自信を育む過程では、必ずと言っていいほど、“抵抗”が出てきます。
私たちは、今までと異なる考え方を持つ事や、行動をする事、即ち変化をする事に対して大きな怖れを抱き、それが抵抗となって現れてくるのです。
抵抗の現れ方は人により様々で、枚挙にいとまがありません。
自信を育む方法としては、抵抗がある理由を潜在意識レベルまで「どうしてそう感じるのだろう」と突き詰めていく方法、自信を育むことにコミットメントして常に自信を育む事を選択し続ける方法があります。
私からのご提案は、自分の内側に入り込まず、人に与えて自分の内なる愛を感じる事です。
◎リクエストを頂きました◎
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毎日がんばっているのに、なかなか自信が持てずにいます。
「今日もベストを尽くした、すごいなぁ」と自分をほめてみるのですが、
「ベストを尽くせたのはたまたまじゃないか?」と自分を疑う自分がいます。
自信を持ちたいと思っているのに、どこかに自信を持ちたくない自分がいる気がします。そうだとしたら、心では何が起こっているのでしょうか?
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カウンセリングでお話をしていると、とても多くのケースで“自信”の問題に行きつきます。
自信が無い為に物事が上手く進まなかったり、人間関係が上手くいかなかったり、決断が出来なかったりなどで問題を抱えられるケースがとても多いのですね。
自信を持っていただく、あるいは自信を取り戻していただくために、カウンセラーはその人が自己承認をできるように、自分を縛っている観念やルールに着目してそれを手放す決意や練習をしてもらったり、自己攻撃の癖を手放してもらったり、他人との比較・競争を手放してもらったり、投影を取り戻してもらったり、状況の理解と自己や他者の理解・許し(自分を許す、人を許す、人間を許す・神様を許す・・・)ができるようにお話を積み重ねていきます。
また、あるいはそれら認知の側面からのアプローチではなく、直接行動の変化を促して、体験的に“学習”してもらって、自信を持つ事の障害となっている怖れや抑圧(封印)している何かを解いていき変化を促す方法をお薦めしたりします。
これらのプロセスを進める過程では、必ずと言っていいほど、“抵抗”が出てきます。
私たちは、今までと異なる考え方を持つ事や、行動をする事、即ち変化をする事に対して大きな怖れを抱くのですね。
それは、未知なる大冒険なのですから当然の事と言えます。誰にでもある事と言えます。
その怖れの現れ方、抱き方はその人の心理的なパターンや状況により形を変えて様々です。
例えば、単に「無理」と感じたり、「また失敗するよ」と自分の内なる囁きが聞こえたり、「それは止めておいた方がいいよ」という人の助言に賛同したり、それをすると自分が自分で無くなるような感じがしたり、恥ずかしかったり、自分の今までの生き方を否定するような感じが出てきたり、何かに負けるような感覚になったり、誰かに申し訳ない感じになったり・・・とその現れ方には枚挙にいとまがありません。
リクエストにお書きいただいた“自信を持ちたいと思っているのに、どこかに自信を持ちたくない自分がいる気がします。”というような感じも変化への抵抗の一つの表れです。
先ほども書きましたように、抵抗は怖れがその源になっていますので、何に怖れを感じているのかを「どうして私はそう感じるのだろう」と潜在意識のレベルまで自分自身の内なる気持ちを突き詰めて考えてみられるのも一つの方法です。そうすると、何を怖れているのかという事を浮かび上がらせる事が出来、案外、「えっ、こんな事!?」という結果に辿り着いて抵抗が消えるかもしれません。
あるいは、その怖れの原因を突き詰めなくとも、常に自信を育む事を選択し、コミットメントを続けるという方法もあります。
どんな事があっても、どんな状況になっても、どんな抵抗が出てきても自分は「自信を持つにふさわしい」と選択し続ける事です。
私たちが持っている最大の力の一つが選択の力です。
私たちは「自信を持つ事」も「自信を持たない事」も、実は自分で選択しているのです。
自信は、他人の評価は関係ありません。世の中には様々な考え方を持っている人がおり、考え方や価値観はマチマチです。従って、自信を持つという側面では、他人の考え方や価値観に迎合しようとする事は却って自信を無くす原因になります。
他人がどう思おうと、自分で自分を信頼する事が自信ですから、「自分は自信を持つにふさわしい」を選択し続ける事です。
さて、最後に、自信を育む方法を1つ提案させていただきたいと思います。
それは、“与える”という方法です。
私たちは、何らかの問題を抱えたときに、ついつい自分ばかりを見てしまいます。自分の内側へと入ってしまいます。
そうして罪悪感や自身の不完全さを感じ、自信を消失していくのですね。
問題は、この自分ばかりを見てしまう事なのです。
私は、多くのカウンセリング経験から、何らかの問題を抱えられる多くの人は、心の奥底では人を愛したい、人に優しくしたい、人に何かしてあげたい等と思う気持ちが強く、大きな“愛”が中心となっていると思っています。自身の痛みからどんなに人を攻撃している人ですら、痛みを拭ってしまいさえすれば、そこには大きな愛があると思っているのです。
この心の中心にある“愛”と現実とのギャプに、人は苦しむのです。
そうであれば、自分自身の本質である“愛”に従えば、本当は心地よいはずなのです。そして、その愛こそが自信の本質なのです。
人を見る事、人に無償で与える事こそが自身の本質である“愛”を感じる方法です。
そして、この本質を感じさえすれば、そこに自信が芽生え、育むことができるのです。
(完)