5対95の戦い
たとえば、あなたが「今年こそ彼氏を作るぞ!」と目標をもったとします。
もしそれが叶わなかったとしたら、彼氏を作るぞ!と顕在意識だけで考えたのかもしれません。潜在意識のなかで「面倒だな!彼氏なんてほしくない!」と思っていたとしたら、恋人はできなかったはずなのです。
***
●潜在意識からのメッセージ
私たちの意識は顕在意識が5パーセント、潜在意識が95パーセントを占めているといわれています。(※この数字には諸説あります)
顕在意識は自分でわかっている自覚的な部分のことで、潜在意識は自分ではよくわからない部分のことです。
潜在意識は私たちの行動や考え方に大きな影響を与えるとても本能的な部分だともいわれています。(※無意識ともいいます)
数字に換算してみると、1日24時間のうち1時間12分は「彼氏がほしい」と頭で考えているけれども、残りの22時間48分は「彼氏なんかほしくない」と心のなかで思っているという割合です。
目標を叶えるためには、頭と心が向かう先を一致させることです。
あなたの顕在意識が向かう方向に、あなたの潜在意識も同じ方向を向けば、夢はスルスルと叶いやすくなります。
でも、もしあなたの頭と心が逆の方向を向いていたら、圧倒的に潜在意識のほうが勝つに決まっているのです。
ふたつが同じ方向を向くためには、目標が叶ったイメージをちゃんと描けることが重要なのですが、ぼんやりと描いている人が多いようです。
目標が叶ったイメージは、どんな自分になりどんな気分になれるのかを、あたかも体験しているようにイメージすることがコツです。
今年こそは彼氏がほしいと思っていても、「じゃぁ、どんなお相手がいいの?」「どんなデートをしたいの?」と聞かれたらよくわかっていないこともあるのです。
なんとなく願っているのか、心からの実感をもってそう願っているのかでは、そこに向うエネルギーやスピードはまったく違ってしまうでしょう。
「じゃぁ、イメージすれば叶うのね!」と思うかもしれませんが、そこそこなイメージしか描けない人も多いのです。
私にはやはり無理かもしれないという過去の経験、私には幸せになるような資格がないという罪悪感、私には幸せになるだけの価値がないという無価値感などが、心にブレーキをかけてしまうからです。
人間は変なもので幸せになることも怖いのです。
●もしそれを自分が望んでいるのだとしたら?
たとえば、このようなケースがありました。
「年に30回のお見合いパーティーに出てみたけれど、良いと思える男性が現れないので正式なお付き合いまでに発展しません。もう3年間もそんなことを続けています。」
パートナーがほしいと望み、そのための努力もしているのに、なんでできないの?という悩みです。
努力しているのにうまくいかない時には、潜在意識が影響していることがよくあります。
そんな時カウンセラーは「どうしてパートナーができないのだろう?」という視点ではなく、「どうしてパートナーができてしまったら困るのだろうか?」という視点で見ています。
できないのではない。できないことを自分が望んでいるのかも知れないという発想です。
もし自分がそれを望んでいるのだとしたら?
そう考えてみるとだいたい過去の話が出てきます。
その女性には「じつは過去にひどい失恋をして、立ち直るのにとても大変だった」という経験がありました。
「男はひどいもの、男は私を傷つけるもの」という経験として、彼女の心にふかく刻まれていたのです。
頭ではそろそろ彼氏がほしいと思うからお見合いパーティーには行く。でも、そこから先が近づけない。
潜在意識の傷はモヤモヤとした体感で感じるかもしれません。
「なんかいやだな」「なんとなく好きになれない」「この人で大丈夫かな?」
ドキドキではなくモヤモヤするのです。すると、恋愛する気がしなくなるのです。
●そんなあなたへの質問
いま目のまえに起こっている現実を、
もし自分が望んでいるのだとしたら、
それはどうしてなのだろう?
いま目のまえに起こっている現実を、
もし自分にふさわしいと思うのならば、
それはどうしてなのだろう?
これは潜在意識への問いかけです。
心が望んでいるものが現実になって現れると心理学では考えます。
私たちの頭で考えることは本当にちっぽけで、感情や感覚の世界がほとんどを占めていて、目のまえの現実を作っているといわれています。
なにかがうまくいかない時には、「もしこれを望んでいるのだとしたら?」という疑問を自分にもってあげてください。
そういう疑問を自分にもてると、自分と向き合うこと、自分を理解すること、自分に寄り添うことができるようになりますよ。
そして「もう幸せになっていいよ」とぜひ言ってあげてくださいね。
(完)