分ちあうよろこび

二人そろって楽しめるなにかを探す

 

こんにちは 平です。

結婚生活や同棲生活が長くなると、カップルのそれぞれが自立しているといいますか、一緒にいるのに孤立したような状態になることがよくあります。

たとえば、夫婦の場合、奥さまが子ども中心の暮らしになったりすると、二人の時間をなかなか作ることができなくなります。

それでも、子どものことが夫婦共通の話題である間はまだいいのですが、進学や就職で子どもが親から離れていくと、夫婦の間に溝が生じることもあるわけです。

そんなときは、二人が共有できる時間や場所、共通の趣味などをもつことが大事になります。

若いうちは、よろこびを共有するということでは、セックスが二人にとっての大切な要素になっていることは多いものですが、もちろん、それは性的なことでなくてもいいわけです。

以前、ご相談を受けたご夫婦は、ご主人が大のゴルフ好き。しかし、奥さまは運動が苦手で、ご主人の趣味につきあうことはほとんどありませんでした。

奥さまのほうは食べ歩きが趣味だったのですが、ご主人は糖尿病をもっていて、しかも、体を絞り込みたいというストイックなタイプだったので、これまた一緒にというわけにはいきません。

しかし、その後、二人そろって楽しめる趣味としてようやく見つかったのが“温泉”でした。

温泉地に出かけると、多くの温泉施設は男湯と女湯に分かれていますが、中にはカップル向きの貸切の浴場があるところもあるので、二人はそんな施設を見つけては出かけていきました。

また、最近は健康ランドも充実しているので、温泉は日常的にも気軽に楽しめます。このご夫婦も、最寄りの健康ランドの貸切のお風呂で1時間ほどゆっくり過ごす‥‥というのが二人にとって心地よい時間となりました。

そうしたことを積み重ねているうちに、夫婦にとって、新しい絆ができてきたのです。

ほかには、二人で山歩きをするのを楽しみとしているご夫婦も知っています。

ご主人はもともと本格的な登山を趣味としていた人なのですが、奥さまは行ってもハイキングまで。

したがって、二人で山に出かけたことは一度もなかったのですが、近年はご主人もだいぶお年になり、ゆるやかなルートを選ぶようになっていました。

で、あるとき、ふと、奥さまの負担にならないコースもあるかもしれないと思って、いろいろ調べたのをきっかけに、二人で山を歩くようになったのです。

ともに暮らす年月が長くなると、「私は私、あなたはあなた」というふうになりがちです。

しかし、何歳になろうとも、よろこびをともに味わったり、なにかの体験を分かち合ったりすることは大切です。そして、それを実践しているカップルには笑顔の時間が多いようです。

それなりの意欲がないと、共通の趣味を見つけるのは難しいかもしれません。しかし、そのちょっとしたがんばりで、二人の毎日が大きく変わっていくかもしれないのです。

では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

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神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。