多くの男性は彼女に熱中するからこそ
こんにちは 平です。
彼女はとてもかわいくて、だれが見てもモテるタイプの女性でした。
しかしながら、私どもの恋愛心理学講座に通わなければいけないほど、彼女の恋愛はいつもうまくいきません。
パートナーに手を上げられるようなこともしばしばあり、別れるときはいつも最悪の別れ方となっていました。
その彼女としばらく話してみて、私には「ああ、これだな」と思いあたるところがありました。で、さらに聞いてみると、私の想像通り、彼女はすべての彼からこんなセリフを、それも頻繁に言われていたのです。
「おまえはなに一つ、俺のことをわかっていない!」
「もう、これ以上、オレを怒らせないでくれ!」
先ほども書いたように、彼女はとてもかわいらしく、モテるタイプの女性なのですが、当の本人はといえば、いつもたくさんのコンプレックスを抱え、それを隠すことに必死になっていました。
そして、自己評価が非常に低いがゆえに、どれだけ愛されたとしても、「みんな私のことをよく知らないくせに‥‥」といつも思っていました。
さらに、「自分はいつかきっと失望され、捨てられるんだ」と思っていて、いつもその通りに男性から罵声を浴びせられ、捨てられてしまうわけです。
その現実がさらに彼女の自己概念を強化してしまったわけですが、彼女は自分のふるまいがパートナーに劣等感を抱かせているということにはまったく気づいていません。
多くの男性は彼女に熱中します。それほど彼女はカワイイ女性なのです。
が、彼女自身は自分が男性から心から愛され、受け入れられることなどないと思っていますから、男性に対しては、心を開くどころか、いつも警戒したり、気を使ったりしているわけです。
すると、男性たちは「僕はこんなにきみのことを愛しているのに、きみはけっして僕に心を許してくれない」と感じます。
恋愛初期のころ、男性というのはあの手この手で彼女を喜ばせようとするものですが、この彼女の場合、「心を許してしまうと、別れたときにいっそう深く傷つく‥‥」と思っているので、かたくなに心を開こうとはしません。
すると、男性は彼女の視線がまったく自分に向いていないように感じ、やがて、「彼女はきっと僕のもとを去っていくのだろう」と、彼女が抱いているのと同じような思いをもつようになります。
つまり、共鳴するわけですね。「こんなに愛しても、僕が愛するほど、彼女は僕のことを愛してはくれない‥‥」と、彼女がずっと男性に対して感じていたコンプレックスをボーイフレンドたちも彼女に対して感じるようになるわけです。
で、最後は彼が「いいかげんにしろよ、まったく何様のつもりだ!」と言って、恋はジ・エンドとなるのです。
彼女はボーイフレンドたちが自分に対して怒ったり、罵声を浴びせたりしたのは、コンプレックスを感じたが故だ、その理由は、彼女に愛してもらえないと思ったから、ということにまったく気づいていませんでした。
というのも、あまりにこのような経験が多かったので、彼女は自分のことをモテない、愛されない女性だと思い込んでいたのです。
そんな彼女に私は「とにかく、喜びやうれしさという感情を表現しましょう」とコーチしました。
彼女はかわいらしい女性ながら、笑顔は少ないほうでした。女性を喜ばせたい男性にとって、彼女が笑顔になってくれないというのはとてもつらいことです。
それから6カ月、とくにポジティブな感情を表現するということに意識して取り組んでいったところ、それまでは心の中でしか言えなかった喜びやうれしさの感情を彼女はだいぶ表現できるようになっていました。
その結果、彼女と一緒にいても無力感しか感じることができなかったボーイフレンドたちもがぜんやる気を出し、そのおかげで彼女のネガティブな自己概念もどんどん小さくなっていったのです。
女性のみなさん、とくに大好きな男性の前では、喜びの表現をどんどんしてくださいね。そうでないと、男性というのは腐っていくようですよ。
では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!