想いを伝えないことの方が都合が良いのかもしれないとしたら。
好きな人に告白するのは誰でも勇気が要りますよね。
せっかく思いを寄せている人がいても、いつも告白せずに恋愛が終わってしまう。そんなパターンを繰り返してしまう人も少なからずいます。
どうしたら上手くいかない恋愛のパターンを変えられるのか?そこに隠れた心理も含めて解説します。
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■告白できない苦しさ
「好きな人がいるけど告白できない」というお悩みは、恋愛のカウンセリングの中でも上位にランクインするご相談かも知れません。
告白して気持ちを伝えるのは誰でも緊張するし勇気が要りますよね。
しかし、せっかく好きな人がいるのに想いを伝えられないというのも苦しいもの。
「好きな人ができても、いつも告白できずに終わってしまうんです」
そんなパターンが続いてなかなか恋人ができないという人は多いですね。一方、別のパターンもあって、
「なぜか私の好きになる人は、いつも既にパートナーがいるんです」
というお話もカウンセリングではよくお聞きする話です。。
「どうしてパートナーのいる人を好きになってしまうのでしょうね?」
と私が質問してみると、ほとんどの場合
「そういう人を選んでいるわけではないのですけど、たまたま好きになる人にはパートナーがいるんです」
「だから告白もできないので、私にはパートナーができないんです」
という答えが返ってきます。
■潜在意識に隠れた理由とは
本当にたまたまパートナーのいる人を好きになっていたという場合もあるでしょう。
でも、もし心の底(潜在意識)では、わざわざ「告白しなくて済む」相手を探しているとしたら、そこにはどんな理由が隠れていると思いますか?
とは言え、こういった考え方は理屈ではなかなか答えが出てこないもの。
そこで、こんな質問を自分自身にしてみてくださいね。
「私が『告白できないパターン』を持ち続けることでメリットになっていることがあるとしたら、それは何だろう?」
まったく論理的でなくても、常識的でなくてもかまわないので、直観的に出てきた答えに注目してみましょう。
「こんなことメリットじゃないよね?」と思うようなことが、意外と核心をついていることは良くあります。
たとえばこういった答えが出てきたかもしれません。
- パートナーがいる人を好きになればつきあわなくて済む
- 結婚しなくて済む
- フラれて傷つくことはない
さらに深く掘り下げていくと、
- もう辛い思いはしたくない
- 幸せになる自信がない
- 私よりキレイな人、魅力的な人の方が良いに決まってる
なんて気持ちも出てきたりします。
こういった心の痛みを二度と感じたくないがために、私たちは上手くいかない恋愛パターンを使って自分を守っているのかもしれないのです。
■告白できない人の心理
恋愛が告白しないで終わるパターンのある人に見られるのは
- 自信がない
- 迷惑をかけたくない
このどちらかの気持ちが隠れていることが多いようです。
前者は「私なんてきっと好きになってもらえない」という恐れの感情が大きく、
後者は「私が好きになっても相手の迷惑になってしまう」という罪悪感が強いと考えられます。
いずれにせよ、このようなお悩みを抱えている人の潜在意識では「私は1人で生きていくべきなんだ」という人生計画が進行していることがとても多いのです。
こうした感情を抱えている人にとっては、自分から告白したら恋人同士になれる可能性がある「好きな人」と出会っても、「私は1人でいるほうが良い」という計画が崩れてしまうので、困るわけです。
もちろん意識的には「恋愛したいな。パートナー欲しいな。」と思っています。
しかし、先ほどの潜在意識で抱えている「私にはパートナーができるはずがない」「私なんかが好きになったら相手は迷惑だろうから、1人でいるのがふさわしいんだ」という思い込みを覆されたくない分だけ、実際にパートナーができしまわないような選択を無意識的に繰り返してしまうのです。
■人生の計画を手放して自分らしい幸せを選択する
このような思い込みと無意識的に作っている人生の計画を、私たちは数えきれないくらい抱えています。
それらは恋愛だけでなく、対人関係でも仕事でも、あらゆる面に影響を及ぼしているんですね。
過去の経験で感じた心の痛みを避けるため、自分らしい幸せよりも、人生の計画を守る方を大事にしてきたのかもしれません。しかし今の自分に本当に必要かどうかは別の問題です。
このような心の深い部分の思い込みを手放すには、思考や論理で解決するのは難しいものです。そこで、こんな場合には直観的な気づきが大きな助けになります。
今まで繰り返してきた慢性的なパターンを変えてみたいと思うのであれば、こんな質問を自分に投げかけてみてください。
「この計画を持ち続けることが私の幸せにつながるのだろうか?」
「それとも、古い思い込みは手放して、本当の自分が持っている『本来の願い』を生きる方が幸せだろうか?」
コツは現実的に可能かどうか?は横に置いて、直感的・感覚的に「私が本当に願っているのはこっちかもしれない」という方を選んでいくことです。
無意識に繰り返していたことでも、意識的に自覚しながら選択し直せれば、人生はゆっくりとですが確実に、本来の私たちが望む幸せの方向へ変化していきますからね。
(完)