制限されるからこそ誰かの大切さとつながりを感じられる
オンラインが五感を使うことを制限してしまうこと、新型コロナウイルスの影響による自粛。この二つの制限は、「画面上の誰か」や「しばらく会っていない両親」に代表される目の前にはいない誰かに対して、「大切にそしてつながりを感じたい」自らの気持ちを気づかせてくれます。
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◇制限されるから感じられる誰かとのつながりの大切さ
新型コロナウイルスによる自粛は大変な状況を作り出しました。
そんな中で私たちは図らずも「誰かとのつながりの大切さ」を感じやすくなったのではないでしょうか。
例えば、
- いつも職場にいて気にしたこともなかったけど、あの何でもないような会話が、自分にとってとても大切な時間だった。
- 月に一回飲みに集まるメンバーが、どれほど自分の支えだったかに気づく。
- 会えばよく喧嘩していた恋人をどれほど愛していたかよくわかる。
状況は深刻で簡単に「制限されるから気づくことがある」と言えるものではありません。
しかし、たくさんの深刻な問題や状況の中でも、いえ、だからこそ、私たちは「誰かのとつながりの大切さ」と何かしら実感しているように思うのです。
その理由は、誰かと直接会うことを制限されたために、逆に、まっすぐ純粋に誰かのことを思うことができるから、だからではないでしょうか。
こうした逸話はたくさんあります。
実際、私はカウンセリングの中でも大切な存在を思い出し、つながりを感じたいと行動にうつす人の話をたくさん聞きました。
離れて暮らす実家の両親に電話をしたり、高校時代の同級生に何十年ぶりかにメールを送ったり。
久しぶりの連絡が縁で、家族の関係が良好になったり、オンラインですが同窓会が開催されたり。
誰かのことを大切に思い、つながりたいという気持ちが相手に伝わると、その誰かはとても嬉しい。
すると、相手も同じ思いを持っていることをあなたに伝えやすくなります。
その結果、お互いがつながり合う大切に思い合うことに広がっていく。
そして、この気づきは、オンラインで誰かを見ている時に、大きく感じやすくなっていきます。
◇画面に映る人を見ながら、近くにいる大切な誰かに思いを馳せる
気楽に誰かと会えない状況の中で、オンラインで画面越しに誰かの顔を見て声を聞く。
五感が制限されて研ぎ澄ませているから、画面に映るこの人への想いは強くなる。
気楽にこの人と会えないから、大切な想いは強くなる。
ここには二つの大切な要素が合わさってくるが故に
「誰かを大切に思い、つながりを感じたいと思う」
という気づきを大きくしていきます。
誰かを大切に思う気持ちを押し出すエネルギーがオンラインというツールを通って相手に届いていく、と言えるかもしれません。
気楽に会えない、五感が働かないという制限の中にいることで、心は自分の内面に答えを探さざるを得なくなります。
「こんなにも誰かのことを大切に思い、つながりを感じたいと思っていたなんて」
そんな自分の内面の声に気づきやすくなるのです。
しかし、どんなに本心では大切に思っていても、腹が立つこと、悲しいことがその人との間にあると、素直に感じられないことは多いもの。
その中でも、本心に気づくには「もしかしてこの人は自分にとって大切な人なのではないか」とわざわざ意図することで感じやすくなります。
気づける時というのは「この人は大切な人なんだ」と心が意図している時です。
制限がかかっている時というのは、この心の意図が働きやすいとも言えます。
◇画面に映る人を見ながら、遠くにいる大切な誰かを重ね合わせられる
オンラインで画面に映る誰かのことを大切に思いつながりを感じている時。
あなたにとって、こんな風に感じられる人は、目の前にいる人だけなのでしょうか。
画面に映る同僚、友達を見ながら、別の誰かに重ね合わせてみる。
「見方が変われば世界が変わる」のであれば、目の前に映る人を、遠くにいてなかなか会えない両親や、過去に大切だった恋人に対しても、大切に思いつながりを感じることもできるはずです。
目の前の人とつながりながら、同じように遠くの、過去の誰かともつながれる。
この連載の第1回でお伝えした投影の法則を思い出してみてください。
私たちは目の前にいる誰かを見ている時、無意識に他の誰かや過去の誰かを重ね合わせて見ている。
これは、オンラインでつながっている目の前の誰か以外の人にも「大切な思いとつながり」を感じられることを表しています。
しかし、やはり、自分が誰かのことを「大切でつながりを感じたい存在」と意図して感じようと思わなければ、思うことはできません。
「私たちの心は、見たいように見、感じたいように感じる」ことができるのですから、大切に思いつながりを感じる相手は、他にもたくさんいると見方を変える必要があるのです。
オンラインの画面を見ながら、目の前の人を大切に思いつながりを感じながら、こうした思いを自分が持っている人が他にもたくさんいるのではないだろうかと思いながら、イメージを広げてみましょう。
いつも大切に感じている恋人への愛情を。
普段はあまり気にしていなかった職場の仲間への感謝を。
当たり前すぎて実感できなかった両親からの応援を。
さらには、今までは嫌っていたり怒っていたりしていた誰かに対して。
この連載の第一回で出てきたお話、
苦手な上司や、無口な先輩が実は良いところがあるかもしれないと見方を変えてみるというやり方。
オンライン上の画面を見ながら、こんな風に思いを広げていくこともできます。
すると、あなたにとって全ての人が「実は自分にとって大切な存在なのではないか」と気づくきっかけにしていけるのです。
>>>『オンライン時代到来の今だからこそ学べる「あなたの見方次第で世界は変わる」という視点(4)~部屋に一人でいるのに一人じゃないと感じられる理由~』へ続く