大昔、小学校へ入学する前には「友達100人できるかなっ♪」というフレーズがありましたね。
懐かしい。
※ご存じない方はネットで探してみて下さいね
6,7歳の頃を思い返すと、100という数字がどれくらいの規模なのかもあまり理解していなかったなぁと思います。
それでも、小学校という未知の世界に対する期待や不安の中に、新しい友達が出来るのかな?というワクワクドキドキ感がありました。
さて、今回のコラムは、この「友達をつくる」がテーマです。
「友達」の定義は人によって違うと言われることが多いですが、大人にとっての「友達」というのは、子供時代と比べると少し複雑になるかもしれません。
幼馴染、学生時代、仕事関係、ママ友、大親友、親友、知人、知り合い程度など。
形容したり説明したりする言葉も、多様になります。
そして私たち大人は「友達いる?」と尋ねられると、「うーん…」と考え込んだり、「本当の友達はいない」と答えるようになったり・・・
この現象、幼かった子供時代にはほぼ無かったハズでは?
小学校低学年頃までの子供というのは同世代で集まると、あっという間に仲良くなってしまいますよね。
皆さんもかつてはそんな時代があったのではないでしょうか。
(もちろん、人見知りさんや恥ずかしがり屋さんもいらっしゃいます)
子供がどうしてあっという間に人と仲良くなれるのかというと、私たちは幼い頃、人生の経験値があまりないことも手伝い、周りの人間に対して「怖れ」が少ないんですね。
この「怖れ」とは、大人であればほとんどが経験しているであろう「○○ちゃんと仲良くしたかったのにケンカした」「仲良しグループから仲間外れにされた」といった、自分を受け入れてもらえなかったと感じた過去の悲しい経験に由来します。
私は小学2年生の時、よくお互いの家に遊びに行く仲良しの友達の家へアポなしで行ったところ、今日は違う子と遊ぶからダメと断られて、当時とても悲しかった思い出があります。
(大人の今であれば、友達にも都合があるし何よりアポなしだからな、と理解できます)
そしてこの「自分を受け入れてもらえなかったと感じた過去の悲しい経験」が大人になっても心の中に残っていると、新しく友達が出来るかもしれない状況になっても過去の悲しみを無意識に感じるため、相手との距離を縮めることに対して怖れを持ちやすくなってしまうことがあるんですね。
そして怖れがある場合、なぜか相手が自分を攻撃する敵のように感じてしまうこともあります。
例えば、野良猫をイメージしてみて下さい。
人間に捨てられ、厳しい野良の世界で必死に生き延びてきた猫は、周りが敵だらけの世界で生きています。
そこに「あらー可愛い猫ちゃん。
このソーセージでもお食べ」とのんきに近づいてきた猫好きの人間がいても、果たして自分の味方だと思うでしょうか?
いいえ。思う訳ありませんよね。
近づくなっ!と言わんばかりに、威嚇するに違いありません。
実は私たちも、この野良猫の様なマインドを持っていたりします。
せっかく友達をつくるチャンスあるのに、もったいないなぁと思います。
もしあなたが、友達が欲しいのになかなかできないなぁ、自分は友達があまりいないな、と感じる場合は、身近な人に対してこんな風に思ってみて下さい。
「あの人は、私を応援したいと思っている」
潜在意識では敵として扱っているかもしれない周囲の人を、意識的に味方だと思ってみるんですね。
心の中に人に対する怖れがあると、距離を縮めるのも怖くなりますが、もし相手を「応援してくれる人」と思えたら、安心して距離を縮めやすくなります。
そしてこのやり方の良いところは、同時にあなた自身の「野良猫感」がとっても和らぐんです。
人間は怖れを感じている時、当然周囲を警戒します。
この警戒感は、野良猫の威嚇と同じように、周りの人があなたに近づきにくくなる要因になりやすいんですね。
これも、とてももったいないなぁと思います。
先ずは、あなたが一番「応援してくれている」と思いやすい人から、試してみて下さいね。
おじいちゃん、おばあちゃん、おじさんおばさん、子供の頃習っていた書道の先生、誰でもOKです。
それは同時に、あなた自身が周囲の人にとって「近づきやすい人」になっていくことでもあります。