「自分嫌い」からの卒業(3) 〜自分が嫌いでもいい気分を感じるときもある〜

自分が嫌いでもいい気分を感じるときもある

さて、今回の講座テーマは「自分嫌いとその卒業」ですが、実は自分嫌いな人が「好きという感情」だとか「いい気分」を感じないのか、というとそうではありません。
実は、好きなもの、好きな人、好きな場所、好きな・・・と、自分が好きな人や物、状況などに触れていると「好き」という気分を感じます。

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○好きなことをしていると、自分のことが好きだと感じられる

さて、今回の講座テーマは「自分嫌いとその卒業」ですが、実は自分嫌いな人が「好きという感情」だとか「いい気分」を感じないのか、というとそうではありません。

実は、好きなもの、好きな人、好きな場所、好きな・・・と、自分が好きな人や物、状況などに触れていると「好き」という気分を感じることがあります。

例えば、自分が音楽が大好きな人にとって、音楽鑑賞の時間は「好き」という感情を感じている可能性が高いわけです。

料理が好きな方はキッチンに立っている時の自分。
体を動かすことが好きな方はそのときの自分。
甘いものが好きな人は、甘いものを食べている自分。
旅行好きな人は、旅行にでかけていたり、その計画している自分。

このとき、自分でも意識していないけど、好きという感情を感じていることが多いものです。

そして、この好きなことをして、好きという感情に触れているときには、「自分のことが好き」と感じていることが多いものです。逆に言えば、好きなことをして夢中になっているときの自分って最低、とはなかなか感じないものなんですね。

好きなことをしていると、自分のことが好きだと感じる。

「自分嫌いからの卒業」を考える時、とても重要なポイントであり、一つの気付きになることが多いんです。

 

○感情は自分が感じているもの

好きという感情についてですが、この感情は「自分以外の何かが感じさせている」と認識する場合があります。

たとえば、旅先の絶景がいい気分にしてくれる、料理が好き、甘いものが私を幸せにしてくれるなど、「何かが自分を幸せにしてくれている」という、自分の外側に「幸せの要素がある」と感じている状態です。

これ、ある意味とても謙虚な考え方ともいえますし、実際にとても謙虚だったり遠慮がちにされている方ほど、このように認識している方が少ないのかもしれません。

もちろん自分の外側にあるものに意味や価値を感じることは自然なことです。しかし、そこで感じる感情は全て自分が感じているものですよね。

もし、自分自身がいい・好きと感じられないなら、どれだけ素晴らしいものを見てもあまり感動しないですし、だから、自分が好きなものを苦手だという人がいても不思議ではないのです。

なので、「自分嫌いからの卒業」を考えたとき、「自分嫌いのままで、外側に何かを求めていい気分を感じよう」としてもあまりうまくいきません。

自分の外側にいい気分を感じさせる何かがあるうちはいいのですが、それに飽きたり、好きなもの失ったり、好きなことをできなくなってしまうことで、また自分嫌いがぶり返してしまう、という場合もあります。

これは「自分の感情は自分が感じている」というアカウンタビリティの概念に気づかないときに、そう感じるものなんです。

でもまぁ、そう思うこと自体、ある意味自然なことといえるかもしれませんね。僕たちは自分以外の何かしらの刺激や感情などの影響を受けて過ごしていますから。

ただ、繰り返しになりますけれど、自分以外のものが自分の気持ちを決めることはできないものです。自分の感情は自分が感じていているものですからね。

つまり、「自分嫌いからの卒業」を考えていくなら「感情とは自分が感じるもの」と意識していくことが求められるといえますね。

 

○好きなことをする経験を通じて「好き」を意識してみる

ただ、あまり難しいことを深く考えずに、「自分が好きなことをしているとき、自分が好きという気持ちと感じられているんだな」と考えていただくほうがいいかもしれません。

自分が好きなこと、好きな人、好きなものと触れ合っているとき、自分が好きを感じられていて、そんな自分を好きだと思えるんだな、といったイメージで。

だから、自分嫌いからの卒業の一つの方法として、「好きなことをする」をご提案することって少なくないんです。

好きという感情を感じてみると、考え方も気分も変わっていくことが少なくないですし、また、好きなことは大切にしますし、好きだからこそ意欲的にもなれますよね。

このような好きなことに対する自分の姿勢が、自分を肯定する材料になっていきます。

自分から積極的に関わったり、好きなことをしていい気分を感じることが、よりよい感情や充実感などをもたらします。

もちろん、好きなことをするとしても、毎日忙しく時間的な制限があり、なかなか取り組めないというお声を伺うこともあります。

しかしそうであっても、たとえば自分にやすらぎを与えてもいいですし、美味しいものを食べるでもいいです。自分が好き、と感じられるなら自分に与えてみてください、とお願いすることも少なくないんです。

また、好きなことがわからないというお声も伺います。このときは、まず視野を広げることをはじめてみたり、昔好きだったこと、心ときめいたものを思い出す、などを通じて、また改めて好きなことを見つけていくことをおすすめしています。

今、好きなことがわからないことを問題にするより、軽いステップでなんだろうなーと探して見る感じがいいですね。

>>>『「自分嫌い」からの卒業(4) 〜自分嫌いからの卒業へ向けて〜』へ続く

この記事を書いたカウンセラー

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年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。