自分嫌いは、だれかを愛したり、励ましたりすることで、改善していくことができる
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こんにちは 平です。
彼女は自分の容姿が大嫌い。
だから、いつも美容整形のことばかり考えていました。
その彼女に私どものカウンセリングを受けるようにとすすめたのはご両親でした。
わが子というひいき目を差し引いて客観的に見ても、うちの娘はべつにかわいくないタイプということでもないと思われたんですね。
それで、なんとか美容整形をあきらめてくれるようにと、私どもで相談することをすすめられたのです。
私どもカウンセラーは、美容整形を否定する立場にはありません。
しかし、美容整形を受けたいと考えているクライアントの中の一定のタイプのみなさんに、必ずお伝えしていることがあります。
「どれだけ美容整形を繰り返しても、満足がいくことはけっしてありませんよ」ということです。
それはどのようなタイプかといえば、「自分のことが大嫌い」と思い込んでいる人たちです。
このタイプの人たちは、どんな自分になっても自分のことが大嫌いになってしまいます。
したがって、自分がどのように変わったとしても、その自分を愛のまなざしで見てあげることができないのです。
美容整形によって、大嫌いだった部分が変化するとしばらくの間は安堵しますが、すぐにまた別の部分が気になるようになって、自分の魅力がまったく見えなくなってしまうのです。
どんな人にもコンプレックスはあるものです。
それが美容整形によってなくなって、自分の美しさを感じたり、自分に胸を張ったりすることができるようになるのであれば、非常に効果がありますよね。
つまり、自分のことが好きになれたわけですから。
しかしながら、自分のことが大嫌いという思いがあると、美容整形をしてもなにをしても、自分の美しさを認めてあげることができないのです。
そして、恋愛においても、彼女のことを本気で好きになってくれる人が現れたとしても、信じることができません。
「なんで、こんな私が好きなわけ?」と疑いばかりが涌いてくるので、ついつい彼を試してしまいます。
彼にしてみれば、彼女は愛されにくい態度ばかりとっているわけです。
その結果、彼からも嫌われてしまい、「ほーら、やっぱり。だれも私を愛してくれない」と変な安心感を彼女は感じたりするわけです。
自分が大嫌い。なにをしても自分のことがよく思えない。
そんな彼女にとって、美容整形よりも何よりも必要なことは、自分嫌いを治すということです。
ちなみに、自分のよいところを認められない、自分をほめてあげることができないという心理の裏側には、「過去、いちばんほめてもらいたい人からほめてもらえなかった」という恨みつらみのようなものがある場合が多いようです。
もちろん、ご本人はほとんどの場合、そのことに気づいておらず、ほめてもらえなかったということにカンシャクを起こしているような状態です。
「もう、けっこうです! ほめてなんかもらう必要はありません! どうせ、私は最低ですよ!」
こんなふうに、誰からの愛も承認も拒絶するほどのカンシャクがそこにはあります。
さらに、このパターンを作るものの一つに“依存性”があります。
「私は愛してもらう子どもである。愛してくれるべきは親であり、私ではない」という、子どものころのままの考え方です。
心の法則は、物理的な法則とは真逆です。
愛は与えなければ増えることがありません。
私たちは自分から与えることによってのみ、自分に自信をもつことができます。
つまり、愛をただもらってばかりいると、いつまでも自分に自信をもつことができないのです。
自分嫌いは、本来はだれかを愛したり、励ましたりすることで、結果的に改善していくことができるものです。
ところが、「こんな私に愛されて、誰がうれしい? こんな最低な私に‥‥」という思いは、人を愛することを止めてしまいます。
自ら愛を止めたことで、彼女は愛の欠乏状態に陥ります。
そして、「誰のことも愛さない私を誰が愛してくれるのか?」という悪循環にハマり、自分をさらに嫌っていってしまうのです。
自分を好きになる方法 ── それは、あなた以外のだれかやなにかを好きになることです。
それができた度合いだけ、その愛があなたのこともいやしてくれるようです。
では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!