リーダーシップの力

間違いや失敗に罰は必要なく、愛してあげることが求められる

こんにちは 平です。

私どもでは癒やしのためのワークショップを全国各地で開催していますが、その中でよく行っているのが“グループワーク”といわれるものです。

グループワークの大きな目的の一つは、対人関係のパターンをみなさん知っていただくことです。

グループは任意でカードを引き、8~10人のメンバーによって組んでいきます。

このぐらいの人数がいると、必ずグループの運営に不満をもつ人が出てきます。

「こうしたほうが、もっと効率的でいいのではないか?」と言う人、「心のケアを目的としたグループなので、効率よりもみんなに優しいグループ運営が大事だろう」と言う人など、主張もさまざまです。

私自身、どちらかというと“仕切り屋さん”なので、昔、受講生としてワークショップに参加していた時代は、運営上のことにも不平不満をあれこれともっているほうでした。

では、不満があるときは、どのようなふるまいをするとよいのでしょうか?

その一つの考え方が、リーダーを批判するのではなく、「リーダーに与え、サポートをする」というものです。

たとえば、グループの利益になるアイデアなどがあれば、リーダーがそれをしないという不平不満をぶつけるのではなく、提案してみるわけです。

メンバー全員の役に立つかもしれませんし、そのほうがグループ運営にとっても効果的ですからね。

そして、これはパートナーシップに関しても同じです。

相手を批判したり、なじったりするほど、また、あなたが自分の有能さ、優秀さをアピールしたりすればするほど、パートナーは劣等感を強めていきます。

すると、そのいやな感情を感じさせるあなたのことを、パートナーが高く評価するわけがありません。

一方的にケンカに勝ってしまったという状況ですからね。とくに完膚なきまでに叩きのめしてしまったようなときは、相手は必ずあなたへの復習を誓います。

そして、いつか、あなたがなにかの間違いや失敗をしたとき、必ず完膚なきまでパートナーに叩きのめされることになります。

このパターンのある人は(ほとんどの人がそうなのですが)、「間違いは悪いことであり、ペナルティが必要である」という考え方をもっています。

これは、子ども時代、しつけをされたときに叩きこまれるものごとの見方や考え方といえます。

しかし、パートナーシップはしつけとは違います。間違いや失敗に罰は必要なく、愛してあげることが求められるという法則に変えていくことをおすすめします。

そう、「相手を罰したい」という欲求をもったとき、あなたに必要なことは、相手に罰ではなく、愛を与えるということなのです。

また、パートナーがあなたを攻撃してくることがあったとしたら、それはパートナーの育ってきた背景に、なんらか愛が不足していたことを表しています。

愛を求めていたときに、愛ではなく罰を与えられた過去があるわけです。

そこで思い出していただきたいのが、「パートナーからのありとあらゆる攻撃は、あなたの愛を求める心の叫びである」というパートナーシップの法則です。

あなたを攻撃しているときのパートナーは、心の中ではこんなことを言っています。

「どう? 私は最低でしょ。こんな私なんか、大嫌いでしょ。あなたのパートナーにふさわしくないでしょ」

つまり、あなたに向けられる怒りのほとんどは、パートナーの自己嫌悪だということができるでしょう。

その自己嫌悪でいっぱいいっぱいの自分のことを愛し、受け入れてくれる人を求めているわけです。

もちろん、あなたの側にも「私は私で愛してもらいたい」という欲求や依存心はあるはずです。

そのため、パートナーの心の叫びに気づいても、「なにを言う! 愛し、わかってもらいたいのは、私のほうよ!」と思ってしまうということがよくあります。

言い換えれば、おたがいに愛を求めあっているというのが、ケンカの正体なのですね。

「そんなときは、愛のリーダーシップをとりましょう」と私はいつも提案します。

どちらか片方が愛を求める側から愛を与える側に役割を変えた瞬間、二人のケンカ状態は一変します。

一般的にパートナーシップは、両親から十分にもらえなかった愛と承認を「パートナーにもらいたい」、つまり、与えてもらう相手を転換していくことが基盤にあるといわれています。

「もらえない」という不平不満があるならば、それは、あなたのほうこそが与える側にまわるべきときといえます。

あなたの中の不平不満を、あなたの愛が癒していくことができるのですよ。

では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。