報われない恋愛のパターンから卒業するために
好きになるのはなぜか「傷ついた人」「問題のある人」ばかり。助けさせてくれないパートナーとの関係が続くと、気づいたときにはすっかり疲れきっていることがあります。しかし「助けたい」気持ちの裏側にあるものに気づけると、あなたの真の才能を発揮するきっかけにすることができるのです。
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■恋愛ではいつも「助ける側」になってしまう
好きなった相手は、いつも「孤独で寂しそうな人」「何かしら傷や問題を抱えている人」。
カウンセリングでは、そんなご相談を伺うことがよくあります。
つきあい始めは仲良く過ごしていられるけれど、しばらく経つとパートナーが・・・
・あまり連絡をしてこなくなる
・お互い休みの日なのに会えなくなる
・冷たい態度をとったり、責めるような言葉を言ってくる
・隠すことなく浮気をする。でもしばらくすると戻ってくる
などの振舞いをするようになり、恋愛をしているのにとても寂しさを感じてしまいます。
もし皆さんの中に「私も一緒かもしれない」と感じている人がいたら、あなたはおそらく「大きな愛」の持ち主のはずです。
きっと相手の心の痛みに気づけるだけでなく、その傷を癒したい気持ちも強いのでしょう。
周りが喜ぶこと、笑顔になることが大好きで、その為にはどれだけの労力を使ってでも、相手のために与えたい人ではないでしょうか。
でも、なんだか自分だけが助けてばかりで、パートナーに助けてもらえることがあまり無かったとしたら。
いつもパートナーが「傷ついている・問題がある(あるいは作る)側」で、いつもあなたが「助ける側」になっているのかもしれません。
■「助けさせてくれない」パートナー
あれこれと世話を焼いたり、お金や体を与えたり、自分のプライベートや、家族友人を犠牲にしてでもパートナーを支えることを優先してしまうこともあります。
ところが相手はそう簡単には助けさせてはくれません。
なぜなら深く傷ついてきた人ほど、もう二度と同じ痛みを感じないように他人を当てにしなくなり
、誰の助けも必要としないで済むくらい自立した生き方になっていくからです。
また他人を信用できない分だけ、
決して心を開かず、徹底して周りをコントロールすることで
自分を守ろうとする傾向が強いことも理由の一つです。
あなたがどれだけ助けの手を差し伸べても受け取りませんし、むしろ冷たい仕打ちをしてくることもあります。
そうして、すっかり疲れきって打ちひしがれて別れを迎えた後、時間が経つとなぜかまた同じような傷ついた男性を見つけてしまい、同じパターンで苦しくなるなんてことも良くあるのです。
■本当に助けたいのは・・・
私はこのようなケースでは、「助けたい気持ちの裏にあるものは何か?」を見ていくことを大切にしています。
一つには「過去の人間関係で『助けたかった誰か』を今のパートナーに重ねてしまい(投影と言います)、その『誰か』の代わりに助けようとしている」という見方があります。
ですが、今日はもう一つ別の見方をお話したいと思います。
それは、「本当に助けたいのは自分自身」という感情が隠れていること。
自分の中の助けを求めている部分をパートナーに投影して、「自分を救う代わりに相手を助けている」場合もあるからです。
当然ですがパートナーは自分ではないので、どれだけ助けても一向に楽にはなりません。
すると、いくら助けても自分が楽にならないことを感じると「まだ足りないのか」と思い、より傷ついている人・問題のある人を探そうとしてしまうんです。
さらに、「助けたい」人は周りに弱音を吐かないので、疲弊しきって限界ギリギリの状態になってようやくカウンセリングに来たりします。
ちょっと想像してほしいのですが。もしボロボロのあなたの目の前に、本当に助けを求めている人がいたとしても、傷つき疲れ切ったままでは助けられるものも助けられないのではないしょうか?
だから、まず見つめていくのは自分の心です。
自分自身を救うこと、誰かに助けさせること。
あなたにとっては考えもしなかった選択かもしれませんが、それがこのパターンから卒業するプロセスになります。
■真の才能を発揮するために
この状況から抜け出すには、先にあなたが楽になるのを受け入れることが最初の一歩です。
それは「彼に与えたいものを自分が先に受け取る」ということです。
あなたが重荷を下ろして自由になれた分だけ、本来の「助けたい」才能が発揮されます。
それは、助けを求めている人に本当に必要なものを与えられる才能の開花です。なぜなら、あなたは痛みを抱えている人が何を求めているか、一番良く分かる人ですからね。
あなたが本当になりたいのは、傷つき問題を抱えている人たちを
・不自由さや苦しみから解放したい人なのかもしれません。
・希望や幸せの方へ導きたい人なのかもしれません。
・「『これ』があったらもっと楽に簡単に解決できるのに」の、『これ』を見つけられる人かもしれません。
才能というのはできることでも、能力でもないんですね。
自分の感情が強く動くもの、あるいは静かに揺さぶられるもの。心の深い部分からの「願い」や「喜び」とつながることで発揮されるものです。
あなたの真の才能を差し出せたら、今度はパートナーが変化せざるを得なくなるはずですよ。
(完)