五感が制限されるオンラインで心が動き出す理由
直接会うのと違い、オンラインでのコミュニケーションは、五感が制限された状態で行われます。しかし、五感が制限されることによって、かえって、感覚が研ぎ澄まされ、画面に映る人のみならず、目の前にはいない誰かに対する「大切さとつながりを感じる心」に気づくチャンスにのなります。
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◇オンラインは五感が制限される
オンライン時代のツールはYouTube、zoom、など様々なものがあります。
仕事もテレワークになったり、学校もオンラインでの授業が検討される時代。
オンライン飲み会もメジャーになってきました。
しかしながら、カメラやマイクやスピーカーの性能が高くなり、顔も声も音楽も、リアルになってきてはいるものの、直接会って見て聞いて話すことに比べてたら、オンラインでのコミュニケーションは制限が生じます。
コミュニケーションは言語だけで行われるものではありません。
人は五感の生き物です。
見て聞いて話して触れて雰囲気を肌で感じます。
オンラインのコミュニケーションは、こうした五感で感じることに比べたら制限がかかってしまうわけなのです。
私がカウンセリングの中で、テレワークをしている方のお話しを伺っていると、画面越しのコミュニケーションは、疲れる場合、そうでもない場合とがあり、個人差があるように思います。
人はそれぞれ「視覚タイプ、聴覚タイプ、触覚タイプ」のように、個々が感じやすい感覚器があるという考え方もあり、自分がどのタイプかによっても、オンラインでのコミュニケーションの得手不得手や辛さ楽さ等が変わってくるとも言えます。
また、慣れの問題もあるのかもしれませんから、これからオンラインの機会が増えていけば、疲れやすさも変わってくるかもしれません。
ただ、個人差はあるとはいえ、直接会って話をしている時とは違い、制限がかかるのは間違いありませんから、情報が入らない分を感覚を研ぎ澄ませて補おうとするのではないかと思います。
会議を例に考えてみると、会議中に自分の発言について、好意的な時と、イマイチ共感を得られていない時という区別について、私たちは無意識のうちに肌で感じています。
例えば、好意的なら話をどんどん進めていこうと思うし、イマイチなら修正しようとする、などの行動にうつす基準にしているのですね。
また、20名ほどで会議で司会をしている時に質問を投げかけた時、質問者が挙手をして意思表示をしている場合。
直接集まっている時は、手をあげている人が誰なのかはすぐに気がつきます。
ところがオンラインでの会議で画面に参加者の顔が20名ほど映っている中で質問者が挙手をしても、すぐに気がつくことができないことがあります。
直接集まっている時は五感で挙手している人をキャッチしているのに対し、オンラインでは画面の参加者を視覚のみを使ってキャッチしなければならないからです。
ですから、オンラインでは、五感の足らない部分を補うために視覚聴覚をフル活動させて、キャッチしようとするために疲れてしまうのではないかと思います。
オンラインでのコミュニケーションは長所も短所も両方持ち合わせているでしょう。
こうした点を踏まえた上で、この制限があるために研ぎ澄ませる感覚をいい方向に使っていけるやり方があると私は考えています。
それが、この連載の第一回でお伝えした「見方が変われば世界が変わる」という視点です。
>>>『オンライン時代到来の今だからこそ学べる「あなたの見方次第で世界は変わる」という視点(3)~制限されるからこそ感じられる誰かとのつながり~』へ続く