にあなたの中に芽生えた、親を嫌わなければならないという罪悪感や、そこから出てくる投影も、大人になることで解決していきます。
また、親と子という関係においては、自分は愛してもらう側、親は愛する側という立場に立っています。
その関係であるうちは、すべての不満や問題は、「愛をくれるべき親たちが自分を十二分に愛してくれなかったからだ」と考えてしまいがちです。
これは、パートナーシップにおいても同じで、依存的な立場にいると、「相手が自分を愛するべき」と考えてしまいがちです。
しかし、一人の自立した大人であれば、パートナーシップにおいても、おたがいに支えあい、愛しあうという、対等な関係を作るべきだという自覚をもつことが大切です。
子ども時代のあなたは、愛してくれる親のことを過大評価していました。そして、自分には“こんなに素晴らしい親”を愛することはできないと思い、依存の側にいたわけです。
その思いは、パートナーに対しても抱いてしまいがちですが、あなたがパートナーの愛を求めるのと同じように、パートナーもあなたの愛を求めています。
だからこそ、対等であることがなによりも大切なのです。
では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!