あなたがほしいものを、あなたから先に与えましょう。
承認欲求のつよい人はどのような気持ちを抱えているのでしょうか。その心の中は「不安、自信のなさ、やるせない気持ち、怒り」など、様々なネガティブな感情が隠れているようです。
そのネガティブな感情を周りから承認されることで消し去ろうとします。しかし、常に周りが主体なので、なかなか不安は拭いきれず、もがくのです。
今回の心理学講座では、そのような時にどのように考え、行動すればいいかを解説させて頂きます。
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●承認欲求とは?
あなたの周りにも承認欲求のつよい人がいませんか?
「承認欲求」とは・・・
- 他者から認められたい
- 自分自身をもっと承認したい
そのような欲求のことです。
- 「あなたはすごい人だ」と褒めてほしい
- 「自分はかけがえのない存在だ」と感じたい
- いつも、自分に注目してほしい。
そのような思いは私達の心の中にも、あるのではないでしょうか?
誰の心の中にもあるのかもしれませんね。
●承認欲求のつよい人
では、承認欲求のつよい人にはどのような傾向があるでしょうか?
いくつか挙げてみます。
・自分を認めていない
自分で自分を認められないぶん、他の誰かに承認してもらい、安心するのです。
誰かに褒めてもらうことで、自身が感じている欠けたパーツを補っているのかもしれません。
このような人は子どもの頃、あまり認めてもらえなかったという思いをお持ちの方が多いようです。
さらに承認してもらえなかった度合いが低い人ほど、大人になってから承認欲求がつよくなる傾向があります。
それは、一番かまってほしい、褒めてほしい幼少期に承認されなかったことで、その時にポッカリと空いた心の穴を大人になってから、埋め合わせようとするからです。
・周りの目を気にする
他にも、周りに対して異常に敏感になる傾向があります。
自分が感じていることに自信がないため、周りの目や意見を常に意識し、周りに合わせることで繋がりを感じようとします。
軸が自分ではなく、他人にあるのです。
・不安・寂しがり屋
いつも不安、寂しいという気持ちを抱えています。
不安だから、認めてもらい安心する。
かまってもらうことで、寂しさを紛らわせているのかもしれません。
・優劣をつけたい
そして、人との関係で優劣をつけたがります。
承認欲求のつよい人は劣等感を感じているぶん、相手に対して、自分の方が上でいたいという思いがつよいのです。
そのため、相手に競争心を燃やし「○○は自分の方が優っている」「○○の部分は自分が劣っている」と比べがちです。
だから、相手とつながるよりも、「○○さんの方が、私より周りから大事にされている」「○○くんの方が、自分よりアテにされている」などと相手と比較し、自分を卑下したり、嫉妬から相手を蹴落とそうとしてしまいます。
でも、もしそうだとしたら、心の中は乱れていると思いませんか。
いつも、そんな気持ちを感じていたら、当人は相当ツラいと思います(><)
●競争ではなく、共有する
もしも、あなたが承認欲求がつよく、日々心が穏やかでないなら、まずは「人とのつながりを感じること」をオススメします。
それには段階があり、まず最初に行うことは、「あなたがあなた自身を認めること」です。
・自己承認
承認欲求のつよい方は自信がないのです。
なぜか?
それは過去に誰かに認めてもらった経験が少ないからでしょう。
でも、それはあなたに価値がないからではありません。
あなたの周りにいた大人(主に親や先生)にゆとりがなかっただけなのです。
あなたには価値があったが、その価値を伝える余裕が周りになかったのです。
だから、大人になったあなたが自身をたくさん褒めるのです。
最初は心が伴っていなくても、結構です。
それでも、あなたがあなたの価値を伝え続ければ、それが浸透し、必ず、自尊心が上がってきます。
すると、誰かから認められたいという思いが少しずつ、弱まり、自身で心の平安を保てるようになります。
・自分のために努力する
そして、承認欲求がつよい方は、「努力が趣味」という方も多いのです。
周りに認めてもらうには、自分の魅力やスキルを上げないといけないという思いから、努力を惜しまないのです。
でも、その努力の仕方を変えてみませんか。
誰かに認めてもらいたいからではなく、自分のために努力するのです。
誰かの評価を得たいからではなく、自分の幸せ、喜びのために努力をするのです。
誰かのために料理を作らなくてもいいのです。
あなたの好きな料理をあなたのために作りましょう。
そして、心地良さをたくさん体感しましょう。
心地良さをたくさん感じると、人は自分を好きになるものです。
自分を好きになると、自分はこのままでもいいと自信がつきます。
自信をつけてから、次のステップへ進めばいいのです。
その次のステップは「相手(周りの人達)へ意識を向けること」です。
●今度はあなたから差し出す
たとえば、あなたに好きな人がいるとします。
その相手に笑顔になってもらうには、どうしたらいいと思いますか?
「楽しい雰囲気をつくる」「冗談を言う」
もちろん、それはいいアイデアです。
でも、もっと簡単な方法があります。
それは、あなたが微笑むこと。
まずは、あなたが微笑むのです^^
すると、相手の顔もほころび、自然とお互い笑顔になるでしょう。
そうです。相手に笑顔になってもらいたければ、あなたが先に微笑むのです。
だから、もしもあなたが褒めてほしい・認めてほしければ、まずはあなたが相手を褒めましょう。
相手を承認するのです。
すると、相手もあなたの価値を見たくなり、褒めてくれるでしょう。
あなたがほしいものを、あなたから差し出す。
それは損なように感じるかもしれません。
でも、あなたから差し出すことで、あなたの本当に欲しいものが手に入るのです。
それができたら、あなたはいつの間にか、周りから認められているでしょう。
そして、自信と心にゆとりがついたぶん、たとえ周りから認めてもらえなくても平気になるでしょう。
まずは、自分が自分を認め、次に相手に与えることができたなら、あなたの心はいつも満たされているでしょう。
(完)