文句を言う代わりにできること
こんにちは 平です。
私たち人間のほとんどは、「だれかに自分の面倒をみてもらいたい」という依存性にしがみついています。
もしくは、その依存性をだれも満たしてくれなかったという失望から、「もう、だれにも頼らない。自分のことは自分でする」と、ひたすら自立の考え方をとるようになっています。
依存か自立か、たいていどちらかに偏りすぎているわけです。
しかし、そのいずれも「自分はだれかに面倒をみてもらわないと生きていかれない」という信念から作られています。
「自分は弱い」というのが基盤にあるわけですね。
バカげたことだと思うのですが、私たちはだれかに面倒をみてもらいたいと思うと、「自分はいかにダメで、いかになにもできないか」ということをアピールしようとします。
男女関係を例にとれば、彼に甘えたい、やさしくしてもらいたいと思うと、つい赤ちゃん言葉を使ってしまうようことがありますよね。
これはまだわかりやすく、かわいい例なのですが、人によっては「パートナーに頼まれたことが、なに一つ上手にできない」という形でこの依存性を出してしまうことがあります。
失敗を繰り返してしまったりすることで、「この私は人を愛するタイプでなく、人から愛されるべきタイプなので、あなたが私の面倒をみないといけないんですよ」というメッセージを発しているわけです。
彼女から「甘えたいの」と言われていやになる男性はそうはいません。
でも、彼女になにか頼んだとき、いつもそれが上手にできない、失敗ばかりするとしたら、さすがの彼もいいかんじはしませんよね。
もちろん、それが“甘えたい欲求”から来ているなんて、見抜ける男性はまずいません。
したがって、ほとんどの男性は、彼女が頼みごとに応えてくれないのは「自分を愛していないから」だと解釈します。
男性にも「自分の依存を満たしてもらいたい」という欲求はあるわけで、小さな頼みごとにも応えてもらえないというのは、依存心を無視されたと感じられるわけです。
自分の依存心を満たしてもらえなかった男性は、彼女の依存心も満たして上げたいとは思わなくなっていきます。
すると、二人の関係もどんどん悪いスパイラルへとハマっていったりするわけです。
そして、自立の側が依存の側に提案します。
「自分のことは、それぞれ自分でやろうよ」
こうして二人の絆は切られ、一人ずつの二人ぼっちのような関係になっていくのです。
が、依存したい側は、多くの場合は女性になりますが、その状況に耐えられるものではなく、自分を満たしてくれないパートナーを攻撃したり、非難したりしはじめます。
もちろん、それは愛してもらいたいからするわけです。
が、それをすればするほど、彼からは愛されるどころか拒絶されるようになり、しばらくすると二人の関係は破綻します。
依存心は、多かれ少なかれ、どのような人の中にもあるものです。
そして、いまの例のように、双方が「自分の不満を相手に満たしてもらいたい」と思っているうちは、二人の関係はうまくいきません。
こんなときは、「私が不満をもっているということは、私がそれを相手に与えていないということだ」という法則を思い出すと、状況が激変します。
つまり、「彼がやさしくない!」と思っているときは、じつはあなたの彼に対するやさしさが不足しているのです。
そこで、あなたが彼にやさしくしてみると、状況を変えていくことができるということをこの法則は意味しています。
ただし、1回や2回、やさしくしたぐらいでは、彼はあなたのことを疑いがちです。
彼の心をあなたのやさしさで満たし、「ほんとうにきみはやさしい彼女だね」と思わせるまで与えつづけることが、重要なポイントです。
文句を言う代わりにできること。
この法則にチャレンジすることができたら、たとえ離婚寸前のあなたでも、状況を改善できる可能性があるのです。
では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!